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第676回 株式会社サンライズサービス 代表取締役社長 松村幾敏氏
update 19/01/15
株式会社サンライズサービス
松村幾敏氏
株式会社サンライズサービス 代表取締役社長 松村幾敏氏
生年月日 1945年9月30日
プロフィール 山口県周南市出身。1970年、日本石油株式会社入社。環境対策、バイオ、新素材、省エネ分野などの事業に携わる。開発部長時代には「ヒラメの養殖」にも挑戦。2008年、代表取締役副社長に就任。その後退職し、2013年、株式会社サンライズサービスの代表取締役社長に就任。
主な業態 「つきじ海賓」「釜福」「おすし日和」
企業HP http://www.sunrise-service.co.jp/

最初の仕事は「悪臭対策」。

山口県にいたのは2歳の頃まで。その後は兵庫県西宮市で、高校を卒業するまで暮らす。小学校卒業後に中高一貫の進学校である甲陽学院に入学し、勉強に励んだ。2つ上の兄と2人の叔父は京都大学を卒業。兄たちとは違い、京都大学に進学せず、東京工業大学に入学した。「東京に出たかったのと、自分は法律や経済ではなく、化学に興味があった。だから東工大を選びました」。ここで、最終的に大学院まで進むことになる。
大学院卒業後は、そのまま研究者として残る道もあったが、「研究よりもモノづくりがしたい」と、就職を選ぶ。「自分としては関西の住友化学に入りたかったんですよ。しかしですね、大学院の教授が、私の進路を勝手に決めていたんです」。薦められたのは、日本石油株式会社(現・JXHD)。住友化学への思いがあったものの、教授が決めたことだし「モノづくりができればいいか」と入社を決意した。
しかし、いざフタを開けてみると、モノづくりとは正反対の仕事が待ち受けていた。配属されたのは根岸の製油所。そこで、工場から出る悪臭を分析し、対策をたてるのである。当時は日本中で「公害」が注目され始めた時代。各企業が騒音や悪臭などの対策に乗り出した時期でもあり、また大学院卒で現場に配属される人間がいなかったことから、松村氏が抜擢されたのだという。「モノづくりがしたくて、ずっと異動の希望を出していたんですよね。しかし僕の思いとは裏腹に、国に環境庁が設立され、各企業が本格的に公害対策のセクションを作り始めた。だから僕は、お客様のそういうセクションを回る仕事を、3〜4年やることになったんです」。
環境対策の仕事を7年ほどやり、その後はずっと本社勤務。なぜか一度も転勤することはなかった。本社では原油の買い付けを担当。オイルショックの時代である。原油輸入国であるサウジアラビアやイラン、イラク等からの輸入がストップし、今まで仕入れたことのないコンゴ、ロシア、メキシコ、北海などから買い付けを行った。
「石油会社が行くとこって、だいたい治安が悪いんです。僕も一度サウジアラビアでテロに巻き込まれそうになったこともあります。早めに帰国できたので難を逃れましたが」。その後40歳で課長に就任。「たいへんなこともあったけど、環境の仕事よりは楽しかったですね」と振り返る。

「開発部」で「ヒラメの養殖」。

故郷に錦を飾る、ではないが、松村氏には「地元の山口で仕事をしたい」という思いがあった。その思いが現実になるときが来た。山口県の下松市にある製油所の責任者として赴任する、という辞令が下ったのだ。思いがようやく叶うときが来た…はずだった。残念ながらその希望は泡と消えてしまう。なんと、製油所が急遽閉鎖することになったのである。しかもそれだけではなかった。「製油所で働いていた200人が路頭に迷ってしまう。悪いけど、面倒見てくれないか?」。仕事のなくなった従業員を食べさせていくために、新しい事業を起こす。それが、開発部のリーダーとしての最初のミッションだった。
何をするか?漁業や水産、農業なら、きちんとやれば収益は出る。その中でたどりついたのが「ヒラメの養殖」。石油会社がヒラメの養殖?まったく結びつかないが、製油所をさらに大きくしようという計画があったおかげで、堤防やダムの一部、海水ポンプなどの設備だけはあった。これを使わない手はなかった。これらを使って何ができるか?漁協にも相談したところ、返ってきた答えが「ヒラメの養殖」だったのだ。
もちろん養殖なんて今まで経験したことがない仕事である。しかし持ち前の探究心のおかげもあり、少しずつ形になっていった。「ヒラメって、砂地にペタっと這う、あの状態になるまでに40日ぐらいかかるんですよ。それまでの間に4回もエサが変わるんです。だから、難しかったですね」。
努力の甲斐あって養殖は軌道に乗り出したものの、7月、8月あたりまでは漁獲量が多いので価格が暴落。一方9月以降は漁獲量が少ないので価格は上がるが、需要が大きすぎて、養殖が追いつかなくなる。そんな状態でキロ1000円から1万円の間を乱高下するのが当たり前だったのだが、松村氏はここにもメスを入れた。
「まず、築地の仲買と仲良くなりました。そして年間でウチのヒラメを買ってもらう契約をしたんです」。年間で買うということは、ヒラメの相場価格が安いときには高い買い物になるが、逆に相場が高いときには他と比べて安く買える。「ヒラメなんて、寿司屋さんで食べようと思ったら『時価』でしょ? 寿司屋さんも時価より、たとえば300円なら300円と価格が決まっているほうが、仕入れやすいはずです。そういう説得をして、契約にこぎつけました」。
年間で取引ができるようになってからはすごく儲かったという。
「ウチと同じように、うなぎを扱う鉄鋼会社もありましたが、なんせ殿様商売なんです。漁獲量が少ないときはいいんですけど、多いときにはまったく売れていませんでした。築地からシャットアウトされ、時価の8割の値段でも売れていなかった。そんな中、ウチは時価より2割高い金額でも売れていました」。
このヒラメの養殖で20人の従業員を養い、養殖とは別にトマトの水耕栽培を始めて30人の働き口を作り、さらに大きな植物工場を作るなどして、なんとかみんなが食べていける環境を整備した。しかし、そんな生活も4〜5年で幕を閉じる。1993年に発生した台風19号。この台風により、堤防が決壊、タンクも吹き飛ばされ、事業の継続が困難になったのである。
「養殖は軌道に乗って楽しかったけど、一方でしんどくもあった。これを機会に、撤退しようと思ったんです」。
その後、植物工場を本格的に手がけようとしたものの失敗、水耕栽培も途中で行き詰まり、最終的にはバイオテクノロジーの分野に進出。「化学と近しいものがあるので、興味があったんです」と松村氏。ビタミンB12やアスタキサンチンの培養研究を開始し、20年の歳月をかけ、ようやく事業化に成功した。
「思えば、立ち上げのときは社員たちの雇用の受け皿的な意味合いもあったのかもしれませんが、そのうち『新しいことをやらなきゃいけない』ということでいろいろやり、開発部として形になっていったわけです」。

石油会社⇒宅配寿司店の経営へ。

その後副社長にまで上り詰めた松村氏。引退後も顧問などを歴任したが、当時兄が経営する「MMグループホールディングス」から「事業を手伝ってほしい」と依頼を受ける。そのMMグループホールディングスが2013年に株式会社サンライズサービスをM&Aし、松村氏が社長に就任した。
「石油から宅配寿司の経営会社へ。まったく畑違いと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。だって、ヒラメの養殖のおかげで魚の知識は一般の人よりもかなりありましたし、築地や漁協に知り合いもいる。いきなり社長に抜擢されたわけですが、『何も知らないから』と周りの人にバカにされるようなことはありませんでした」。
社長に就任した当時から、すでに神奈川・埼玉などに「すし速配 つきじ海賓」55店舗を展開。36億円の年商をあげていた。そこからこの4年の間で、店舗数は1店舗しか増やしていないものの、売り上げは40億円へ成長。なぜなのか? 「宅配寿司はもう飽和状態。これ以上は伸びないと思っているんです。だから、既存店舗を増やすより、新しい業態を作ることに注力しました。それが『釜福』という釜飯屋さん。さらに「つきじ海賓の寿司は高い!」と敬遠していた若い人向けの低価格業態『おすし日和』を作りました。こちらはコストをかけられないので、ネット販売オンリーです」。

M&Aという事業戦略

「釜福」「おすし日和」という同社の新業態は、順調に成長しつつある。ただ、現状にあぐらをかくことなく、次の成長戦略を見据えている松村氏。「これから新しい飲食店を作るのもいいと思うんですが、イチからやるのは効率が良くない。そこで当社がとるのは『M&A戦略』です。もちろんどこもかしこも、というわけではなく、対象は『後継者のいない飲食企業』。たとえば地方で小さいながらも事業を成功させているけれど、後継者がいないのでこのまま畳まざるを得ないという企業にアプローチしています」。
松村氏がM&Aを行う上で重視するのは、シナジーがあることと、従業員が辞めずに勤め続けること。
「私が社長に就任してから4年ほどで、すでに2社ほどM&Aを行いました。今後もペースはゆっくり、少しずつやっていきます」。御歳73歳。しかし年齢を感じさせることなく、むしろ目を輝かせてイキイキと語る松村氏。次は何をやってくれるのか、楽しみだ。

思い出のアルバム
思い出のアルバム 思い出のアルバム 思い出のアルバム
2005年
三浦雄一郎さんと
2007年
東京国際自動車会議
2008年
サンペトロケミカル植樹式
 
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