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第715回 株式会社TGK 代表取締役 安藤隼人氏
update 19/06/18
株式会社TGK
安藤隼人氏
株式会社TGK 代表取締役 安藤隼人氏
生年月日 1980年8月30日
プロフィール 立教大学卒。アミューズメント関連の会社に就職し、希望してキッチンに配属される。フレンチのシェフの下で修業し、2007年、独立。「神田たまごけん」をオープンする。社名の「TGK」は、いうまでもなく「たまごけん」の略である。
主な業態 「神田たまごけん」
企業HP http://www.tamagoken.com/

立教大学までの話。

ふわとろ〜。黄色い衣が「ふわり」と映え、一口食べれば「とろり〜」とした食感が、幸福とともに口いっぱいに広がる。
オムライスの話である。
オムライスは、ごはんが用いられることからもわかる通り、フランス発祥のオムレツを日本人がアレンジしたものだ。もともとはケチャップをかけるのが一般的だったように思うが、いまはソースのバリエーションも数多くある。むろん、オムライス自慢の店も少なくない。そのなかで、あまたの競合を乗り越え、オムライス界の頂点を狙っているのが、今回、インタビューさせていただいたTGKの安藤隼人氏である。
安藤氏は、1980年、池袋に生まれているが、すぐに埼玉県所沢に引っ越している。性格はおとなしく、小学校〜中学校までは喘息をわずらっていた。
「だから、走るのがキライだった」と笑う。
もっとも当時からスイミングに通い、中学では柔道をはじめているから、喘息以外に問題はなかったのだろう。教科のなかでは英語がいちばん得意だった。
「高校は立教高校に進み、バレーボールをはじめます。1ヵ月間ですが、イギリスにも留学しています」。ファミリーレストランなどでバイトをはじめたのもこの頃。大学はストレートに立教大学に進学。
「大学時代を表現すれば、のほほ〜んですね。スノーボードのサークルに入り、大学には行かず、バイトに明け暮れていました。長期休暇になれば、バイトでもらったお金をもって、湯沢でスノボーばかりしていました」。
どこにでもいる大学生といえば、そうなる。
起業するとは本人もまだ思っていなかったことだろう。

2007年、独立開業。

「就活では、リゾート開発の企業を何社か受け、ホテル開発などを行っている会社に就職しました」。社名を伺い、検索してみると、ホテル事業、カラオケ事業、パチスロ事業など多岐に亘る事業を展開されていた。
「私は、カラオケ事業に配属されます。新卒では珍しいんですが、キッチンからのスタートです」。
カラオケといっても、料理は本格派。実際、キッチンで安藤氏を待っていたのは、レッキとしたフレンチ出身のシェフだった。「でも、料理はともかく、馬が合わない。おかげで1年半くらいは、まったく面白くなかったですね/笑」。
どんな料理を任されていたのだろう。
1年半くらいしてから、マネージャーが異動。代わりのマネージャーとは、いい具合に馬があった。
「ここから俄然、仕事が楽しくなってきました。合計3年半くらい在籍しています。上野、御徒町、六本木で勤務しました」。
それから、独立?
「そうです。2007年、25歳で独立します。9月に神田に1号店オープンしました」。

めざすのはオムライス業界ナンバー1。

「ま、正直にいうと、最初はノリみたいなものですね」。
儲かるみたいな?
「そうです。最初の出店が神田。だから、『神田たまごけん』です」。
坪数15坪、初期投資は1500万円。
どうでしたか?とうかがうと、「結構、難しかったですね。スタートした時は前職の同僚や知り合いなどに声をかけて。法人化したのは、2011年です。その年の1月に池袋店をオープンし、6月に神田店を閉店しています」。
そして、2015年2月に秋葉原に新店をオープン。「2017年からFCをはじめます。それで、現在8店舗です。もともとは、2020年までに50店舗の目標をぶちあげていたんですが、今は、現実的な目標としてあと5店舗はいきたいな、と」。
もちろん、めざすのはオムライス業界ナンバー1。
それはいまも昔もかわらない。
メニューをもう一度みてみる。酸味の利いたさっぱりとしたスタンダードなトマトのソースの「トマトオムライス」や、特製ハヤシソースの「ハヤシオムライス」などがあり、チーズなどのトッピングも楽しめる。全メニューにコンソメスープが無料でついてくる。さらに、卓上に置かれた自家製スイートピクルスは、食べ放題! このピクルス、グルメサイトでも評判がよかった。

オムライス界の頂点

ちなみに、就職し、最初にキッチンに配属された時の話も少し。
「じつは、新卒でキッチンを希望する人なんて、だれもいないらしいんですが、私はなぜか、キッチン希望。最初は、『希望は通らない』と言われていたんですが…、無事、キッチンに配属されます。今思えば、あの時が、スタートラインだったのかもしれませんね。もっとも、いいスタートじゃない。職人の世界ですからね。なかなかきびしかったです。でも、あの時があったから今がある、それは事実です」。
たしかに、その時があったから、我々も、旨いオムライスがいただけるというものだ。めざすは、オムライス界の頂点。頂点の、その「いただき」から望む風景も含めて、安藤氏が頂点に立つ、その時が楽しみだ。

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