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第678回 株式会社キングファクトリーグループ キング軒代表 渡部 崇氏
update 19/01/29
株式会社キングファクトリーグループ
渡部 崇氏
株式会社キングファクトリーグループ キング軒代表 渡部 崇氏
生年月日 1977年6月27日
プロフィール 専門学校卒。22歳で、ハーレーダビットソンのショップを経営する。わずか1年で、経営が破綻し、1200万円の借金が残る。3年で返済し、青果市場や広告代理店、ワインのメーカーなどで勤務したあと、知人を手伝い、「汁なし担担麺専門キング軒」を開く。広島生まれ、広島育ち。
主な業態 「キング軒」
企業HP https://www.kingken.jp/

広島県廿日市のベットタウン。

広島県廿日市は、広島県西部にあり、有名な宮島も廿日市にある。南を向けば海が広がり、北には中国山脈がつらなっている。今回、ご登場いただいた「キング軒」の代表、渡部崇氏が、この廿日市に生まれたのは1977年。
小学校は14クラスあったというから人口も多かったのだろう。調べてみると、大手の工場も少なくなかったが、主にベッドタウンだったようだ。
「小・中も地元です。高校は地元の工業高校に進みました。就職先は、みんなマツダ関係です」。
もっとも渡部氏の進路は違った。
「私は就職ではなく、アパレル関連の2年制の専門学校に進みます。でも、当時、就職先がなくって、京都にあるハーレーダビットソンのショップに整備士として就職しました。アメリカにも工場があったくらいですから、それなりに大きな会社でした。こちらで2年勤務し、広島にハーレーのショップを出店するんです」。
のれん分けだったそうだが、無謀に思えなくもない。どうだったんだろう。

22歳、ハーレーダビットソンのショップを経営す。

「22歳です。若気の至りというんでしょうか。結構、私も尖がっていて。当時ハーレーを買おうなんて人は、たいていお金持ちです。でも、私は、お金があるからじゃなく、『ハーレーが好きだから』って人に買ってもらいたかった。正確にいうと、そういう人にしか売らなかった/笑」。
一理あるが、ビジネスは、それではうまくいかない。
「そうなんです。全くうまくいきませんでした。本部とももめちゃって。で、ショップを閉めて、残ったのは1200万円の借金だけ/笑。いまだから笑えますが、笑うに笑えません」。
バイトをかけもちしたが、そう簡単に返済できる額ではない。1年後には、元気で明るい性格で、だれにも愛された渡部氏の、心がへしゃいだ。
「だれにも言ってなかったんです。親父にも、爺ちゃんにも。ただ、仲のいい先輩が私の異変に気づいてくれて。『商売の借金は、商売でしか返せないよ』とアドバイスしてくれたんです」。
たしかに、アルバイトで、それなりの金利がつく1200万円を返すのは、ちょっと困難だ。不可能にちかい。「それで、商売をはじめて、なんとか合計3年で借金を返済するんです。この時にお金に詳しくなった。そういう意味では、いい経験だし、財産ですね」。
「スタッフを恨んだこともあった」と渡部氏は正直に明かしてくれた。借金返済のために開始したのは、「健全」とは言い難い、夜の事業だった。しかし、それも隠さない。社員にも、ちゃんと明かしている。
壮絶な覚悟だった。だから、心の底では、だれも笑わない。「うちの代表ってな」って、だれかに自慢しているかもしれない。ともあれ、渡部氏最初の事業は、失敗に終わる。

人間、丸くなる。

「借金を返済できたので、事業をたたみ、30歳になるまで5年間、青果市場ではたらきました」。昼と夜が逆転する。その頃から性格も丸くなって、「ぜんぜん怒らなくなった」という。
角が落ちた? 「いろいろ、きつい経験をすると、丸くなるんですね、人間は」そう言って、渡部氏は笑う。たしかに、柔和な笑みだ。「そのあと、青果市場の社長が、ファッション系の広告代理店を紹介してくれて、そちらで2年です」。
思えば、いろいろやってきた。角が取れ、人間的にも色合いを深めた。それからもう一度、転職する。「広告代理店の社長の知り合いで、ワインの会社で働いてる方がいて、そちらで営業を中心に3年間勤務します」。
人間、丸くなる。ただ、祖父、父とつづく、渡部家の商売人のDNAは、そう簡単に角を隠さない。「ワインの会社で勤務していた頃に、カフェ・バーをオープンします。これが、けっこうあたって。サラリーマンとオーナーの二足のワラジです。ワインも、会社のワインを卸せましたから、一石三鳥ですね/笑」。
うまい具合になっている。しかし、それがなぜ、「汁なし担担麺」につづくんだろうか。

めざすのは、広島発の立ち食い蕎麦。

「じつは、担担麺にハマったのは、青果市場で勤務していた頃です。汁なし担担麺にハマって、通うこと週3日以上。だいたいうちでもそうなんですが、汁なし担担麺って、そういうリピート性があるんですね。私も、やられた口でした/笑。でも、最初は、汁なし担担麺の専門店を経営するなんて思ってもいなかったです。たまたま、知り合いになった人がいて、彼が『やる』っていうんで、『じゃぁ、ぼくも手伝いますよ』って。スタートは、そこからなんです」。
株式会社キングファクトリーグループ、正式社名はこちらになる。代表取締役は、西村治記氏となっているが
「彼ですか?ちなみに今は将来漁師になるんだと言って張り切っています/笑」。
と言うことで現在、キング軒代表は渡部氏が務める。
「みんな、うちのことを『汁なし担担麺の専門店』と思ってくれているんですが、私たちがめざす立ち位置は、そこじゃない」。ってことは、新ブランドとか?
「いえいえそうじゃなく、キング軒は、『立ち食い蕎麦』になりたいんです」。
立ち食い?
「そうです。小腹が空いた時に立ち寄れる、そんなイメージです。だから、うちは580円です。広島でもキツイのに、東京でも、この値段で押し通しています」。
たしかに、安い。FCも「だれでもいいというわけではない」そうだ。角は取れたが、主張は曲がらない。
「大手さんもからも声をかけてもらうんですが。我々は、愛されてやりたいんです。担担麺が大好き。そうじゃなくて、儲かりそうっていうのは、ぜんぶ、お断り」。なんとなく、ハーレーの時を思い出す。しかも、それだけじゃないそうだ。
「施設にもいまのところ入らないです。オファーはたくさん頂戴しているんですが、こちらもぜんぶ、お断りしています」。なんなんだろう? 渡部氏という人がわからなくなってきた。

渡部を測るなら、ちがったスケールで測れ。

「ラーメン屋ってもう山ほどあるでしょ。いろいろうんちくを語る人もいる。そうやって、いまじゃラーメン1杯、1000円以上です。そういうラーメンがあっていいと思いますが、うちは、そうじゃない。だから、580円。ちなみに、卓上の山椒は、かけ放題です。儲かりそうだからって人にはできないですよ。だって、580円ですよ。だいたい、そんなに儲からない/笑」。
東京の店舗は、8.8坪だという。たしかに、そう大きくはない。個人でFCをしようと思っても、できるくらいの規模だ。「そうですね。できると思いますよ。うちは2人でオペレーションできますし」。ちなみに、キング軒は、繁盛店というだけではない。労働環境が、ふるっている。
「休みは月6日ですが、1日7時間労働です。給料は未経験でも25万円スタートで、創業以来、毎年昇給を実現しています」。 1日7時間? 「そうですね。これは、うちがラーメン屋じゃないという発想にもつながるんですが、スタッフには、『ラーメンのことしかわからない人間になるな』って口酸っぱく言っているんです。もっと広い世界をちゃんとみて欲しい。だから、7時間きっかり」。
ラーメンブームがつづいている。つけ麺、まぜ蕎麦、そして、汁なし担担麺。これは進化なのだろうか。それとも。
ともかく、まだまだラーメンブームはつづくに違いない。そのなかで、渡部氏がどんな役割を担うのか、それも気になる。何しろ、この人には、「儲かる、儲ける」というスケールが通用しない。つまり、そうそう簡単に何かで測れる人ではない。そもそも、人間のスケール自体が、測れないほどでかい。

思い出のアルバム
 
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