K&BROTHERS株式会社 株式会社D.K INTERNATIONAL 代表取締役 岩谷良平氏 |
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生年月日 | 1980年6月7日 |
プロフィール | 早稲田大学法学部出身。行政書士で独立したあと、2011年、大阪維新の会から出馬。1期、4年、府議会議員を務める。2期目は出馬せず、父親が経営する会社を引き継ぎ、社長にもなる。ただし、飲食に心は動かされ、そちらは退任し、2016年12月に「K&BROTHERS」を設立する。 |
主な業態 | 「Chronic Tacos」「Pizza Cucinova」「Greenberry's COFFEE」「FOOD HALL BLAST!」他 |
企業HP | https://k-brothers.co.jp/ |
「客引き禁止の条例をつくった」と岩谷氏は、議員時代の話をする。岩谷氏が大阪維新の会から出馬したのは2011年。岩谷氏が30歳の時。維新の会の面接では3つのことを聞かれたそうだ。
「選挙資金はありますか?」「ボランティア30人くらい集められますか?」「どこの地区から出馬しますか?」
最後の質問には、「どこでも行きます」と答えた岩谷氏はいわゆる落下傘候補者として大阪市東成区で立候補し、600票差で当選している。当然のこと、飲食店の経営者としては、異例の経歴である。
「東成区は、人口8万人。選挙資金は、借金でした。そうですね。4万枚の名刺を刷って一軒、一軒、ご自宅を訪問しました。おかげさまで当選し、4年間議員として活動させていただきました。客引き禁止の条例は、その時の話です」。
岩谷氏は1980年、生まれ。兄弟は10人いる。「私は5番目です。祖父が町工場をしていて、父親は不動産会社を経営していました。尊敬するビジネスマンの1人です」。
岩谷氏は、ビジネスマンではなく、弁護士をめざしていたようだ。「そうです。昔から弁護士になりたくて、法学部をめざします。ただ、早稲田の法学部に進学したものの、司法試験に落ちてしまいます」。
わずか1点足りなかったそうだ。「この時が一つ目のターニングポイントです。なにしろ、私にとって最初の挫折ですから」。その後、いったん父親が経営する会社に就職するも、半年で退社。今度は上野で行政書士事務所を立ち上げたが、仕事もなくたいへんだったと語っている。
「行政書士を2年やりまして、そのあと出馬します。これが、2つ目のターニングポイントですね。議員を続けるつもりだったのですが、家業の都合で事業を引き継ぐ決心をしました。兄弟が10人もいますからね。もともと私が引き継ぐという選択肢は頭になかったんですが」。
1年目は専務としてはたらき、2年目からは社長となる。しかし、不動産よりも、飲食に興味が移る。「食べることが好きだったこと。多くの人に関われること。一度、始めると、これが楽しくて仕方なかった。それで不動産は兄弟が引き継いでくれたので、私は飲食に没頭します」。
ここまでが、岩谷氏の経緯である。多くの人に関わるという点で、飲食は政治の世界とどこか似ている。案外、影響力も似ていなくもない。マクドナルドやケンタッキーが日本にもたらしたものを想像すれば、あながち間違った比較ではないだろう。
岩谷氏が会社を設立したのは、2016年12月。このインタビューは、2019年6月に行っているので、現時点ではまだ3年も経っていないが、すでに店舗数は「Greenberry’s COFFEE」の9店舗をはじめ、20店舗まで広がっている。東京・大阪、神戸、奈良と半径も広い。
「Greenberry’sは、アメリカ版のコメダコーヒーのような存在なんです。FCを含め、100店舗まで展開できればいいな、と思っています」。
すごい話だ。
たまたまだが、この記事を書くためインタビューをさせていただいた日は、岩谷氏の39歳の誕生日だった。議員に立候補したのが、30歳の時だったというから、あれから約10年経つ。
「1軒1軒のご自宅を、とびこみ訪問です。とにかく、1軒ずつ、頭を下げ。ええ、ハンパじゃなかったですね。でも、それがいまの財産にもなっています。客引き禁止の条例を、例に挙げましたが、それ以外にもたくさんの条例づくりに関与しました。そういう意味では、投票いただいた方々の期待に、少しはお応えできたかなとも思っています」。
「もう一度、政治家は?」と伺うと、笑いながら首をふる。政治家とは異なる世界で、岩谷氏の道はもうはじまっている、ということだろう。
「今後キーワードになるのは、ファストカジュアルですね。このカテゴリーのなかで、様々なブランドを立ち上げていきたいですね」。
一つのブランドにつき、100店舗。これが岩谷氏の構想である。
「人生で影響を与えた人物は?」という問いには、橋下徹氏を挙げている。
「政治も、ビジネスもいっしょですよね。方法は違いますが、社会をいい方向に向けていくというミッションは同じです」。
橋下氏は、政治家となり、党をつくり、時代を動かした。さて、その橋下氏を尊敬する、この異色の経営者は何をつくり、時代を動かすのだろうか。その未来が楽しみである。
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