和歌山の活性化に貢献したい

六三園に赴任して以来ずっと、福島支配人は地域密着型の店舗運営を心がけている。地元の商工会議所や法人、敬老会などに働きかけたりして、地域に根ざした活動を行っているという。和歌山の活性化に貢献したいという想いがあり、元気な職場づくりもその一つと考えて日夜努力している。

六三園が料亭の時代には敷居が高すぎたというおじいちゃんやおばあちゃんには、「がんこさんになってやっと来ることができるようになった。ありがとう」と喜んでいただいている。昨年は敬老会から簡易な健康診断付き食事会の予約が入り、高齢者のみなさんにたいへん喜ばれた。この催しは今年も予定されている。

がんこには団塊の世代を対象に、還暦や退職のお祝いに向けた「男の花道」というコースがある。ちゃんちゃんこを用意し、ポラロイドでご家族の写真を撮り、色紙に貼ってプレゼント。花束は有料となるが、利用者は多い。なおこのコースは、歓送迎会全般にもひんぱんに利用されている。

六三園はこのほか、結婚式の食事会や二次会、法事など、さまざまなシーンで常に地域の人々に利用されている。

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QCサークル活動で、ランチ来客数128%アップ!

前述したように、六三園ではホールとキッチン、2つのQCサークルが2007年度の表彰を受けた。ホールは「お客様にもっと六三園を知ってもらおう!」をテーマにヤングママ賞を、またキッチンは「魅せる調理場の構築」をテーマにアイデア賞を受賞した。1つの店舗で2つも受賞しているのだから、QCサークル活動がいかに活発かがおわかりだろう。

ホールではこのテーマで活動を続けた結果、4ヶ月間のランチ来客数前年比128%を達成した。まずはお客様アンケート(800件)を実施。イベントや六三園の庭園、料理内容などに関する関心が高いことがわかり、これを受けて以下の4つのシナリオを掲げ、実践した。

1.季節感あふれる料理説明
字が大きくて見やすいお品書きの提供、季節感をアピールした素材や料理の説明を実施。

2.六三園のくるくる絵巻バージョンUP
屋敷の説明絵巻の文字を大きくし、イラストも載せて、大人用と子ども用を作成。クイズも盛り込んだ。

3.ベテランと新人の、知識の共有化
勉強会、宴会でのごあいさつ、あいさつ研修、美術品の豆知識、ふすまの開け閉めなどの立居振舞い、着物の着くずれ防止など。

4.六三園ファイルの作成
六三園の由来、部屋や庭のご案内、イベント情報などを掲載。季節ごとに写真を変更。六三園ファイルを全テーブルに置いたことで、イベント利用のお客様や、庭や新館を散策するお客様が非常に増えたという。ちなみにイベント内容は、クラフト教室、大学の落語研究会やマンドリンクラブの演し物付き食事会、マジックショー付き食事会、チビッコ向けお庭での青空散髪など。

キッチンのサークルの取り組みとしては、お客様の目の前で調理するお座敷天ぷらやお座敷にぎりなど、ライブ感の楽しめる“魅せる料理”を提供。接待のお客様に好評だった。

「大賞を狙うような奇をてらった内容ではなく、自主的で地道な活動が成功したことが嬉しかったですね」と福島支配人。QCサークル活動本来の姿といえるだろう。

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新人はお部屋担当になるまで3ヶ月の研修

福島支配人のP/A採用のポイントは3つ。

1.内股で着物の似合う女性、2.自然な笑顔、3.前向きである。1は着物で接客する仕事ならではのポイント。近ごろは着物を着てしとやかに内股で歩ける女性が少ないとのこと。内股で歩く練習もするそうだ。

福島支配人の考える、サービスに対する姿勢の原点は「折目正しい規律と躾」である。この原点に基づき、新人のトレーニングが行われる。以下、その流れを紹介する。

1.支配人研修(がんこの理念の徹底座学)
2.作務衣を着て接客補助
  (部屋の前まで料理を運ぶ)
3.着物の着付け
4.女将とのロールプレイング
  (女将がお客様役)
5.先輩教育担当と一緒に部屋での接客
6.一人でお部屋を担当

6まで進むのに3ヶ月はかかる。特に着物での洗練された立居振舞いは簡単ではない。ふすまの開け閉めや、お客様と廊下ですれ違うときの姿勢まで見られているわけで、これも商品の一つなのだ。

私が取材に伺った日はあいにくの雨だったのだが、スタッフの女性は玄関での出迎えの際、真っ白なタオルでスーツに付いた雨の雫を拭き取ってくれた。こんなきめ細やかで温かい心遣いが着物姿で自然にできるようになるには、十分な訓練が必要ということだ。

福島支配人は、お出迎えとバスまでのお見送りには特に気を配っているという。そして、お部屋の準備をバンタンに整えて、玄関でお待たせすることなくスムーズにオペレーションすることを心がけている。

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宴会予約で売上の70%

六三園の12月の売上は3700万円。売上に占める宴会予約の比率は70%を超える。宴会売上対策としては、次の5つのポイントが挙げられる。

1.外商活動
法人営業担当者2名が、地元の人脈を大切にしながら地域に根ざした営業活動をしている。
2.シャトルバスの運行
JR和歌山駅、南海和歌山新駅、六三園を、1時間に1本のペースで運行している。
3.チラシ・情報誌で情報発信
大阪南部の泉南市商圏にチラシを配布、また地域情報紙に定期的に季節の料理情報を掲載。
4.各種イベントの実施
各種クラブの演し物やマジックショー付き食事会などを毎月実施。
5.大手3法人への営業
社員・家族の利用はもちろん、接待需要も含めて、和歌山の大手3社にアプローチ。

このような具体的な対策を打ち続けていくのが、実力店長の腕の見せどころだ。


がんこの強さは4つの会議から

がんこでは、コミュニケーションと問題解決のために、4つの会議を毎週実施している。

1.幹部会議(支配人、料理長、マネジャー)
  毎週土曜日
2.レギュラー会議(14名の社員会議)
  毎週日曜日
3.部署別ミーティング
4.全体ミーティング
※上記以外に、QCサークル活動も行われる。

この4つの会議を基本にコミュニケーションの強化を図りつつ、毎週の問題点の原因を突き止め、課題を整理しながら解決していく。これががんこの強さとなっているのだ。

福島支配人の夢は「六三園を、和歌山を代表するお店にすること」だという。すでにそんな素晴らしいお店になっていると思いますよ。ありがとう福島支配人、そしてQCサークルメンバーのみなさん!