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売上伸張、3つの要因 |
高木店長が店長方針として掲げているのは、「当たり前にやるべきことを、365日当たり前にやる!」である。おいしいやきとり、笑顔のサービス、清潔な店舗、そういう当たり前のことを徹底させて、入店からお帰りまでお客様に楽しい時間を提供し、「また来たい」と思っていただけるようにすることが大切なのだ。売上伸張の要因もまた、そういった当たり前のことの徹底に尽きる。
1.焼師の技術
守山小幡店の人気メニューは、@やきとり80円、A皮100円、B牛タン入りつくねだんご240円。高木店長が全国焼師大会で第3位(1位とは僅差)になっただけあって、スタッフの焼きの技術も高い。女性の焼師もいる。提供時間も早い。ファーストアルコールは1分以内、早く出せるメニューは2分以内、やきとりは10分以内だ。また、住宅地の幹線道路沿いにあるため、やきとりのテイクアウト比率も他店と比べて高い。
2.常連客の多さ(300人以上を認識)
高木店長はこの店のオープン以来13年間勤務しており、店長となじみのお客様が非常に多い。300人以上のお客様を認識し、大勢の名前を覚えている。50人以上のお客様を認識しているベテランスタッフも複数名いて、それぞれのファンだという常連客も多い。飲食店は3割の常連客で売上の75%を占めているといわれる。常連客が売上を作るのである。たとえ近隣に競合店が多くても、店のファンが多ければ売上は低下しないのだ。
3.P/A高定着率、QSCオペレーション安定
この店のP/A定着率は90%以上。卒業以外で辞める人はほとんどいない。高校1年から大学4年まで7年間に渡って務めてくれる人も多い。学生スタッフによる紹介が大半で、採用する側にもされる側にも安心感があり、長く働きやすい。ベテランスタッフが育つため、安定したQSCオペレーションが可能になる。卒業していく先輩(アルバイトリーダー)が後輩を育て、引き継がれていくという好循環が成立している店なのだ。(いいですね!)
高木店長のコミュニケーション量の多さも、定着率の高さに貢献している。会話、LINE、個人面談(後述)などが多く、スタッフとの心の距離がとても近い。
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高木店長の「ちょっといい話」 |
お客様やスタッフとの「ちょっといい話」を尋ねた。高木店長は自分自身もこの店でアルバイトをしていたという。それを知っている常連客から、店長になった時「学生の頃からいつも一生懸命仕事している姿を見ていたよ。だからきっと店長になると思ってた」と言われたそうだ。お客様はちゃんと見ていてくださるのだ。
小学生の頃からよく家族で食事しにきていた女の子が、高校生になってアルバイトの面接にやってきた出来事も忘れがたい。その時、「子どもの頃から、高校生になったらここでアルバイトをしたいと思っていました」と言われ、感激したとのこと。(うれしいですね!)
昨年の11月、全国焼師大会に出るため上京した高木店長は、羽田空港のグランドスタッフとして働いている元アルバイトスタッフに連絡をし、一緒に夕食とることになった。アルバイト時代、彼女は笑顔も接客もすばらしかったが、作業の段取りや要領が悪かったので、店長はよく注意をしたという。久しぶりに会った彼女はこう語ったそうだ。「店長に言われたことをいつも思い出しては今の仕事に活かしています。上司との関係についても指導してくださいましたね。当時店長に言われたことが、今やっとわかるようになりました」(いい話ですね!)
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「見る、観る、診る」で気持ちのいいサービスを! |
高木店長がQSCで気をつけていることは以下の通りだ。
Q:土日は1日500本以上のやきとりを焼く。たとえ500本焼いても、お客様に提供する「1本」の完成度を上げることが大事。たくさん焼く作業とこだわりの1本とは違うのだと、常にスタッフに指導している。
S:「見る・観る・診る」を駆使してサービスレベルを上げる。「見る」は新人スタッフレベル。手が挙がったり呼ばれたりしたらすぐに伺う。「観る」は、テーブル状況によってお皿を下げたり、ビールの減り具合やお客様がメニューを見ているかどうかを観察して注文に備えたりする。そして「診る」とは、お客様の表情やちょっとしたしぐさから気持ちを察し、ニーズを先読みすることだ。
この3つの留意点は、高木店長のオリジナルである。(すばらしい!)
C:「5Sの徹底(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の意味を休憩室に掲示し、その徹底を心がけている。
高木店長の「ほめる」と「叱る」のバランスは8:2。20代の頃は叱ることも多い店長だったが、今は叱ることはほとんどない。
スタッフが頑張ったときはその場でほめる。しかしスタッフの心身の調子がよくなさそうな場合、「自分の調子がどうであれ、お客様や他のスタッフの前では明るく振る舞わないといけない。それが難しいようなら、今日は帰ったほうがいいんじゃないか?」と言って、帰宅させることもあるという。するとそのスタッフは「わかりました。次のシフトに入るときは頑張ります」と答え、その日は休息するのだ。(大事なことですね!)
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365日24時間、いつでも相談にのります! |
全スタッフとの毎日のプライベートな会話、LINEでの様々な連絡、マネジメントチームのミーティング、2カ月に1回の個人面談など、高木店長は常にスタッフとのコミュニケーションを図っており、その量も多い。
スタッフの誕生日には店長からケーキをプレゼントし、全スタッフからはLINEで「おめでとう!」の言葉が送られる。
面談では、初心を忘れないようにまずコンセプトの再確認をする(元気、笑顔、活気、真心込めて焼き上げるおいしいやきとり)。そして、店長がつくりたい店について語る。その後、次のことを話し合う。@全員に徹底してほしいこと(店長から) A個人的に頑張ってほしいこと(店長から) B店で気になっていることや店長への質問 Cプライベートなこと(仕事に関係のないことでも何でも) D「あなたに会いに来てくれるお客様を作ろう」と、店長からスタッフに毎回伝える。
そして、スタッフ一人ひとりに対し感謝の気持ちを込めて「店長の力なんて本当に小さい。みんなが頑張ってくれているから売上も安定的にのびているんだ」と言う。面接の最後には、「困ったこと、悩んでいることがあれば、365日24時間、僕でよければいつでも受け付けているよ」と話すのだ。
さすが扇屋きっての実力店長! こんな温かい心で運営されている店だから、ますます地域に愛される店になるでしょう。頑張れ、高木店長!
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