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売上伸張(月間150万円アップ)の要因 |
林店長の店長方針は「圧倒的な地域一番店を目指すこと、従業員の幸せを追求すること」だという。そんな店長のもとで、商品力と人間力を武器に売上前年比108%を達成し、なお伸ばし続ける武蔵丸豊川店。月商1850万円だから、8%は約150万円。つまり月に150万円アップしたということだ。その要因を林店長にお聞きした。
1.常連客づくり
武蔵丸の客層はファミリー層が中心だが、平日は高齢者層も多い。常連客が多く、林店長が認識するだけでも200人を超える。グループ内他店舗の店長を5年間経験しており、その頃からの常連客も多く来店する。最初に注文する品目もほぼわかるし、お子さんの名前もいっぱい覚えているという。
注文のタッチパネルは設置されているが、できるだけお客様の席をまわり、「直接注文していただいていいですよ」と声をかけている。
2.圧倒的な商品力
看板商品には自信がある。
@ まぐろづくし/大トロ・中トロ・赤身(3貫盛420円)で、土日の注文は200皿を越える。
A釣り魚シリーズ(釣り人の持ち込み)は鮮度抜群。マダイやカンパチ、ヒラメなど。
Bびっくりシリーズ。びっくり厚焼玉子や一本あなごなどは大人気メニュー。
C年8回、旬のおすすめ20品目あり(8旬メニュー)。毎日入れ替わる「本日のおすすめ」もある。
3.ロイヤリティ(忠誠心)の高さ
武蔵丸には店が大好きなP/Aがいっぱい。高いロイヤリティを持つ5年〜10年勤続のベテランパートが新人学生アルバイトの教育までしっかり行い、店を支えている。
求人広告費はほとんどかからない。7割がスタッフの紹介による採用だからだ。紹介なので最初の不安が少なくて店になじみやすく、定着率も高い。
中学生の頃お客様として来店していた人が、働ける年齢になって応募してくれたり、店長が豊川店に戻ってきたためアルバイトしたいと応募してきた高校生もいるなど、店長冥利に尽きるエピソードも多い。「本当にうれしいし、かわいいですね」と林店長は笑顔で語った。(すばらしいですね)
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人生最後の外食を武蔵丸で |
武蔵丸では日々感動的なストーリーが誕生している。その一つをご紹介しよう。
ある時、おばあちゃんとその娘さんが2人連れで来店した。いつもは寝たきりのおばあちゃんだが、その日は気分がよく、武蔵丸のお寿司が食べたくなってやってきたという。
望み通りおいしいお寿司を食べて大満足。だが久しぶりの外出だったので疲れてしまい、動けなくなった。駐車場まで行くこともできず、林店長がおばあちゃんを背負って車へ。後日娘さんからお礼のご連絡があるほど喜んでいただいた。
その1カ月後、おばあちゃんは亡くなった。初七日の食事を用意させていただいたのは、武蔵グループのお届け料理センターだった。
同じグループ企業であることを知った娘さんは、お届け料理センターの責任者にこう告げたという。「あのとき店長さんには大変お世話になり、深く感謝しています。武蔵丸さんでの食事が、おばあちゃんの最後の外食になりました。おばあちゃんはお寿司がおいしかったと何度も何度も話していました。最後においしいお寿司を食べさせてあげることができて、本当によかったと思います。ありがとうございました」(飲食店って本当に素晴らしいですね。感動しました!)
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回転寿司オペレーションの留意点 |
林店長が特に気をつけている回転寿司のオペレーションは、次の通り。
@レーン上の寿司の管理
レーン上の寿司が新鮮でおいしそうに見えるよう、時間が経過したものはお客様の前で捨てる。
Aレーン上の寿司のバランス
白身魚ばかり続くような偏りがないよう、バランスを考えて商品を流す。(カラーコントロール)
Bなじみ8品
マグロ、イカ、サーモン、エビ、ホタテ、アナゴ、玉子、カニの人気8品は、基本的に常に流す。
C“つくりたて”をアピール
タッチパネル注文は8割だが、「釣り客の山本さんが今朝釣った新鮮なマダイ、流しました!」というように、常につくりたてをアピールする声がけが大事。
D積んだ皿の枚数
皿の枚数が少ない人に留意。皿が増えない理由は何か、食べたい寿司は何かを考える。
E中間バッシング
たとえば3世代6人客のように年齢幅が広く人数も多い場合、テーブルはすぐに皿であふれ返る。中間バッシングが必要。
Fウェイティング状況
何度も声がけするなど、ウェイティング客への配慮を怠らない。
Gお客様の表情
笑顔で食事しているか、びっくりネタを見たときの表情はどうかなど、お客様の反応や満足度を常にチェック。
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今日の「ありがとう」メール |
林店長は、ひんぱんにスタッフとのコミュニケーションを図っている。
毎日の朝礼では、本日のおすすめや旬の商品知識を徹底指導。また1日1回は全スタッフに声をかける。一人ひとりの体調や学校のこと、趣味のことまで把握しているので、いつも気軽に話しかけることができるのだ。
さらに、スタッフ全員に対し、売上・連絡事項・お客様からのおほめの言葉・今日の問題点などを携帯メールで毎日送信している。特に意識しているのはスタッフへの今日の「ありがとう」。頑張っているスタッフを毎日見つけてほめ、感謝の言葉を伝えるのだ。(いいですね!)
学生が試験のため1週間休むような場合も、毎日メールで連絡する。情報共有することで心をつなぎ、仕事に戻った時にスムーズに働けるよう配慮しているそうだ。(なるほど)
林店長の夢は、新しいエリアへ武蔵丸を出店し、一人でも多くのお客様に喜んでいただくこと。頑張ってください。感動的な話をありがとう、林店長!
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