画像
売上好調、4つの要因

 店舗目標は「料理にこだわり、丁寧なサービスで、楽しくて豊かな食事の場を提供すること」だと長田店長。もちろん売上も伸びている。好調の主な理由は以下の4点だという。
1.産地直送&料理のおいしさ
 厳選された新鮮な生かきを産地直送で提供。常時6種類(産地別)用意しており、好みで選べる専門性の高さが人気。盛り合わせもある(単品は520円)。かき好きにはたまらない旨さだ。またフリュイドゥメールは、多彩な海の幸をたっぷり盛り合わせた大満足の一品である。
2.常連客の増加
 長田店長は、2カ月に1度以上来店するロイヤルカスタマー(超常連客)50人に、毎月新メニューやキャンペーン告知のメール・DMを発信している。
 ペスカデリア銀座店は記念日利用の多い店。誕生日であることがわかったお客様には、チョコプレートを載せたフルーツの盛り合わせをプレゼント。テーブルに置かれた小さなピアノで、店長自らバースデーソングのメロディーを弾くという。(オー、楽しいですね!)
 また予約テーブルには、お客様の名前入りのウェルカムカードが置かれる。次回このカードを持って来店すれば、乾杯ドリンクが全員にプレゼントされる。
 こうしたきめ細かくて気の利くサービスの積み重ねで、着実に常連客を増やしているのだ。
3.チームワーク抜群
 スタッフは全員店が大好き。一体感があって店の雰囲気がよいので、お客様も居心地がいい。長田店長は店の空気=チームワークのよさを大切にしており、こまめにスタッフに声がけして、コミュニケーションを図っている。LINEで情報共有する際も、毎日のリラックスしたミーティングの時も、常にスタッフのことを考えているそうだ。店長のリーダーシップこそが、チームワーク向上のカギである。
4.リフレッシュ休暇で産地視察
 「本社のバックアップで実現したリフレッシュ休暇も、売上向上に貢献しています」と長田店長は語る。テイクファイブでは上期と下期にそれぞれ4日ずつ、全員にリフレッシュ休暇が与えられる。もちろん休暇なので何をしてもいいのだが、この機会にシェフは北海道へ食材探しに、そして長田店長は同業の繁盛店を視察に行く。「店の中だけにいては視野が狭くなります」という。(その通りですね)
 これはスタッフにとって、店長やシェフの不在時でもスムーズに店舗運営を行うための、実践教育の機会にもなっている。

画像
店長はどこを見ている?

 オイスターバーという業態において、店長はホールのどこを見て何に気を配りながら仕事をしているのだろうか。長田店長の答えは次の6点だ。
@お客様の表情、動作、しぐさ(お客様の満足度をチェック)
A従業員の態度、あいさつ・言葉遣い、表情、動き
B生かき提供時の、一口目のお客様の反応
Cお客様のグラスの状態(空になって呼ばれる前にタイミングよく伺うサービス)
D料理に関するスタッフの応対(メニュー相談やおすすめ説明)
Eお見送り後のお客様の言葉

 Dのメニュー相談にスタッフが応じるためには、十分な商品知識が必要。このため、キッチン内のボードに今日のメニューや食材の説明を記入している。
 Eはお客様の本音のこと。地下なので、店から出て階段を上る際に本音が出るという。「おいしかったね」という嬉しい言葉だけでなく、「料理が出るのが遅かったね」といった厳しい言葉も聞いておきたいと長田店長。昔の商人は出入り口で掃除をしながら、帰るお客の本音を聞き続けて繁盛店を作っていったといわれる。長田店長も同じことを実践しているのだ。

画像
責任感とサービスの関係

 この店では、スタッフ全員が何らかのポジションを担当し、責任ある仕事をしている。たとえば、ホールとキッチンそれぞれのクレンリネス担当、ホームページを更新するウェブ担当、毎日の仕入れを記録する買掛表担当、新人教育担当、オープン作業やクローズ作業のマニュアル作成担当など。責任者なので、他のスタッフや社員にも指示が出せるという。(スゴイですね)。
 また新人以外のスタッフは全員、名刺を持っている。お客様と名刺交換し、名前で呼び合える関係を築くことで、サービスの質が上がるからだ。「名刺を持つことでプロであることを意識し、責任感を高めてもらいたい」と、長田店長は言う。。
 店長自身もお客様とのふれあいをとことん大切にし、常連客を増やしてきた。赤坂店時代には心のこもった「おかえりなさい!」の言葉でお迎えできた常連客が100人を超えていたというからすばらしい!

画像
お客様と友達のような関係に!

 この仕事をしていて本当に嬉しいと長田店長が思うのは、お客様とスタッフとの垣根を超えて、友達のように親しみのある関係になれたときだ。誕生日に花を贈られたり、海外出張の後まっさきにお土産をいただいたり…この仕事をしていてよかったと実感する瞬間だという。
 お客様が入院すればお見舞いに行く。お身内にご不幸があればお線香を贈らせていただく。友人に対して当然することを、お客様にもする店長なのだ。

 最近ちょっと嬉しい出来事があった。長田店長はオイスターマイスター(日本オイスター協会)の資格を持っているのだが、スタッフが一生懸命勉強して、ジュニアオイスターマイスターの資格を取得したのである。店長を追いかけてくれる感動を実感! 店のレベルがまた一段と上がった。
 お客様愛にスタッフ愛…愛情いっぱいのあったかい実力店長だった。ありがとう、長田店長!