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コロナ禍でも好調な3つの要因

 売上ナンバー1店舗の御殿場店は、コロナ禍で営業自粛をしても月商1200万円を上げている。好調のポイントは以下の3つ。
1.リニューアルオープン(リロケート)
 赤から御殿場店はグランドオープンから10年経過したため、近くにリロケート(移転)してリニューアルオープンした(2021年7月)。コロナへの対応として個室・半個室を増やし、ファミリー客にたいへん好評である。
 飲食店は店舗の美観を保つ上でも、5年を目安にリフレッシュ(小改装)、10年でリニューアル(大改装)するのが望ましい。
2.ランチ食べ放題が好調
 御殿場店ではランチの食べ放題を導入した。内容は990円コース(8品)、1290円コース(10品)、1980円コース(80品)で、1290円コースの出数が多い。これらのランチコースが好調で、平日10万円、土日は20万円のランチ売上がある。ランチだけで月に400万円も売り上げるのだ。
3.ベテランスタッフの安定したサービス
 この店には勤続10年目のベテランスタッフが複数名在籍する。高い水準のサービスができ、オペレーションが安定している。彼らは常連客を50人〜100人認識しており。フレンドリーなサービスができる。

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店長が最高のモデルになる

 松本店長が店舗運営において気を付けているのは、ホールでもキッチンでも、自分自身が一番の模範になることだ。「私が最高のモデルとなって、最良のオペレーションをすることが重要。そうすることで店が良くなるのです」と言う。(さすが店長、最高のトレーナーですね!)
 品質で気をつけているのは、肉のカットのきれいさ、手羽先の胡椒の量、主役である赤から鍋の見映えの美しさ。これらにはとことんこだわっている。
 サービス面では、お客様を好きになることが大事だとスタッフに指導している。「私自身、店長になって2年目ぐらいでそれを強く実感するようになりました。お客様を好きになれば笑顔や会話が増えます。大勢のお客様を覚えることにもつながります」と店長は語る。常連のお客様には必ず新しいスタッフを紹介して覚えていただく。もちろんスタッフも、そうやってお客様一人ひとりを認識していくのだ。

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本気で叱るから本気で慕われる

 これまでに経験した嬉しい出来事を伺うと、松本店長は次の3つの話をしてくれた。
1.雄大の他店舗(居酒屋業態)でキッチン責任者を務めていた時、退職祝いの予約が入った。刺身の舟盛りにお祝いのデコレーションケーキを盛りつけたところ、本人はもちろん奥様やお嬢様からもたいへん喜ばれたそうだ。
2.赤から富士店から御殿場店へ異動した時のこと。富士店のアルバイトリーダーが、スタッフ及び卒業して社会人になった元スタッフら、総勢35人に直接会って一人ひとりのメッセージを動画で撮影し、それを松本店長に送ってくれたのだ。「御殿場店でも活躍してください」「店長のおかげで、社会人になっても頑張れています」とみんなが語る姿を見て、「これには本当に泣けました」としみじみ語る松本店長である。
3.仕事への意識が高いとは言えず、あれこれ叱ることの多い大学生アルバイト(男子)がいた。しかし個性豊かで面白い面もあったので、じっくり何かに取り組んでほしいと思い、「学生で時間もあるのだから、思い切って何かにチャレンジしてみろ!」と励ましたところ、彼は新しい自分を見つけるべく、スケートボードだけで富士から新潟まで旅をしたり、海外への旅に出たりしたのだ。彼は旅先から、お世話になった人の写真を撮って店長に送り、旅の報告をしてくれた。
 彼は「本気で叱ってくれる人などほとんどいない中で、店長だけはいつも厳しく叱ってくれました。自分の甘さを痛感し、生き方が変わりました」と、感謝の気持ちを伝えてくれたそうだ。(店長が本気だから、お客様にもスタッフにも本気で愛されていますね!)

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 松本店長がスタッフとの関係で気を付けているのは、コミュニケーションの徹底である。休憩時、オープン前、クローズ後、まかない時に、たくさん会話をする。店長だからといって、決して偉ぶったりしない。
 ほめると叱るのバランスは1対9。叱るほうが断然多い。だがカラっと叱ってその日のうちにフォローする。叱るのはお客様に集中していない時や、忙しさにかまけて笑顔が出ていないとか、料理に愛情がこもっていない時である。
 今後の目標は、日本一の店を含む雄大の赤から5店舗を統括管理・運営する、エリアマネジャーになること。その日は近いと思います。がんばれ松本店長!