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コロナ禍でも好調の、3つの要因

1.テイクアウト・デリバリー好調
 新型コロナウィルスの影響が最も厳しかった一昨年の一時期は、20時に閉店していたせいもあって低下した。そのうちテイクアウトとデリバリーの売上は全体の35%もあった。美味しい餃子のイメージがお客様に浸透していて、コロナ禍でもニーズは途絶えなかったのだ。現在は好調で、テイクアウトやデリバリー売上も高い。
2.元気・活気(声出し・声掛けの徹底)
 肉汁餃子のダンダダンでは、お客様に対する声出しと、ホールとキッチン間の声掛けを徹底させ、元気と活気のある雰囲気を創出している。お客様から声をかけられたら「ハイ、ただいま!」と答えてすぐ動くのはもちろん、スタッフの入店時(まだ私服の状態)にも客席に向かって一礼し、大きな声で「おはようございます↑(語尾を上げる)」と挨拶する。お客様から拍手が起こることもあるそうだ。ユニフォームに着替えたら、ホールとキッチンそれぞれに対し「今日も1日よろしくお願いいたします!」と、気合いを入れて挨拶する。
 私は常々、「気」は日本人の命だと思っている。活気・勇気・負けん気・気迫・気骨・陽気・意気・雰囲気等々、日本語には「気」のつく言葉が実に多い。居酒屋は「気」がとても大切な空間だ。ダンダダンにはそれが満ちあふれている。
3.攻めの営業と店長の見るべきポイント
 橋本店長は、コロナ禍でも出店を続ける、会社の攻めの姿勢に勇気づけられたと語る。だからこの店でも、地域のお客様のご要望に応えて早い時期から閉店時間を通常の時間帯に戻した。「落ち込みがちな時期でも会社が常に前を向いていたから、乗り越えられたのだと思います」と、橋本店長は言う。
 またダンダダンでは全店でランチタイム営業を実施しているので、赤羽南口店でもランチの売上も好調だ。
 橋本店長がホールで気をつけていること(店長が注意して見るべきポイント)を伺った。
@お客様の表情・仕草・満足度(最重要)
A餃子を食べた一口目の表情
Bスタッフの態度・挨拶・動き
C全体の流れと入口周辺(ウェイティングのお客様は絶対にフォロー)
D丁寧なお見送り(店の外まで出る)

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赤羽南口店のちょっといい話

@店長は子どもが大好き。あるとき男の子といっぱいお話ししてソフトドリンクをプレゼントしたら、翌日お母さんがお菓子を携え、「昨日は息子を可愛がってくださってありがとうございました」とお礼に訪れた。(お母さんもすごく嬉しかったんですね!)

A面接時には人見知りであまり元気のなかった大学1年生のアルバイトが、この店で仕事をするうちにどんどん元気が出て明るく積極的になり、今ではトップクラスのスタッフになった。

Bコロナ禍でシフトが減ったが、店が大好きなスタッフが多く、ほとんどの人が戻ってきてくれた。(スタッフが戻らず、人手不足の店が多い現状です。いい店ですね!)

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挨拶・接客・お見送りの大切さ

 橋本店長の店長方針は「楽しく明るい店づくり」だ。コロナ禍で元気をなくした人たちに笑顔を届けたいという想いが強い。お客様が「乾杯」の声を上げたら、すぐさまスタッフが「お疲れさまです!」と言い、続けてスタッフ全員で「お疲れさまです!」と発声する。元気な空気が店内に広がる。
 テーブルではまず「餃子は何枚焼きましょうか」と枚数を伺う。皮が破れるなどの不備が1個でもあれば「作り直します」と言い、作り直したものをサービス提供する。これがブランドを守るということなのだ。
 店長はお見送りも大切にしている。お客様がお帰りの際には必ずのれんの外まで出てきちんと頭を下げ(5秒間)、感謝の心を込めてお見送りをする。通行人からも「いい店だなあ」と感じていただきたい。「通行人は全てお客様だ」と、橋本店長は思っているのだ。

コミュニケーションツール活用

 橋本店長は、朝礼でのハイテンションな声出しや、スタッフ一人ひとりに対するほめ言葉でみんなのモチベーションを上げている。
 ダンダダンではコミニュケーションアプリを活用(店単位とグループ単位)。店や会社の動きが見える化されており、お客様の情報も細かくまとめられていて、会話の役に立つ。これを最大限に活用するためには、店長自身が積極的に自己開示をする必要があると考えている。スタッフには、毎日「今日の振り返り」を指名制で発信させており、みんなから「いいね」が入る仕組みになっていて、情報の共有化を図っている。これは定着率をアップするメリットもあるという。
 最後に、橋本店長の今後の目標を尋ねた。現在上級店長だが、特級店長(全店で3位以内)に入り、将来は独立したいと熱く語ってくれた。
 思考は現実化します! がんばれ、橋本店長!