1.弁当販売、1日40食(月間120万円)
弁当は5種類ある。「肉汁焼餃子弁当650円」「自家製炙りチャーシュー弁当650円」「油淋鶏弁当650円」「麻婆豆腐弁当650円」「肉汁焼餃子・自家製炙りチャーシュー弁当700円」。最初は1日10食程度だったが、弁当の大看板を掲示し、呼び込みを強化したことで、20食、30食、40食と徐々に増えていった。58食販売した日もある。
弁当以外にも、単品メニューや焼餃子の追加などをプラスしていただけるため、弁当販売の平均的な客単価は1000円になる。40食×1000円×30日=120万円という数字は、5月・6月のトータルな売上に大きく貢献した。
またテイクアウト用の冷凍餃子売上シェアは9.3%。これも全店平均の4.5%と比べてかなり高い。
2.デリバリー1日4万円(8月は140万円)
7月と8月の売上を高めた最も大きな要因は、デリバリーである。Uber Eats、出前館、menuの3社のデリバリーサービスを活用し、1日平均4万円を売り上げた。デリバリーの客単価は2000円〜2500円で、多い日は30件で8万円ほどの売上にもなる。8月のデリバリー売上合計は140万円に上った。
デリバリーや弁当販売でダンダダンを初めて利用して餃子のおいしさを知ったことで、来店して飲食する新しいお客様が増えたのも、売上を伸ばす要因となった。
3.常連客が戻り、新たなお客様も!
取材したのは9月後半の週末で、時間は午後2時。お昼時を過ぎても店内は昼飲みのお客様でほぼ満席状態だった。11時30分〜24時まで通しの営業なので、日中はランチ+昼飲みのお客様が多い。「いつも利用している店がコロナの影響で営業を自粛したため、営業を続けていたこのお店に来ました」という新しいお客様がかなりいる。「お店を開けていてくれてありがとう」と感謝され、常連になってくださった人も少なくない。
ダンダダンがコロナ禍のため売上が低下しても営業を続けたのには、大きな理由がある。東日本大震災の際、「こんな時だからこそ元気になってもらいたい」という想いから休まず営業し続けて、お客様から感謝の言葉をたくさんいただいた経緯があるからだ。
「常連のお客様が確実にお戻りになっています」と、岩本店長は語る。常連客の多い店は、コロナ禍でも売上の戻りが早い。
4.チームワークと一体感
客足が一気に遠のいたのは3月後半からだった。そして4月の売上前年比は40%台に。アルバイトスタッフに働いてもらう余裕がなくなり、スタッフに申し訳ない気持ちでいっぱいではあったが、ついに社員だけで営業することになった。しかしスタッフたちは、働けない状況が続く中でも弁当や餃子を買いに来てくれたし、差し入れまでして応援してくれた。
ある日、女性スタッフの一人が食事をしに来店した。「彼女がレシートに『今日もおいしくいただきました。ありがとうございます。頑張ってください』と書いていたのを見て、思わず涙がこぼれてしまいました」と岩本店長は言う。この店のスタッフと店長、スタッフ同士の信頼関係はかくも強固なのだ。
5月から売上が70%台に戻り、スタッフも少しずつシフトに入れるようになった。面談と店舗ミーティングを通して経営理念の確認や活気・笑顔・声出しの徹底を行い、個人目標や店舗目標をみんなで決めて、一丸となって営業状態の立て直しを図った。その結果、8月の目標680万円に対し、850万円(前年比117%)を打ち立てたのである。エリアマネジャーからは、「(厳しい状況下にも関わらず)明るくハキハキした声、気持ちのこもった接客、活気など、すべてがすばらしい」と、最大級の評価をもらったという。
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