株式会社ディーアール 代表取締役 谷脇 宗氏 | |
生年月日 | 1978年6月25日生まれ。東京都品川区出身。 |
プロフィール | 1986年に父親がラーメン店「道楽」を開業。両親共に働いていたため、幼い頃は2つ下の弟と一緒に料理をつくることもあった。これが、飲食の原点。高校時代から父の店でアルバイトを始め、大学を4年で中退。正社員として入社し、3号店の店長を任される。その後、食材卸のために2002年1月「(株)ディーアール」を設立し、社長に就任。独自業態の開発など事業拡大を図る。2009年12月現在、4業態11店舗に広がっている。 |
主な業態 | 「ラーメン道楽」「ホルモンまるみち」など |
企業HP | http://www.dr-t.co.jp/ |
「スポーツ少年だった」と今回、登場いただく(株)ディーアール代表取締役、谷脇 宗は少年時代を振り返る。野球に、サッカー。中学ではバレー部に所属する。谷脇が8歳の頃、会社を経営していた父がラーメン店を開業する。店名は「道楽」。両親共に仕事に追われていたこともあって、弟と一緒に料理をつくることもあった。それが、「飲食」の原点になっている。高校に進学した谷脇は、クラブに入らず友だちと遊び回った。一方、父の店「ラーメン道楽」でアルバイトも開始。理由は、「時給が1200円と高かったから」。単純な発想だった。「店を継ぐことなどまるで考えていなかった」のも頷ける。
大学受験に失敗し、浪人すると決めたときに父に言われた。「お前がしたことだから、自分で責任を取れ」と。この一言が後に転機を生む。父からそう言われた谷脇は、予備校の費用などを稼ぐために、本格的に仕事に取り組み始めるのである。これが谷脇の人生の中で大きな転機となる。真剣に仕事に向き合うと、小遣い稼ぎだった高校生の時とは明らかに違う充実感や達成感が味わえた。仕事が楽しくなり、これが自分の進む道とまで思うようになるのである。大学には一浪の末、進学したが、やはり仕事が楽しく、将来の道も決まっているからと、4年で中退。株式会社「道楽」に就職する。
長年、アルバイトをしていたことで、就職後もスムーズに仕事ができたはずだ。だが、アルバイトと正社員では周りの捉え方が変わったのではないか。「経営者の息子という色眼鏡で見られたこともあった」という。年齢も若い。舐められてたまるか、色眼鏡で見られてたまるか。負けず嫌いの谷脇は、実力で、外野の声をねじ伏せていく。3号店、出店時には店長に抜擢され、経営にも徐々に参加していくことになる。「いずれ、父から店を引き継ぐことになる。この店を大きくしよう」。仕事の合間を見つけては経営の本を読み、セミナーにも参加。経営の基礎を身に付け始める。そして26歳。食材卸のために立ち上げた(株)ディーアールで社長に就任。
「ディーアール」。社名の由来を伺うと「『道楽』の頭文字をとっただけ」とそっけない返事が返ってきた。しかし、一方で、「道楽」という名前が、谷脇にとってどれだけ身近であるかを、このそっけない返事が、物語っているように思えた。谷脇にとって「道楽」は苗字同様、谷脇家そのものを示す言葉にほかならなかったのではないか。
さて、「ディーアール」を起業した谷脇は当初の事業目的である食材の卸業に、飲食店経営を新たに加えていく。すでに4業態。たいへんだったのは、いずれの業態も谷脇自らが修行し、仕事を覚え、開発しなければならなかったことだ。谷脇は直営店舗同士でのメニューのコラボレーションを手がけ、完成したモツ火鍋をオリジナルメニューとして打ち出している!だが、その分、通常のFCよりも開発力、現場力が求められるのも事実。ここでも谷脇は自ら先頭に立ち、研修を受け、店舗のオープン、運営までをリードしてきたのである。「金も出すが、口も出す」という経営者は多いが、谷脇のように、自ら率先して動く経営者は稀といえるのではないだろうか。
「10年先まで求められ続ける業態を作りたい」。谷脇の、一つの目標だ。一方、年間売上10億円という具体的な数値の目標も掲げる。現在、4業態11店舗。達成の時期は近い(09年12月現在で2期後には達成とのこと)。だが、そのためには一つクリアしなければいけないことがある。それが、谷脇を中心にした「強い組織」の創造である。「いままでは、ぼくが全部の店舗を見てきたが、そろそろ限界」と谷脇自身も、組織力強化の重要性を訴えている。「道楽」もそうだが、谷脇の店では、季節により味も少しずつ変えるようにしている。むろん食材は新鮮そのもの。仕入れルート確保のため、走り回ったこともある。こういう(株)ディーアールの姿勢を理解し、財産を活用できる組織と人物が、いまの谷脇には必要なのだ。そのためにいま、意欲ある人材を積極的に求めているところ。もちろん現段階でいえば谷脇も若い。まだ31歳だ。だが、この若き経営者は、自らと同等の実力を持った意欲ある青年を迎え入れることで、もう一皮向けようとしているのではないか。谷脇本人も、まだまだノビシロがある青年経営者であることに間違いはない。この青年の可能性に賭けてみるのも悪くない選択だ。
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