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第19回 株式会社SEED-TANK 代表取締役社長 古里太志氏
update 08/07/08
株式会社SEED-TANK
古里太志氏
株式会社SEED-TANK 代表取締役社長 古里太志氏
生年月日 1971年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。
プロフィール 東京工芸大学工芸学部建築学科卒業後、グローバルダイニングに入社。「ゼスト」の店長を経て28歳の2000年、西麻布にイタリアンをベースとしたレストラン「Furutoshi」をオープンし独立。翌年には「Pacific Currents」、2005年11月には三井ガーデンホテル銀座に「SKY」をオープンする。現在はレストラン経営のほか、飲食店のプロデュースやサービスに関するコンサルティングも行っている。
主な業態 「Furutoshi」「sky」「agora」など
企業HP http://www.seed-tank.com/

「三番、キャッチャー、古里君」。

 2歳ずつ違いの男三兄弟の末っ子。
古里氏は親からも兄たちからも可愛がられて育った。大好きな兄たちが所属するのは小学校の野球チーム。自分も野球をやるのは自然なことだった。三番、キャッチャー、キャプテン。高学年になるとすぐ上の兄からキャプテンを引き継ぎ、そのポジションは中学校・高校へと進んでも変ることはなかった。
小学生ですでにリーダーシップや責任について考えるようになったという古里氏には、一つの大きな出会いがある。4年生から卒業までの3年間担任となった熱血女性教師の存在だ。
当時20代後半だったと思われるその女性教師は、クラスの子供全員にスポーツ活動をやらせた。冬も半袖短パンで登校させ、授業前の7時から朝練をさせる。もちろん教師自身もその時間に来て、子供たちの練習を見守ったという。
当然、運動の苦手な子と得意な子がいる。後者である古里氏はそこでもリーダー的役割を任された。「チームプレーとは何?」。古里氏はその女性教師からいつも問いかけられているような気がしたという。単に自分が活躍すればいいというものではなく、できる者が苦手な仲間を守りながら引っ張っていかなければならない。本当のリーダーとは強さと優しさを持ち合わせているもの。小学生にして古里氏は、そんなリーダー像を描き追い続けたという。もちろんその教えは、野球チームのキャプテンをする上でも役立った。
明けても暮れても野球漬けの少年は、小学校を卒業後も地元湘南の中学、高校へと進む。高校は甲子園を目指す強豪チーム。しかし残念ながら県予選の4回戦で破れ古里氏の野球人生は幕を閉じる。新たな出会いは野球から卒業した高校3年生の夏だった。お小遣い欲しさからはじめた居酒屋のアルバイトで、接客業の面白さにのめり込んでいく。


4歳上の副店長が見せてくれた大人の世界

 居酒屋チェーンでアルバイトをはじめた古里氏は、これまでとまったく異なる世界に興味津々だった。なにしろ周りを取り囲むのはすべて大人。そこには仕事の厳しさや楽しさ、遊び方の違いといった同級生との生活では味わえないものがあった。特に経験も価値観も違う4つ歳上の副店長が古里氏を可愛がってくれ、仕事のいろはを教えてくれたのはもちろん、仕事を終えた後の食事も、休日も、その先輩と過ごすようになった。
「大人の世界を知っているという優越感を楽しんでいた」のかもしれないし「有り余ったエネルギーを発散して馬鹿騒ぎすることも楽しかった」のかもしれない。しかし折りに触れて先輩が語り見せてくれた仕事場での姿、接客の在り方に興味と関心を持ち、人を楽しませ喜ばせるサービスという仕事に自分がどっぷりとはまっていくことを感じたという。
進路としては高3から専攻していた理系で大学進学を決めるが、「建築家を目指す道は入学早々に捨てた」というようにアルバイトが優先。もちろん大学には通い続けるが、今度はレストランとしてより欲求の高い人たちが集まる場所で、より上質のサービスを提供する勉強をしようと考えるようになる。そうして移ったのがグローバルダイニングが展開する「ゼスト」だった。


人の能力を引き出す店長との出会い

 「ゼスト」を仕切っていたのは24歳の店長だった。しかしとても“たった6歳違い”とは思えぬ魅力を備えていたという。従業員への接し方にも仕事ぶりにも落ち着きがあり、特にその優れたマネジメント力には全社規模での定評があった。古里氏自身も「人の能力を引き出して育てるリーダーとはこういうものか」と実感したという。
古里氏はその店長からバーテンダーに抜擢された。
当時、トムクルーズが主演する「カクテル」という映画がヒットし、「ゼスト」でもカクテルは大人気だった。古里氏は大学1年の時、バイト代で兄と2週間のシアトル旅行をするが、旅先で目についた日本ではまだ馴染みのないお酒を購入しお店に持ち込んだ。それらを使ってオリジナルのカクテルを作っていく。そんな仕事ぶりを店長は喜んでくれ、自由に伸び伸びとやらせてくれた。
「お酒の奥深さにものめり込んだし、そのお酒を楽しむお客様との会話も楽しかった」。古里氏が「ゼスト」の貴重な戦力となったのは、雇用形態や経験年数ではなく本人のやる気を優先して仕事を任せてくれる店長のマネジメントに完全にはまった結果とも言える。 任されるから仕事が楽しく、増々お客様を喜ばせたいと頑張る。店長のマネジメントによる良い成長スパイラルが「この世界で生きていこう」と古里氏を決意させた。
もちろん店舗運営の責任感に満ちた目の前にいる店長が理想像。強さと優しさを持つリーダー。まさに古里氏は小学校時代から折に触れて考え追い続けていたリーダー像を目の当たりにしていたのだった。


関わってきたすべての人が自分をサポートしてくれた

 「ピュアに生きてきたんだと思います」。野球もそうだし飲食の仕事もそう。ただ夢中になってのめり込んできただけと、古里氏は自分自身のこれまでを振り返る。しかしそこには「ピュアに生きさせてくれた周りのサポートがあった」という。
実は両親は古里氏が学生の時に離婚している。兄が独立した後は母親と二人暮らしをしていたが、寂しさや苦労を感じたことはなかった。母親の明るさはもちろんだが、家庭を支えるという役目を兄たちが背負ってくれたのだ。「好きに生きなさい」「自分らしく生きなさい」、そんな環境を家族みんなが作ってくれた。バイトで出会った先輩たちもそう。仕事の厳しさを見せるだけでなく、古里氏の良さを愛情を持って引き出しながら「こんな人になりたい、こんな生き方をしたい」というお手本を示してくれた。
グローバルダイニングという会社も独特だった。その当時26の飲食店を展開しており、多くは30代の店長だったが20代の店長も3人ほど活躍していた。若い店長が集まって業績やサービスについて話し合っている姿。人の潜在能力を認めて「やってみなさい」と任せることに賭けている会社。ピュアな古里氏にはたまらなくエキサイティングな場所だった。
大学卒業と同時に、古里氏はグローバルダイニングの正社員を選んだ。そこには目標があったし進むべき道があったからだ。


28歳で独立。スポンサー、家族の金銭的援助一切なし

 大学卒業と同時にグローバルダイニングの正社員になった古里氏は、すぐにその実力を認められ店長となった。独立を現実的に考えていたわけではなかったが、アルバイト時代から続けていた毎月の貯金を継続し、顧客や仲間に人脈を広げていくこと、店舗経営のノウハウを学ぶ事により貪欲になっていった。
「お金を貯める意思があったということは独立を考えていた、ということになるんですが、当時はどちらかと言えば選択できる範囲を広げておきたいという思いでした」。飲食の世界で生きていくという漠然とした状態のうちから、どんな選択をするにしても必ず役立つであろう資金について考え、地道に貯金をしていた古里氏。何不自由なく育ててくれた母親、あらゆる心配事を背負ってくれた兄たちに、これ以上負担をかけたくないという想いがあった。
結局、28歳で独立を決意するが、西麻布のイタリア料理をベースとするレストラン「Furutoshi」のオープンにあたっては9000万円の資金が必要となった。しかし古里氏は、銀行からの融資と自分の貯金だけでそのすべてをカバーする。「人は誰でも周りの期待に応えたいものだ」と古里氏は言う。「Furutoshi」のオープンは、親、兄、先輩、部下…「それまで自分をサポートしてくれたすべての人たちに対する感謝の表現でもあった」という。


SEED-TANK発信で業界を変えていく

 今年、株式会社SEED-TANKには16名の新卒が入社した。みんな明るいが決して派手なタイプではなく、仕事の本質を追求していく真面目さを持っている。「自分がそうしてもらったように愛情を持って育てたい」。この業界は技術で成り立っているという古里氏は、料理・サービスのどちらの道を選んだにしても、すべての社員がスペシャリストを目指していける環境を提供したいと考えている。
また、古里氏は現在の業界の在り方に不満を持っている一人だ。「料理人は定着してきたがサービスのスペシャリストの素晴らしさも、もっと認知されてよいはず」。みんなが憧れるような人材を自社から輩出し、レストランで働く価値を広く知らしめると同時に、収入面などプロとしての在り方を示すことも大切だという。古里氏はSEED-TANKの経営者であるだけでなく業界の変化にもリーダーシップを発揮していこうとしている。「常に考えて行動する」ことをテーマとするSEED-TANKのメンバーは、そんな古里氏の考え方に賛同し入社を決めている。

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