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平均月商3000万円、3つの要因 |
1.顧客認知力
店舗ビジョン(店長方針)は「感動のレストラン」。心がふるえる瞬間(ワクワクドキドキ)を『感動』と定義付け、未体験のメニュー・サービス・笑顔をお客様に提供し感動していただくことが目標だ。そのためスタッフには、愛情あふれるサービスでお客様に接するよう指導。常連客情報をスタッフ全員で共有し、オーダーメイドのサービスを心がけている。具体的には「田中様、こんにちは!」と名前でお呼びする、ファーストアルコールや好きなメニュー、嫌いな食材を全員がわかっていて、きめ細やかに対応する、など。
2.絶対的なお客様目線
スタッフ全員が「お客様目線」であることが最重要。スタッフ同士意見が分かれることがあった場合、どちらがお客様の立場に立って考えているかが常に判断の基準となる。江夏店長は「お客様が笑顔になるような笑顔、これがアジアンビストロDaiの笑顔です」と言う。お客様の要望を先取りしたサービスができることが肝心。たとえば辛い料理を食べた時のお客様の表情に気付いた時点で、すぐに飲み物を出すといった気配りだ。「1秒でも遅れてはいけない。1秒を取りに行くこだわりです」と江夏店長。これができて初めてお客様は感動する。お客様に呼ばれてしまうのは罪だと、スタッフに言い聞かせている。
3.コミュニケーションと空気感
スタッフが違っても、いつでも同じサービスを提供すること、これもこの店のこだわりだ。オープンから5カ月が経過し、お客様に楽しんでいただくのが最重要であることがスタッフ全員の心に浸透してきた。笑顔が自然に出るようになり、スタッフがイキイキと働く姿を見て「この店は気持ちがいいね」と言ってくださるお客様が増えた。
江夏店長は、次のようにスタッフとのコミュニケーションを図っている。
@毎日全員に声掛け(今日はどうだった? お客様の声は?)
A朝礼での目標と進捗状況(常に目標を持たせ、現在の状況を意識させる)
Bプライベートな会話(休みの日もスタッフとコミュニケート)
この店にはスタッフが50人いる。だから江夏店長はBをしっかり行うため、休日でも休憩室に私服で来て全員とプライベートな話をする。店長がOFFのスタイルでいると、家族や趣味、大学、彼氏や彼女のことも話しやすくなるのだ。
店長とスタッフとのプライベートな会話は、店の空気感をよくする。私は店長セミナーにおいても常々、「雑談力とチームワークは比例する」と話している。
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5つのミーティングと目標管理シート |
二子玉川駅前という好立地でおしゃれな店舗のせいか、人手不足の時代だというのに、オープン時には50人の募集に対して、大学生を中心にフリーターや主婦など250人もの応募があったという。(スゴイですね)採用率20%の狭き門だ。
プレジャーカンパニーのスタッフランクアップ制度は、トレーニー、アシスタントウェーター、ウェーター、シニアウェーター、トップウェーター、リーダーまで6段階あり、時給も950円から1300〜1500円までと明確である。
この店では5つのミーティングが稼働している。
@時給ミーティング:ランクごとの仕事内容が決まっている。それをクリアしたら全員で評価し、多数決で時給アップを決定する。
A早番ミーティング・B遅番ミーティング:店長は出席せず、お客様のために何ができるかをスタッフみんなで自主的に考えてリーダーミーティングに提案する。
Cリーダーミーティング:早番・遅番ミーティングから提案された内容を社員とリーダーで検討・決定し、実行にうつす。事例を1つ挙げよう。11時のオープンの際、多くのお客様の行列ができてしまう。これを解消するため、オープンを10時30分に変更してはどうかという提案がABからあり、決定・実行された。(すばらしいですね!)
Dハウスミーティング:月1回の全体ミーティング。前月の結果報告と反省、今月の目標(改善)発表を行う。
一人ひとりがお客様のことを真剣に考え、みんなで話し合って改善していくという、自立型スタッフが着実に育っているのだ。
またこの店には、優れた目標管理シートがある。店長の毎月のチーム目標、スタッフの毎月の個人目標の他に、キャリアステップに対する「行動目標」というものがある。目標管理シートに記入するのはこの行動目標とその進捗状況、及び上長のコメントだ。店長はリーダーに対し、リーダーはトップウェーターに対し、というようにコメント(アドバイス)を記入していく。このようなシステムを確立させて稼働させることができる店長は、ごくわずかだろう。(さすが、プレジャーカンパニーのナンバー1店長ですね!)
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だから飲食店の店長はうれしい! |
江夏店長は大学卒業時、住宅販売企業など数社への入社内定を得ていた。しかし人に喜んでもらえる仕事がしたくてサービス業を選び、プレジャーカンパニーに入社。1年半後にワインビストロDaiの店長となり、400万円/月だった売上を4年間で1000万円/月にまでアップさせ、その功績が評価されて現在の店に異動となった。異動前の最後の日、多くの常連客が店に入りきらないほどの花束やプレゼントを持って来店したのだ。仕事を休んで駆けつけてくれたお客様もいた。感動のフィナーレに、まさに心がふるえたという。この仕事を選んで本当によかったと思った瞬間である。
店長になって一番最初に採用した大学1年の女子スタッフは、ディズニーランドと掛け持ちでアルバイトをしていたのだが、彼女は「ディズニーランドよりも、店長の考えるホスピタリティのほうがすばらしいと思う」と言い、ワインビストロDai1本にアルバイトを絞り、卒業までリーダーとして活躍した。そして一流の証券会社に就職した。卒業のとき、「この店で働けてよかった。また戻ってきたい」と言ってくれる卒業生は実に多い。
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今日も「プロ意識を持って働こう。プレジャーカンパニーの旗艦店として圧倒的な感動を創造するのがこの店の使命だ」と、スタッフに語る江夏店長。そんな彼の夢は、飲食店の地位向上。「こんなに素敵な仕事はないと私は思っています。大卒者の選択肢トップ業種にしたい。『プレジャーカンパニーに内定をもらえるなんてすごいね』と言われる会社にしたい。そうなるべく、これから頑張らなくてはいけません」と熱く語ってくれた。
真の実力店長に出会うことができた。ありがとう、江夏店長!
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