石田店長は2年半前のオープン当初から店長を務めている。実力店長の赴任によって運営が改善され、売上が前年を大きく上回ったという例は少なくないが、石田店長のように、自分が作ってきた売上を131%にまで大幅アップさせるのは決して容易ではない。それが実現できた要因をお聞きした。
1.常連客づくり
石田店長は、ランチは9割、ディナーは5割の常連客を認識しているという。「特に数えてはいませんが、200〜300人ぐらいは覚えています」とのこと。(すばらしい)ディナーの場合、ファーストアルコール(好みのお酒)から好きな料理、〆となるいつものそばまですみやかに提供できるので、常連客が増え続けている。また各スタッフも30〜50人の常連客を覚えていて、「いつもありがとうございます」とお迎えできる。
2.看板メニューの商品力
ランチはそばと丼物のセットが中心。ディナーの看板メニューは、そばの刺身400円、桜姫鶏の焼鳥220円、旬の天ぷら盛り合わせ1550円。
そばは料理長が毎日打っていて、旨いと地域でも評判の店だ。私も鴨そばをいただいたが、実においしかった。
3.チームワークのよさ
店長、料理長、社員、ホール・キッチンスタッフ、全体のコミュニケーションが十分にとれていて、店の空気感が抜群だ。毎日声がけをいっぱいしていることや、朝礼時にクレドカードを読み合わせて理念の共有を徹底させていることが、チームワークの醸成につなががっている。
また学生アルバイトはみんな、料理長のおいしいまかないを楽しみにしているそうだ。(こういうことって大事ですよね)
4.地域密着の店づくり
昼でも夜でも気軽に立ち寄れる店なので客層は幅広く、一人客や日本酒好きの女性客も多い。週末は地域の家族連れや、女性グループなどで賑わう。
石田店長が大井町駅前を歩いていると、近隣の商店主や常連客から挨拶の声がかかる。地域の人たちも、店長のことをよく知っているのだ。私は店長時代に上司から「フードサービスの店長は、市会議員に立候補できるぐらい地域に愛されなくてはいけない」と言われた。店長は店の顔。店長が愛されれば店も愛される。石田店長はまさしくこれを実践している。
5.MS185点以上
「従業員もお客様も家族のような、アットホームな店づくり」が石田店長の方針である。店の雰囲気がいいので、MS調査でも常に185点を獲得。社内トップクラスの数字だ。
石田店長は最近オープンした「MICHI OYSTER BAR」の店長も兼務しているので、常時一方の店にいられない。このためスタッフ中心の店づくりを目指して教育に力を入れており、責任感のあるスタッフが育っている。
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