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第526回 株式会社クリエイティブプレイス 代表取締役社長 中村雄斗氏
update 16/03/01
株式会社クリエイティブプレイス
中村雄斗氏
株式会社クリエイティブプレイス 代表取締役社長 中村雄斗氏
生年月日 1987年6月25日
プロフィール 宮城県仙台生まれ。日本大学、経済学部卒。大手航空会社に就職するが、独立を志し、わずか1年9ヵ月で退職。大学時代に知り合った現副社長とともに、株式会社クリエイティブプレイスを設立。2012年の設立から、3年経過した2015年現在で、 10店舗を展開。日本酒が、原価で飲める「日本酒原価酒蔵」をオープンし、注目を集めている。
主な業態 「日本酒原価酒蔵」「七福神恵比寿」「ととのえ」「きさらぎ」「牛一筋」
企業HP http://www.creativeplace.co.jp/

3年数ヵ月で、注目企業に成長。

記事作成のためインタビューさせていただいた時点で、店舗数は、10店舗。しかし、設立からまだ3年と数ヵ月と日は浅い。
設立からの軌跡を追いかけてみる。
2012年3月、株式会社クリエイティブプレイス、設立。同年7月に1号店「美食かほりや」新橋店OPEN。翌年8月に「和酒旬菜創魚ととのえ」新橋店がOPENし、2014年には拍車をかけるかのように3月、7月、9月、10月と4店舗をOPEN。2015年にもすでに4店舗のOPENを実現している。
何らかのバックボーンがあるわけではない。豊富な資本も、経験もない。ある一つのことをのぞけば、文字通りゼロからのスタートだった。
結果だけをみれば、「風雲児」。そう言えなくもない。
まだ、28歳。可能性も、でかい。今回は、そんな風雲児、株式会社クリエイティブプレイスの中村氏にご登場いただいた。

サッカー、小僧。めざすは、Jリーガー。

中村氏は、1987年6月25日生まれである。出身は宮城県仙台市。父親は国土交通省の役人。兄弟は3人。中村氏が長男である。
「もっぱらサッカーに育ててもらった」という。5歳からサッカーを始め、すぐに熱中した。
小学生、中学生時代は「ジェフ市原」のジュニア、ジュニアユースで過ごす。県大会ベスト4になった中学生時代は、キャプテンを務めていた。
練習に明け暮れる一方、勉強にはまったく興味がなかったが、それでも校内の成績はつねにトップだった。「5教科で、480点を下回ったことはない」というから、驚きだ。
頭脳も明晰。高校は、学区内でトップ校と言われていた仙台一高に進む。偏差値68。高校でも中村氏は、クラブチームを選択。「塩釜FC」に所属する。1年生から試合に出場していたというから、これにも驚かされる。しかも、中村氏が、1年生の時のチームは全国大会にも出場するほど、選手がそろっていた時期である。むろん、中村氏も全国大会でピッチをかけた。しかし、全国大会後、試合に出られない日々があって、悔しさから朝起きて練習を始めた時期でもある。「あの頃は、365日のうち、350日くらい練習していたイメージです」。
めざすのは、言うまでもなく「Jリーガー」だった。

サッカー選手から、路上でのキャッチへ。

大学は、「日本大学」の経済学部。卒業はしているが、大半は「キャッチ」のバイトで明け暮れた。
サッカーはどうしたんだろう。
「実は、大学1年の時、体育会のサッカー部を1ヵ月で辞めてしまいました。何だかんだと理由をつけていましたが、早い話、遊びたかったんだと思います(笑)」。
小さな頃からプロをめざしていた。ところが、高校時代になると目標が「プロではなく全国大会に置きかわった」そうだ。中村氏は、そうとは言っていないが、「プロ」というゴールがなくなったことが、サッカーを離れるきっかけだったかもしれない。
ともあれ、Jリーガーへ進むだろう話は、「キャッチ」の話に方向転換されるに至る。
「歌舞伎町で、居酒屋のキャッチをしていました。最初は、ホールだったんですが、『キャッチのほうが金になる』ということで始めたんです」。
1年生の時から計4年、「キャッチ」生活はつづく。「いちばんいい月で100万円くらいでした。ふつうは、40万円くらいかな」。
駆け出しのサラリーマンよりずっといい。親に金額を白状すると、「仕送りを打ち切られた」そうだ。
時間は1日4時間くらいで、月15〜16日勤務。効率もいい。「この時、いまの副社長の今津に出会ったんです。店は違いましたが、2人ともキャッチで」。
意気投合したのだろう。「キャッチ」を辞めてからも、友好はつづいた。

「キャッチ、」卒業。独立のために、就職する。

「キャッチ」を辞める、それは大学卒業と同義語だった。「就職する」とも同じ意味である。中村氏が、「キャッチ」生活を卒業し、就職したのは航空会社である。
「就職活動の時点で、漠然とですが、すでに『独立』は考えていました。世間的に大きい企業に就職を決めたのも独立という2文字が念頭にあって、東京で働けそうだったからです」。
「大きな組織をみておきたかった」と中村氏はいう。将来、役立つと思ったからだ。「今思えば、金融。絶対に(笑)」と中村氏。
しかし、中村氏の話を聞いているとろくに授業も出ていないはずだが、他に大手からも内定をもらっている。人事担当者の心もうまくキャッチしたのだろうか。それとも、さすが大手の人事担当者である。中村氏のなかに、光る才能を見出したのだろうか。
ところで、日本を代表する企業に入社したものの、初志貫徹。中村氏は独立する。
「結局、1年と9ヵ月で退職しました。飲食で独立しようと決めたからです。相棒の今津も、会社は違いましたが、私に少し遅れて退職。その後創業メンバーと会社を興したんです」。
それが、「株式会社クリエイティブプレイス」である。
2人とも「キャッチ」の経験はあったが、それ以上の経験はない。資金も、いうまでもなく、ゼロ。どうするか。

オープン初月から700万円。「キャッチ」パワーがさく裂。

「自信はありませんでしたが、『何とかなるだろう』と思っていました」。「何とかなる」、その根拠は?と尋ねると、「キャッチができたから」だという。
退職後中村氏は、当面の問題である資金獲得のため、「キャッチ」のバイトに舞い戻っている。
「4ヵ月で400万円近い資金をためた」というから三度、驚いた。
さて、1号店「美食かほりや」新橋店がオープンしたのは、2012年の7月である。退社からおよそ半年。「キャッチ」で資金をためる一方、オープンに向け準備を進めてきた。
それが、この時、実った。
しかし、オープンしたのは、競合も多い「新橋」である。しかも、雑居ビルの地下。「キャッチをしなかったら、どうなっていたかわかりませんが、とにかく初月から50席、日曜休みで700万円を叩きだしました。これで、いけると思ったんです」。
設立当初の中村氏はとにかく、売上・利益が第一だった。それ以外、何もなかった、と言ってもいい。ただし、それはそうだろう、という気がしないでもない。
バイトでも、「キャッチ」をすれば、100万円。少なくとも、それ以上でなければ独立した意味もないからだ。
ともかく予想通り、いいスタートダッシュを切れて、勢いが増した。翌2013年8月、2号店を出店。更に2014年には、4店舗を出店している。
順風満帆。さすがに、2014年には資金繰りで、悩んだそうだ。「リピーターがないと店が潰れる」ということも、この時、初めて理解したそうだ。
「それからですね。ほんとうの意味で、お客様目線に切り替えていったのは…」。今では、売上が最重要項目ではなくなっている。それも、この時の厳しい経験があったからだ。
「会社として何ができるか」。その答え探しが、今のコンセプトのようになっている。尊敬する経営者たちにも出会った。尊敬する先輩社長から、「世の中に対して、お前にしかできないことをやれ」というアドバイスもいただいた。
3年の間に、もっとも成長したのは、中村氏だったかもしれない。

スローガンは文化。

中村氏の「飲食人生」は華々しいデビューを飾ったが、中村氏という人間は、時間をかけ、少しずつ花開いた人だという気がする。人の心をとらえる、巧みな言葉ではない「何か」を少しずつ探してきた人だと思うからだ。
「会社のスローガンは文化です。文化を伝える、文化を創る、文化になる。そのさきがけとして、スタートしたのが、2015年4月オープンの『日本酒原価酒蔵』です」。
いまの中村氏が語る文化の創造が、「原価」という文字に凝縮されている。入館料に880円かかるが、銘酒がすべて「原価」である。種類も豊富だ。ほかの店なら、1000円を超えるような日本酒も、3分の1程度でいただける。
日本酒好きには、たまらない。
この日本酒という文化を広めるための、「原価」で売るというしくみ。この発想も、この数年で変化した中村氏の思いが、生み出した仕掛けだろう。
「来期10億円、経常1億円」と今後の目標を語る中村氏。設立5期目の目標である。むろん、数字が独り歩きしてはいない。
文化の創造。その結果として、目指す目標である。
ところで、ホームページの中村氏の挨拶に素敵な言葉が載っていたので引用させていただくことにする。
「意識を変えれば、運命が変わる。」
中村氏の、仲間へ、家族へ、そしてすべての人に対する熱いメッセージである。28歳の青年が発する強烈なメッセージでもある。

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