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第623回 株式会社ゴンチャ ジャパン 取締役社長 兼 COO 葛目 良輔氏
update 18/01/16
株式会社ゴンチャ ジャパン
葛目 良輔氏
株式会社ゴンチャ ジャパン 取締役社長 兼 COO 葛目 良輔氏
生年月日 1971年1月3日
プロフィール 兵庫県神戸市で生まれる。明治大学卒。大手電機メーカーに就職し、花形職でもある宣伝部に配属されるも、3年で退職。カルチュア・コンビニエンス・クラブをはじめ、スターバックス、マクドナルドで経験を積み、2015年、株式会社リヴァンプに入社。現職に就く。
主な業態 「ゴンチャ」
企業HP http://www.gongcha.co.jp/
「Gong cha」は「貢茶」と書く。古来の中国では時の皇帝に献上する最高品質のお茶を「貢茶」といったそうだ。それから、悠久の年を経て、2006年、皇帝たちが愛しつづけた伝統ある中国茶を、格式張らず、現代的に提供する一軒のティーショップが生まれた。それが「ゴンチャ」。発祥は、台湾南部の高雄である。
日本に「ゴンチャ ジャパン」が誕生し、1号店がオープンしたのは、それから10年経った2015年。2017年現在、原宿表参道店をはじめ、10店舗を出店している。今回、ご登場いただいたのは、その株式会社ゴンチャ ジャパンの取締役社長 兼 COO、葛目氏である。

大学時代までの葛目氏。

小学6年生の秋、東京の下町「深川」に移り住んだ。
父方も、母方も、比較的裕福な家庭育ちであったが、その父母がつくった葛目家は慎ましやかな家庭だった。
「勉強しろとは言われなかったですね。兄は、親父の影響で柔道ですが、私は、野球です。その野球がいちばん面白かった6年の秋に引っ越しですからなんでかなぁって」。
深川に転居するまでは、茨城県の取手で暮らしていたそうだ。
一つ違いの兄は、いい意味で友人でもあり、ライバルでもあった。
「高校は、それなりの進学校に進み、高校でラグビーをはじめました。高校でデビューするなら、多くの選手がはじめて取り組むラグビーがいいかなと思っていましたし、友人が『いっしょにやろうぜ』って、誘ってくれたこともあって」。
「それで、大学3年までです(笑)」。

One for all, All for one。

大学は明治大学。ラグビーは同好会だが、バイトの時間が取れないほど真剣にラグビーと向き合った。「今振り返れば、私の人生のなかでラグビーは大きな意味を持ちます。スポーツとして楽しんだということもありますが、人間教育という意味で、私の価値観はラグビーによってつくられたといってもいいんじゃないでしょうか」。
「One for all, all for one.(1人はみんなのために、みんなは1人のために)」。
ラグビーの精神だ。
「私はフランカーといって、泥臭く、いちばんグランドを駆け回らなければならないポジションでした。その分トライするチャンスもあるわけですが、決して派手ではない。誰かのためにという自己犠牲が強いられるポジションです。そういう役割だったから、余計に人間的な幅が広がったのかもしれません。一方で、試合が終われば、敵味方関係なく『ノーサイド』。この考えは今も私の基軸となっています」。
ちなみに、やかんの水は魔法の薬だったそうだ。やかんの水をかければ、捻挫だってなんだって治る。信じられていたわけではないが、実際にやかんの水は、何かある度に選手たちにぶっかけられた。大学3年時に副主将となった葛目氏は、いいかわるいかわからない、そういったラグビーの伝統とも折り合いをつけながらも、みんなを率いた。グランドを離れてもフランカーの役割はそう変わらなかったのかもしれない。

22歳の平社員に送られた貢物。

「私は、基本、猪突猛進のタイプなんです。いったん『こうだと思ったら、突き進む』奴なんです。社会人になって、それが少し変わりました。価値観が変わったと言ってもいいかもしれません」。
大学卒業後、葛目氏が進んだのは大手電機メーカー。大学時代に広告・マーケティングを専攻していたからか、いきなり宣伝部に配属された。花形部署である。
「『どんなコネがあったんだ』って同期社員に言われました。そりゃそうです。会社の中でもエース級ばかりの部署ですから。いきなり新人が配属されるような部署じゃなかったんです。でも、配属されてしまった」。
葛目氏が就職したのは、1993年。一般的な認識では、バブルが弾けてから1年後となる。「それでも、会社に勢いがあったし、宣伝部はその恩恵を受けていました」。
広告代理店の営業マンが、すり寄ってくる。お歳暮、お中元には、貢ぎ物が山となった。展示会を開いたあとは、コンパニオンとの食事がついてきた。アメリカ出張にも、行った。遊びがてらとは言わないが、それに近かった。
「もともと、20代の時はいろんな仕事を見てみようという思いがあったんです。それもあって3年で転職するんですが、あの時は、それ以上に『このままこの部署にいたら、人間がダメになる』って、それが怖かったんです」。
ある日、本社1Fのロビーで、同期の営業がお客様に深々と頭を下げているのを見た。その向こうでは対照的に、取引先の営業とふんぞり返って話す、部署の先輩の姿があった。転職のきっかけになったのは、そんな先輩の姿だった。

レジを打ったこともない人間が、経営を語れるのか?

「あれを見た時、ああはなりたくはないと心底思ったんです」。普通なら、取引先から致せり尽くせりの、だれもがうらやむ宣伝部だ。自ら、退職を願い出る人間はそういない。ただ、葛目氏という人は、そういう人なのだ。「One for all, all for one」。大事なのは、やはり、それだった。
「それから、偶然なんですが、CCCの求人広告をみて、すぐに応募しました。採用していただいて、本部のフランチャイズ事業を推し進めることになります。これは、宣伝部の時なんですが、年に何回かは、店頭に駆り出されるんです。なんといっても私が一番若いですから。その時、『小売』という仕事に何かしら興味を覚えていたんです。だから、CCCはある意味、ぴったりだったんです。ところが、いきなりスーパーバイザーでしょ。店舗を運営した経験がない。いわば、野球を知らない人間が、野球のコーチをやるようなもんです。加盟店の店長さんから『レジもできないんだろ』って、はっきり言われたこともありました。悔しかったですね。でも、そのような辛辣な言葉も含め、すべてが私を育ててくれたのも事実です。えぇ、前職とはまったく違います。何のバックもない。だれかに責任を押し付けることもできない。まさに、つねにボールを求めて、走り回るフランカーです/笑」。

「これだ」。スターバックスに突き進む。

CCCでは、計4年過ごしている。2年間は本部で。それから2年間は、直営店の店長。転機はアメリカ研修の時に出会った一軒のカフェによってもたらされた。
「流通でもアメリカは最先端なんです。カリフォルニアに行って、まだ『トイザらス』も絶好調の頃ですね。本屋内に併設された一軒のカフェがあったんです。店名は『スターバックス』。これだ、って。TSUTAYAとカフェですね。そういうのが電撃的に頭の中を駆け抜けたんです」。
帰国後、すぐにスターバックス コーヒー ジャパンに電話を入れる。「結局、スターバックスでは6年ですね。時間と空間を提供する、そういう元々やりたかった仕事が堪能できました。それからもう一度CCCに戻り、スターバックスのFC事業の責任者を5年、新規事業推進の責任者を2年、務めます」。
電機メーカーから始まって、CCC→スターバックス→再度CCC。しかし、まだ終わらない。

雲の上の居心地は?

「ある日、日経新聞の朝刊をみて、これだ、と。そう、それがマクドナルドへの転職のきっかけです。当時、マクドナルドは、外部から新たな血を入れようとしていた時なんです。30代の若手の募集で、私はもう40代だったんですが、ダメもとで受けたら、採用していただくことができて。う〜ん、当時ですか、私の職位は、マクドナルドの店舗スタッフからすれば、雲の上のような存在です。その職位の人間がいきなり外部からやってくるんですから、そりゃ、全員が全員いい気はしなかったんじゃないですか。でも、いうなら絶対的な権力者みたいなもので。私が店舗訪問するとなれば、雪の舞うなかでもFCオーナーと店長が店の前で立って待っていて下さるんです。私は、そういうのが得意でなくって」。わかる。葛目氏は、そういう人。雲の上でふんぞりかえると、逆に尻のあたりがむずむずするタイプの人なのだ、きっと。

空間と時間、それは文化だ。

「それで、マクドナルドは3年ですね。むろん、こちらでもいろんな勉強をさせていただきました。そして、リヴァンプに転職し、『ゴンチャ ジャパン』の取締役社長 兼 COOという今の仕事に就きました」。
 葛目氏は「時間」と「空間」だと言った。
「大学4年次の就職活動をした時、旅行代理店に入りたかったのも、結局、それなんですね。スターバックスに惹かれたのもそう。私が提供したかったのは、『時間』と『空間』なんです」。
その意味で「ゴンチャ ジャパン」は、お茶はもちろんのこと、まさにその時間と空間を楽しんでもらうところとなるだろう。お茶をカスタマイズすることもできる。4種類のお茶をベースに、30種類ものドリンク1点を選択し、ドリンクの甘さや氷の量をチョイスする。トッピングは有料だが、パール(タピオカ)など5種類から選択できる。
これらをチョイスすることで、顧客のオリジナルティーが完成するわけだ。パイナップルケーキ、マンゴケーキなどの台湾フードもある。明るく、おしゃれな都内のカフェで、オリジナルのティーと、それに合う台湾スイーツ。
悪くないと思いながら、時間と空間というのは、一つの文化なのだろうなと思い至った。そういう意味でいえば、葛目氏が台湾生まれのゴンチャを通してつくりだそうとしているのは、今までにない、新たなくつろぎの文化かもしれない。

思い出のアルバム
 

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