かもんフードサービス株式会社 代表取締役 金子宏志氏 | |
生年月日 | 1959年12月、神奈川県生まれ。 |
プロフィール | 中学時代からワタミ株式会社の渡邊美樹社長と同級生で、大学卒業後、渡邊氏らと居酒屋「つぼ八」を経営。 つぼ八創業者・石井誠二氏の薫陶を受けながら成長し、「和民」の躍進に貢献する。1997年に独立し、「居酒屋かもん」などを精力的に出店している。 |
主な業態 | 「居酒屋かもん」など |
企業HP | http://www.kamon-fs.co.jp/ |
「居酒屋かもん」や「浜辺料理 茅ヶ崎 海ぶね」など、東京や神奈川・群馬県などに現在10業態40店舗を擁しているかもんフードサービス株式会社。「必ず独立せよ」、「常に社長の気持ちになれ」、「自分で考え、自分で行動せよ」の3つの言葉を社長から社員へと提言し、これまで積極的に独立者を輩出してきた企業でもある。
こういった同社の経営哲学の磁場となっている存在が金子宏志社長だ。ワタミ株式会社の渡邊美樹社長とは中学時代からの同級生で、高校時代は親友と呼べるまでの仲になり、大学卒業後は一緒に「つぼ八」の大繁盛店を生み出してきた。つぼ八創業者・石井誠二氏の下、経営者スピリットを鍛錬し、居酒屋「和民」もヒットへと導き、その成長を第一線で支えてきた人物だ。
「私は“飲食好き”というより、“居酒屋好き”。お店のスタッフとお客様との距離が近く、お互い心が触れ合えることこそが、飲食業の醍醐味ではないでしょうか。飲食業をやっているのなら、居酒屋をやってみなくてはもったいないと思います」と金子氏。経営者となった今でも、現場での情熱を大切にし、熱く語る。
もともと、金子社長が飲食店をスタートさせたのは、大学時代に友人と敢行した国内一周旅行がきっかけだった。旅先で、渡邊氏も含めた友人3人と将来について語り合っている時に、「サラリーマンはつまらなそうだ。だったら将来、一緒に飲み屋でもやってみようか」と漠然だか決意したのだった。その頃からすでに渡邊氏は、「将来は経営者になりたい」と口に出していたという。
金子社長と渡邊氏ら友人3人が開業資金1000万円を用意できたのは、ちょうど「つぼ八」が大ブレイクする前夜だった。物件探しをしている時期に、金子氏らは石井誠二氏と出会うことになるのだが、その頃「つぼ八」では本格的なFC(フランチャイズ)ビジネスに乗り出したところだった。
「当時のつぼ八は、まだ直営で5〜6店しかなかったけれど、居酒屋業界の中でも異彩を放っていた」と金子氏は当時を振り返る。当時、比較的、高級とされたレモンを贅沢に2分の1個、ドリンクに付けたり、均一価格で提供する破格な値付けの刺身料理、あるいは関東ではまだ珍しかったホッケの開きなど、品揃えや商品力、価格設定に至るまで目を見張るものがあったという。
「そんな魅力的な店ならば、ぜひ」と「つぼ八」のFC店をオープンすることになった金子社長らは、その後、瞬く間に繁盛店を生み出していった。一号店の「つぼ八 高円寺店」はオープン半年後には50坪ながら1500万円を弾き出した。「つぼ八」本来の魅力にプラスして、金子氏たちがワンランク上の接客を独自に工夫していたことも繁盛の要因になった。
「その頃、私たちが実践していたのは“高級クラブ並みの接客”。まずおしぼりを広げてお客様の手のひらに両手で渡し、さらにできるだけひざをついて丁寧に接客しました。」(金子氏)。お客をぞんざいに扱う居酒屋がまだまかり通っていた時代に、“クラブ並みの接客”で差別化を図ったというわけだ。
一号店である高円寺店は軌道に乗り、その後もつぼ八FC店の躍進は続く。この頃より渡邊氏は「店頭公開」を口にするようになっていたという。
そして1992年にはワタミ株式会社(当時はワタミフードサービス株式会社)ブランドである居食屋「和民」の一号店がオープン、瞬く間に出店を重ねることになる。そしてついに1996年10月「店頭公開」を果たしたのである。
ワタミ株式会社が上場して1年後、金子氏は渡邊氏とは別の道を歩むことを選んだ。「今度は自分の会社で自分の店を展開したい」と考えたためだ。金子氏はその時の想いをこう語る。「飲食店には代替店がいくらでもある。そんな中で、あの会社の店がなくなったら悲しいね、とお客様に言っていただけるような愛される店を生みたかった」。その結果、ホスピタリティ力の強い「居酒屋かもん」が誕生したというわけだ。
一方で、金子氏は社員育成にも積極的に取り組んでいる。「会社が社員にとって資産形成の場になるように、当社では設立当初から持ち株会を結成しております。また、独立の夢をもって入社してくる人が多いので、さまざまな独立制度も敷いています」。
具体的には、すでに4人の経営者を輩出したDFC(ダイレクトフランチャイズ)制度、あるいは分社制度。さらに社内ベンチャー制度なども用意しているのである。
「これからはナショナルチェーンの時代ではなく、個人店の時代」と指摘する金子社長。レベルの高いお客の舌や、知識や感性に、どのようにアプローチしていくかがますます重要になってきていると語る。そのためには「高い意識、つまり起業家精神を持つ人材が、お客様とより近い距離にいることが求められる」と話す。
同社が目指すのは、「大きな会社というよりも小さな会社(営業部門)の集合体。一人の経営者が大きくそびえたつような富士山の会社ではなく、小さな経営者の集合体である八ヶ岳のような経営」。何より、自分の人生を自分のために大切に生き、自らの「主人公性」を追及できるような企業をこれからも目指していく。
大学時代(22歳) | つぼ八大和店オープン(26歳) |
つぼ八大和店オープン(26歳) | ワタミ時代(28歳) |
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