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平均月商1600万円&坪売上50万円
売上好調の3要因

 横浜駅前店の看板メニューは@ラーメン700円、A味玉ラーメン800円、Bマックスラーメン900円。この上位3品のシェアは全体の4割を超える。平均月商1600万円、坪売上50万円、1日20回転もする超繁盛のポイントは以下の通り。
1.活気あふれる接客力
 田口店長の店舗目標は「元気と笑顔とチームワークで、シアワセを届ける」だ。接客サービスには自信がある。笑顔とアイコンタクトでお客様をお迎えし、店の外まで出て感謝の気持ちを込めてお見送りする。スタッフ全員の笑顔率は「90%」とのこと。(すばらしい!)毎日の朝礼では分離礼での声出しを徹底している。
2.チームワーク抜群
 横浜駅前店の強みを田口店長に伺うと、「店の雰囲気、空気感、チームワークです」ときっぱり。全員の協力体制ができていて、一人ひとりのマンパワーも優れているという。これらを向上させるため、田口店長はほぼ毎日、休憩時間などに10分程度の個人面談を実施している。仕事の話だけでなく、プライベートな話もする。
 面談のポイントは3つ。@体調はどうか? A楽しく仕事できているか? B疑問点や困りごとはないか? もし悩みなどがあれば、じっくりとていねいに話し合う。
3.アプリ会員4000人、うちゴールド会員1100人
 「完まく」(「完全まくり」の略)というラーメン用語がある。具や麺はもちろんスープまで完全に飲み干すという意味だ。お客様が完まくした時は、スタッフ全員から「完まく一丁ありがとうございます!」「最後までありがとうございます!」「励みになります!」といった声が上がる。(いいですね!)
 横浜家系ラーメン公式「完まくアプリ」なるものもあり、完まくごとにスタンプを付与。10枚貯まるとラーメンが1杯無料になるクーポンをプレゼントするほか、1年間トッピングが無料になるゴールドカードも発行。現在アプリ会員は4000人で、その27%にあたる1100人がゴールド会員だ。横浜駅前店には1日300人以上のアプリ会員が訪れるという。会員の中にはおじいちゃんやおばあちゃんや女性客もいる。お客様を大切にする姿勢を打ち出した制度であり、これが好調な売上を支える大きな要因の一つになっている。

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ちょっとうれしいできごと

 田口店が最近うれしいと思ったのは、横浜駅前店に週4〜5回来店する学生のお客様が「完まくランキングで50位以内に入りました」と笑顔で報告してくれたことだ。全店で15万人のアプリ会員がいて、毎月完まく数のランキングが行われ、50位以内に入ると餃子かネギチャーシュー丼がサービスされる仕組みになっている。
 もう一つうれしいことがあった。毎年3月には大学4年生のスタッフが卒業していくのだが、3年生のスタッフが先日、「ランチを回していた先輩(リーダー的キャスト)の役割を担いたいので、仕事を教えてください」と、自ら店長に名乗り出てくれたのだ。積極的な姿勢がとてもうれしかったそうだ。(いいですね!

ポジション習得率表と星取り表

 町田商店には、7つのポジションの習得率を星の数で評価する「ポジション習得率表」という、スタッフ教育の仕組みがある。ポジションは @洗いもの A注文・提供 B盛り付け・サイドメニュー C麺あげ・スープ Dコントロール E仕込み Fチャーハン の7つで、それぞれ7段階で評価され、それによって時給も決定される。
 ランクアップ制度はブロンズ・シルバー・ゴールドの3段階で、ポジション習得率表とも連動している。スタッフのモチベーションを上げる教育システムが確立されているのだ。
 また、売上の星取り表もある。1日の売上予算が達成されたか否かで勝敗が決まり、それがホワイトボードに記入される。たとえば「今月は20勝10敗」というように、星がついていくのだ。星がつくごとに300円のクオカードがプレゼントされる。勝ちが多ければ手当ても増えていく。(大入袋のような、うれしい手当てですね!)

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スタッフを効果的にほめる

 店舗運営上で田口店長が気を付けているのは「相互理解」だという。「店長とスタッフとの間の理解を深め、強い信頼関係を築くことが何より大事だと思っています」と田口店長。「相互理解」し合って「相互支援」へと進み、チームワークを深めてみんなでモチベーションを高め合い、「相互成長」していくのだ。相互理解 → 相互支援 → 相互成長の好循環に乗ることができれば、成長のスピードも増していく。もちろんスタッフだけでなく、店長自身も成長していくことが大切である。
 田口店長の「ほめる」と「叱る」のバランスは7:3。ほめ方は「すばらしい」「ありがとう」「頑張ったね」が多いそうだ。スタッフが進歩したところを見つけたら、それがたとえ小さなことであってもすぐにその場でほめるという。見習いたい姿勢である。
 私のクライアント先での「実力店長養成講座」においても、ほめ方に関する質問がしばしば出る。以下、そのポイントを簡単にまとめてみた。
1.お世辞でなく心からほめる。
2.具体的な事柄についてほめる。
3.「強化したい行動」をほめる。
4.メモ・カードなど、文章でほめる。
5.人を介してほめる。また人前でほめる。(朝礼、LINEなど)
 スタッフをほめる目的は、スタッフに身に付けさせたい行動を強化することにある。その行動に焦点を当て、それについて認めてしっかりほめることが大切だ。

 最後に、田口店長の夢をお聞きした。「この横浜駅前店を、最良の形で後輩に引き継ぎたい。そして将来はブロック長として店長をサポートし、株式会社ギフトの1000店舗達成に貢献したいと思います」と笑顔で語ってくれた。
 きっと達成できるでしょう。ありがとう、田口店長!