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第788回 株式会社CHAYA マクロビフーズ 代表取締役 小川博行氏
update 20/05/19
株式会社CHAYA マクロビフーズ
小川博行氏
株式会社CHAYA マクロビフーズ 代表取締役 小川博行氏
生年月日 1974年4月16日
プロフィール 大学卒業後、地元、山梨の食品メーカーに就職。5年勤務したのち、上京し、グローバルダイニングに転職。27歳から飲食の世界に入り、トップクラスのサービスと経営を学ぶ。34歳で、グローバルダイニングを卒業し、現在、代表を務める「CHAYA マクロビフーズ」に転職。「マクロビオティック」の世界を知る。
主な業態 「チャヤマクロビ」「チャヤ ナチュラル & ワイルドテーブル 」「Bojun tomigaya」他
企業HP https://www.chayam.co.jp/
「食べてきれいになる」をコンセプトに掲げるCHAYA マクロビフーズの小川氏に話を聞いた。

地元、山梨の食品メーカーに就職。

「合宿費を捻出するために、アルバイトに明け暮れた」と話すのは今回、ご登場いただいた「CHAYA マクロビフーズ」の代表取締役、小川博行氏である。
「学生時代の話です。もともと私は山梨出身。中学生の時から競技としてアルペンスキーをしています。大学進学で上京するんですが、大学でもアルペンスキーをつづけました。その時の合宿ですね」。
バイトではないが、おしゃれなレストランにも通った。
「はなやかな東京ですからね。じつは、卒業したら山梨に帰る予定だったんです。だから、東京で暮している間だけでしょ、そういうおしゃれなレストランに行けるのは…。太陽が落ちれば暗くなる山梨に、そんなレストランはありませんから/笑」。
予定通り、山梨に帰った?
「本音でいえば、東京で就職したかったですね。でも、両親の勧めでUターン就職しました」。
小川氏は1974年生まれ。中学からアルペンスキーをしているといったが、じつは小・中・高と野球もしている。運動神経に恵まれていた証だろう。
「スキーをはじめたのは、親父が好きだったからです。ただ、親父も兄もスキーはしていましたが、競技にでたのは、私1人です。大学でもスキーをやって、好きなようにさせてもらっていましたからね。親のいうことも聞かなくてはいけないと思って」。
それで、山梨の会社に就職したんですね?
「そうです。就職したのは、従業員240名くらいの食品メーカーです。こちらで5年間、勤務します。就職した理由は、『食』に関心があったから。ただ、当時の食品メーカーって、とても良い環境だったんですが、私にとってはエキサイティングではなかった部分もあり、このままでいいんだろうか?って。若いから、そう思っちゃうんです」。
得意先は、スーパーマーケットや百貨店、一部にホテルのレストランがあったそう。
「相手も食に関する仕事をされているお店ばかりです。そのなかで、ホテルのレストランで仕事をする人たちをみて『楽しそうで、いいな』って思っていました。何度も通ううちに、『こんなメニューやサービスがあればいいのにな』って想像するようになるんですね」。
だんだんと飲食の仕事に惹かれた?
「そうかもしれませんね。それで、レストランとかの仕事を勉強したくなるんですが、どうせやるなら、東京のレストランだろって思うようになって」。

27歳、ふたたび東京へ。

就職して5年。もう27歳になっていた。けっして遅くはないが、早くもない。飲食の世界では10代からスタートする人も少なくない。
ところで、転職先は最初からグローバルダイニングに決めていたんですか?
「大学時代に行ったゼストが恰好いいと、山梨をでる時には、もう頭に浮かんでいたんです。たまたまかもしれませんがネットで調べたらヒットして、『中途採用』を行っているのがわかったので。ハイ、入社させていただいたんですが、選択したのは、ゼストじゃなく権八です」。
当時のグローバルダイニングの話は、数人の独立経営者からもうかがっている。
「採用してはいただいたんですが、経験がないから、最初はアルバイトからだと言われたんですね。たしか時給900円とかじゃなかったかな」。
アルバイトといっても、レギュラーとかわらない。むろん、容赦もない。「20歳の先輩が、バンバン言ってくるんですよね、27歳の新人に。『そこ、何やってんだ』って。そりゃ、最初は怒られてばかりです/笑」。
そもそもご両親は反対されなかったんですか?
「親父は、『好きにしろ』って人ですからね。ただ、母親は、東京に行くってことより、どうして飲食店なんだって。山梨ですからね。まだ、飲食といえば水商売と思われていた時代だったんです」。
たしかに、そんな時代はあった。「ただ、東京ではもう飲食店がブームをつくり、人を動かす、そんな時代でもあったんですね」。そのさきがけが、グローバルダイニングだった。
「アルバイトでも、時給は青天井でしたし、飲食店のなかでは給料も群を抜いていたんじゃないでしょうか」。社内には天才たちがたくさんいた。
ちなみに、グローバルダイニング出身の経営者には、このサイトにも何度もご登場いただいている。
「ゼストもそうですが、グローバルダイニングという会社は、時代っていうのをたしかに動かしたと思うんですね。経営という意味でもほかとは異なっていました。グローバルダイニングのスタンダードは、ほかからみれば憧れという言葉になったんじゃないでしょうか。もっとも、休みもなく、飲みに行っても仕事の話ばかりです。ハッキリ言って、飲食が好きじゃないとつづかない会社だったんじゃないかな。ただ、飲食が好きで、頑張った人も、やがては『独立する』といって離れていくんですが…」。
小川さんもその1人ですよね?
「まぁ、そうですね」といって、小川氏は笑う。グローバルダイニングの「権八」で「飲食のちから」を思い知った小川氏が、このあと、飲食のもう一つのちからを知ることになる。

34歳で「マクロビオティック」を知る旅をスタートする。

「グローバルダイニングを卒業させてもらって、当時は、独立するか、それともグローバルダイニングとは対局にあるようなコンパクトな会社に入るかで迷っていたんです」。
「ヘルシー」ってことにも関心があったんですか?
「たしかに、『食』には関心がありましたし、どうしても不規則になりがちでしたから、食べ物に気を配っていたのも事実です。とはいえ、一般的なことで、その時から『マクロビオティック』をちゃんと知っていたわけじゃないです」。
マクロビオティック?
「そうです。マクロビオティックです。マクロビって省略して言ったりしますが、知らない人は、ストイックな生活をイメージされがちなんです。食事制限でもない。簡単にいうと、日本の伝統食をベースとした食事をし、自然と調和をとりながら、健康な暮らしを実現していこう、ということ。これがマクロビオティックの精神なんです」。
禁止されている食べ物はないそうだが、肉、卵、乳製品、精製された白砂糖、化学調味料などは、使用を避けているそうだ。
「そもそもは、『日影茶屋』さんの先代が、約20年前になるんですが、これからはヘルシー志向だと、このマクロビオティックに着目されるんですね。さっき、創業300年の老舗と言いましたが、じつは、カジュアルフレンチのさきがけと言われる『ラ・マーレ』も、こちらが運営されているレストランなんです。先見の明がおありだった証ですね。普及を目的にこのレストランのバンケットで月2回くらい『マクロビオティック』に関する1Dayレッスンもされていたようです」。
「その日影茶屋さんが、当時、マクロビのレストランを4店舗くらい出店されていました。新宿、日比谷、汐留、横浜ルミネだったかな。そのなかで、私は最初、新宿店の店長としてスタートするんです。だって、食材からちがいますからね。もちろん、お客様もちがうでしょ。だから、知ることからはじめないと何もできないですから」。
いわば34歳で、再スタートである。

食がかわると、ひとがかわる。

「今は、分社化されている」という。むろん、現在、社長は小川氏だ。しかし、交流は今あり、「様々な情報交換を行っている」そうだ。
「マクロビオティックの普及も、私たちの仕事の一つですね。今は、みなさんがヘルシー志向だということもあって、そんな人たちにも、背中を押され事業をしています。『おいしい』『たのしい』はもちろん、『ステキ』とか『カワイイ』っていうのが、外食店に行かれるモチベーションだと思うんです。私もグローバルダイニングにいましたから、よくわかります。でも、もう一つ、軸は異なりますが『健康になる』というモチベーションがあってもいいじゃないかなと思っています」。
なるほど、「マクロビオティック」という切り口が、面白い。ヘルシー志向は益々つよくなっている。
「じつは、私が転職して10年経ちますが、今も4店舗なんです。ビジネスとしても面白いんですが、料理人も限られますし、食材も確保するのが難しく、簡単に出店できません。チェーン化も難しいですね。ただ、ちょうど今、はじめて都内以外の、出店を進めています。もうすぐ、お披露目できるはずです」。
その他にもいくつかの出店の計画があるそうだ。
「日本は海外に比べてヴィーガンのスタイルが遅れているということもあり、海外から来たヴィーガンの方が食べる場所に困っているというお話も聞いたことがあります。ヘルシー志向っていうのは、流行りとかそういうんじゃないと思うんです。だから私たちの『マクロビオティック』も、ちゃんと根をはったものにしていきたいですね」。
ちなみに、グルメサイトも拝見したが、いずれも高得点がついている。「マクロビオティック」に関しては、入門書も発売されているそうだ。
食べてきれいになる。ヘルシー&ビューティー。これが、同社のコンセプト。食がかわると、ひとがかわる。当然と言えば、当然だが、ついつい忘れがちなことだ。きれいに、うつくしく、いきいきと。食べ物によって、ひとはかわる。「食」の意味と価値は、そこにある。

最後に、小川氏からのメッセージを掲載する。
昨年、Bojun tomigayaは5周年を、ロイヤルパークホテル汐留店は10周年を迎えさせて頂きました。
これも皆様方に愛して頂いたおかげだと重ねて御礼申し上げます。
現在、CHAYAマクロビを多くの方々に知って頂きたいとの想いから他社様とのコラボレーションをスタート、計画しております。
最初の取り組みといたしまして、Healthyの観点よりNEUTRALWORKS.様(株式会社ゴールドウイン)と協業でコンセプトフードの開発及び販売をスタートいたしました。NEUTRALWORKS.様の「ココロとカラダをニュートラルに整える」というコンセプトを具現化するべく、私達の食事でココロとカラダを整えるお手伝いをさせて頂ければと考えております。
そして、もう一つはBeautyの観点よりヘアサロン&カフェを新しい表現スタイルで3月1日にオープンしました。からだの内側だけでなく、外側からのケアも意識することで、さらに多くの皆様に共感をいただけると考えております。
今後も「Healthy&Beauty 食べてきれいになる、オーガニックな生き方。」を様々なスタイルで提供していきたいと考えております。

思い出のアルバム
 

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