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コロナ禍でも売上好調、その3要因

1.圧倒的な商品力・バリュー
 この店のメニューベスト3は、@メガ盛りセット 300g1200円 Aオールスターセット 200g1780円、Bバラカルビセット 100g580円。秋葉原はガッツリ系の男性客が多いため、特にメガ振りセットが人気だ。
2.「一人焼肉」ニーズにマッチ
 お客様の約80%がお一人での利用という焼肉ライク。この店の客層は若者7割、ビジネスマン3割。焼肉ライクはこの街に来るお客様のニーズにぴったり合っているのだ。
3.元気で明るい接客
 柴野店長の店舗目標は、「秋葉原の街を元気にしたい。焼肉ライクのお店があってよかったと思っていただけるような店づくりを!」である。このためスタッフには、『元気で明るい接客』を徹底指導している。最近ツイッターに「秋葉原の街で一番元気よく挨拶してくれるのは、間違いなく焼肉ライク!」と投稿されていたのが、とても嬉しかったそうだ。

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大切なのは私(店長)の熱量!

 柴野店長のスタッフ採用率は4割程度。面接では「忙しいから大変ですよ」「本気でやってもらいますよ」と厳しい話をする。採用のポイントは、@元気で明るい雰囲気 A体育会系でチームワークを重視 B素直で誠実な態度 である。
 オペレーション研修には、本部が用意した1本1分程度のわかりやすい動画を活用。これが180本あり、非常にスムーズで効果的だという。焼肉ライクは「簡単オペレーションで職人いらず」をモットーにしているため、1週間〜10日程度でほとんどの内容が理解できるのだ。
 店長として特に心がけているのは「一番大切なのは、私自身の店に対する熱量です。焼肉ライクが好きなこと。店と仲間を信用して好きになること」だという。自分の熱量が高くなければ、スタッフの心に響かないと考えているからだ。「私が本気で売上目標の達成に取り組んで走り続ければ、スタッフも本気になり、お客様の満足度を上げようと真剣に努力してくれます。ただのアルバイトで終わってほしくない。成功体験をたくさん積み、就職活動にも活かしてほしい!」と語る。
 私も店長セミナーでしばしば「実力店長の共通点は愛着心」だと話している。「店が大好き、会社が大好き、スタッフが大好き」と言う店長は強い。「大好き」に勝るものはない。

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「PASS THE HOT BATON」でチームワーク強化

 アントレストでは、「PASS THE HOT BATON(パス・ザ・ホットバトン)」というものをおこなっている。メッセージカードのバトンリレーだ。「あたたかい気持ちをバトンリレーする第一走者になって、人、店、街へバトンをつないでいく」という意図がある。
 バトンに見立てた筒状の容器の中にメッセージカードを入れて、次の人へ渡していく。自分にバトンが回って来たら、次に渡す人のことを考える。人の良いところを見つける習慣を身に付け、感謝の気持ちを言葉で表して渡すことよって、チームワークや人間力をアップしていくのだ。ランチのメンバーがディナーのスタッフに渡すこともある。
 アントレストは現在、居酒屋など9店舗を経営している。毎月バトンリレーが回った回数を競い合い、ナンバー1を決めて社長が表彰している。年1回の社員総会でも、ホットバトン賞の表彰が行われる。

「焼肉ファストフード」の留意点

 柴野店長は、店舗オペレーションにおいて特に以下のことに気をつけている。
1.提供時間3分
 「焼肉のファストフード」がコンセプトなので、スピードを徹底している。平均滞在時間は25分で、最大20回転が可能だ。
2.肉の品質と美味しいご飯
 肉の盛り付け、温度管理、グラム数、炊飯の量と回数など。特にご飯(ひとめぼれ)は炊き立てを提供するため、米の量を少なめ(2.5升) にしてこまめに炊く。
3.好印象の徹底
 お迎えの挨拶、提供時やお客様とのすれ違い時、お見送りの姿勢など、お客様に好印象を与えられるよう留意する
4.ウェイティングのお客様への声掛け
 2階店舗のため、ピーク時にはお客様が階段に並ぶ。回転率が早いことを伝え、安心してお待ちいただけるようにしている。
 また焼肉ライクでは、スタッフが常に良いサービスを意識できるよう、カメラがホールに3台、キッチンに1台設置されており、本社もSVも店長(休みの時)も店内の様子をチェックできるようになっている。

 柴野店長は「焼肉ライクはすばらしい。一人で焼肉が食べられる。すべての席にロースターがある。女子高生がマクドナルドを利用するように2〜3人で来店する。朝から深夜まで満席が続く。本当にすごいと思います」と嬉しそうに語る。
 店長の今後の目標は、アントレストとして焼肉ライクの店舗を5店、10店と増やし、その責任者として後輩を育てていくことだ。ガンバレ、柴野店長!