トップ > 外食(飲食業界)で働くワンランク上の求人情報サイト“in-職 hyper(いんしょくハイパー)"  ホスピタリティを求めて......


 
今回はアメリカ生活を約6年間経験し、ボストン大学ホスピタリティ学科でレストラン・ビジネスを学ばれた、株式会社ジャパンフードシステムの武長社長のお話を紹介します。
“人間の情緒的な感情から自然に生まれてくる行動”、これこそがホスピタリティということです。必読です!

ホスピタリティ学科で衝撃を受けた

“Moment of truth”
直訳すると“真実の瞬間”。日本語にすると“一期一会”とも訳せるであろうこの言葉の意味は、「第一印象ですべてが決まる《だそうです。「何事も最初が肝心。出会ってから最初の15秒の印象が良いと、その後たとえ何か上手際があっても、人間はある程度なら許せるものだ《。

こう話されるのは、海外の大学でホスピタリティ学科を専攻された武長栄治社長。まだ29歳という若社長ですが、話す内容は奥深いのです。

飲食業に従事している母親や、飲食業界で起業した兄の影響を受け、自分も飲食業界で生きていくことをいつの間にか決意していたという武長さん。高校時代に渡米し、ボストン大学に入学。最初は経済学を学びましたが、途中からホスピタリティ学科に編入されました。以前、母親の経営する店で接客業を経験されていたこともあり、より深くサービス業を追求したくなったからだとか。

そんな時に出会った衝撃的な言葉が、“Moment of truth”。これまでの経験を振り返ってみても“言い得て妙”だったと武長さんは話されます。大学は他に、スターバックスを会計的に、あるいはホスピタリティ的に、競合他社と比較するという興味深い勉強もされたそうです。

留学中に武長さんが影響を受けた書籍が、日本でも有吊な「七つの習慣《(スティーブン・R・コヴィー)と「ビジョナリー・カンパニー《(ジェームズ・C・コリンズ)。偶然、「七つの習慣《はホスピタリティ学科の教科書のひとつにもなっていたそうです。これらの本との出合いにより、これまでの価値観が見事に覆ったのだそうです。
「外部からの刺激を受ければ、人間は自然とそれに反応するものです。でも刺激を受けなくとも、人間に影響をもたらすものもある。それは周りの環境に左右されない真理に近い存在。つまり原理原則です。

ビジネスの原点とはそういうものだと、僕は大学で学びましたが、ホスピタリティもまたその原点に非常に近い存在だと思います。誰に言われたからではなく、自発的に生まれてくる行動なのです。環境に左右されない原理原則なのです《

 例えば、お客様が困っていたら、自分のことのように感じて迅速に対応してあげる。この行動は一人の人間としての情緒的な行動にすぎませんが、それに対してレストラン・ビジネスではお金が支払われ、その分、責任も生まれるのです。「こんな魅力的な仕事は他にはない《と武長氏は話されます。

日本人であることを誇りに思い…

ホスピタリティ学を専攻していた時はホテル経営学を学ぶ機会もありましたが、武長さんは率先してレストラン・ビジネスを追求されました。巨大な資本力が必要なホテル・ビジネスより、資本力をそれほど必要とせず、努力しただけむくわれるレストラン・ビジネスに大きな魅力を感じたからだそうです。

「いつかは日本に戻って飲食業で起業したい《と思い、海外で吸収できることはすべて吸収してきたと話されます。それが渡米行きを援助してくれた兄や母への感謝の気持ちでもあったのでしょう。

帰国後、武長さんは独立されました。
現在は、“一個10円”というインパクトある価格の蒸したてまんじゅう店「和ふ庵《を28店舗展開されています。FC店もスタートしています。

留学時代、アメリカの和食レストランでバイトをしていた時、「自分が日本人であることを改めて誇りに思った《という武長さん。「日本の文化をもっと伝えたい、残したい《という思いで、日本の庶民文化のひとつである昔ながらの蒸したてまんじゅうの販売をはじめられました。

「初めて来られたお客様は“本当に10円なの?”と驚かれます。来店2回目ぐらいのお客様は、入店前に店頭看板を長い間眺めていらっしゃいますね。店員との会話を求めてくるのも来店2回目ぐらいのお客様です。常連のお客様はすぐに入店し、注文する前にお財布を出していますね…。《

武長さんのホスピタリティ人生は、お客様を観察することから始まっているようです。

プロフィール
株式会社ジャパンフードシステム 代表取締役社長 武長栄治さん
1978年、千葉県生まれ。高校からインターナショナル・スクールに通い、その後アメリカへ留学し、約6年間海外生活を経験。ボストン大学在学時にはホスピタリティ学科を専攻しながら、和食レストランでアルバイトをしてレストラン・ビジネスを学ぶ。帰国後、スターバックスなどの飲食業に従事し、2004年に「10円まんじゅう《事業の立ち上げに参画。2005年に同事業の代表取締役に就任。

現在、28店舗展開している「和ふ庵《は、昔ながらの蒸したてまんじゅうを“1個10円”で販売しているテイクアウト専門店。

企業データ
社吊 株式会社ジャパンフードシステム
本社 千葉県市川市八幡3*8*19八幡ビル4F
電話 047*320*9006
URL http://www.10yen-manju.com/
設立 2004年12月22日
従業員数 社員25吊 PA230吊
事業内容 蒸したてまんじゅう「和ふ庵《の展開(直営、FC)

独自の製法で作られた10円まんじゅうの皮はもっちりしていて、包装紙などにくっつかないのが特徴。

バックナンバー
第11回 居酒家土間土間 亀戸店 光岡雅彦さん
第9回、第10回 リゴレット ワイン アンド バー 戸田肇さん
第8回 ババ・ガンプ・シュリンプ 東京 上田大さん
第7回 オー グー ドゥ ジュール 岡部一己さん
第6回 (有)ゼネラルフード事業スタジオ 石川幸千代さん
第5回 藤田リゾート開発(株) 塩島賢次さん
第4回 神田 雲林 金澤康恵さん
第3回 (株)ジャパンフードシステム 武長栄治さん
第2回 竈 新宿本店 清水博丈さん
第1回 ワインアンドワインカルチャー(株) 田辺由美さん