1965年広島県生まれ。90年3月専修大学商学部卒業、同年4月イトーヨーカ堂に入社。約半年で同社を退職後、旅行代理店を経て、96年に株式会社サティスファクトリーインターナショナルを設立し、フランチャイズのカフェを経営。その経験を活かし、現在は廃棄物のコストマネジメントや企業の環境対策コンサルティングを展開している。


  ありましたよ。根も葉もないことで訴えられかけたこともありましたし、一時期はホームから突き落とされるかもしれない恐怖を感じながら生きてました。
  でも今はもうそういうことはないですね。僕らもやり方を変えましたので。
  以前は既存業者を切替えるという方針でしたが、今は原則、切替えをせずにお互い納得するまで話し合うというやり方にしています。コンプライアンス上、問題のないよい業者だったら、そのまま継続してもらったほうがお客様にとってもベストだと思うので。


  いえ、決して良くはないです。1店舗あたり5000円から1万円をフィーとしていただくだけなんで。
  でも、先ほども話したように、最近はそういうコスト削減が主眼ではなくなりつつあります。最近、環境問題対策ってすごく重要じゃないですか。また、特にこれから上場しようという会社の場合、反社会的勢力に近い業者に廃棄物関係を依頼していると上場基準を満たさないんですね。基準を満たすためには業者を代えて、しかもそのクリアな体制で一定期間運用しているという実績が必要なので、そのために当社に依頼をしてくる会社も多いです。
  これは僕がよく話す話なんですが、赤福の事件が何で起きたかというと「賞味・消費期限を明示しなくてはならない」というのは「社会」の要請ですよね。それに対して企業は柔軟に対応していかなくてはいけなかったのに、今までどおりのやり方を続けた。その結果「社会」の一員である従業員との間に感覚の温度差が生じて「内部告発」が起きたんです。ほとんどの企業不祥事はこういう流れなんです。さらに今までは賞味期限の問題でしたが、今後は環境問題に主眼が移ってきますよ。
  要は従業員との調和、そして、廃棄物をぞんざいに扱っていたらいかに危険かってことです。今、世界中でホットなのが廃棄物、そしてそれを含めた環境問題です。僕はその重要性を説いて回っている宣教師みたいなものです(笑)。
  ちなみに今はまだ「現時点がどうか」だけが取り沙汰されていますが、数年すれば過去に遡って問題視されるようになります。あの会社は廃棄物関係を○年間ほったらかしにしていた、ってね。だから実は一刻も早く手をつけてもらいたいんですよね。取り返しがつかなくなる前に時代の要請の変化に気づいてほしいと思います。逆に、一度取り組めばそうコストもかからずにできてしまうんですけどね。


  そうですね。でも、僕は本気でその前にどうにかしてあげたいと思っているんですよ。でもなかなか理解してくれない経営者もいて、彼らはもっと会社のレベルが上がってから取り組めばいいと思っているようなんですが、会社のレベルが上がらなくてもできるんですよ。もちろん他に考えなきゃいけないことがたくさんあるってことはわかります。だからこそ、廃棄物や環境問題の部分は僕らに任せてほしい、そして経営者や社員の方には店舗運営などの集中したい部分に集中してほしい、と思うんです。


  まず廃棄物事業については、扱う業界を拡げていきたいと思っています。あとは環境事業についてなんですが、僕、いつのまにか環境の大家になっていることに気づいたんです。いろんな解釈論だったり、あるいは企業の体制部分で何が必要かってことに非常に詳しくなっているので、その部分でもより深くかかわっていきたいと思っています。
  それから、廃棄物のリサイクルについては、たとえばリサイクル機械を入れてはいるがきちんと運用されていないという企業がたくさんあります。そういう企業には、廃棄物はリサイクル工場に出して、機械は処分しましょう、と提案していきます。
  また、リサイクルをやっても環境負荷を下げることにならないケースもあるんです。わかりやすい例を挙げると「リサイクル」という名の下に中間業者がリサイクル工場に廃棄物を持っていって、どんどんコンポーズド化します。そうすると1/5くらいの量になるんですが、それを堆肥工場に持っていかないでそのまま処分場に捨ててしまうことも少なくないんです。でも飲食店はそれをまったく知らず、リサイクルした気になっている。そういう飲食店を見ると本当に可哀相だと思いますね。あとで絶対問題になりますから。
  こんな風にいろんな問題が複雑に絡み合っているのが環境問題なので、企業が単にリサイクル機械を買えばそれでいいってことではないんです。複雑に絡み合った問題を紐解いて、波及効果まで考えてやっていかないと駄目なんですよ。
  こんなことを自分が考えるようになるなんて、カフェをやっていた頃の自分からは考えられないことですけどね(笑)。でも、当時からずっと変わってないことは「常に成長し続ける」ってこと。それだけはこれまでも、そしてこれからもコミットしていきたいと思っています。それと、昔から極めてマニアックなこと(笑)。仕事がなければ僕、ただのオタクですよ(笑)。