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コロナ禍でも売上好調、3つの要因

1.安定したシフトと、高いQSCオペレーション
 スタッフの多くが主婦とフリーアルバイターで、シフトに協力的だ。ランチの客層はお子さま連れの主婦層(ママ友)が50%以上。年齢層を問わず、女性客が90%を占める。(ディナーはカップルやファミリー層が多い)主婦スタッフのお子様への対応には定評があり、QSCオペレーションが安定している。最近(3月)のMS(覆面調査)でも200点満点中184点と、すばらしい結果を出している。
2.自律型スタッフが多く、定着率も高い
 八戸店には自発的に店のことを考えるスタッフが多い。週末のキッチンの仕込み計画や、ホールの導線、作業効率を上げるための改善案などを積極的に考えてくれるのだ。様々な問題を自分の問題として考えて対応するスタッフがいる店は強い。
 この店は定着率も高い。理由は以下の通り。
@スタッフに対する店長の「ほめる、叱る」のバランスは9対1。常にほめられることで、スタッフのやる気は高まる。
A店長は日頃から指示ではなく、「あなたはどう思う?」と聞いて自ら考えさせる質問型教育をしている。このためスタッフは、常に当事者意識を持って仕事に取り組める。
B日々のコミュニケーション量が多く、店長に相談しやすい。藤倉店長は店長セミナーでの感想レポートに、「パートナー(スタッフ)さんに対して『いつも一緒に働いてくれてありがとう』という感謝の気持ちを持ち、良い風土づくりに努めます」と書いていた。店長のこの姿勢が、すばらしいチームを生むのだ。
3.チラシのポスティングと割引券配布
 販売促進として、社員3人でフェア前などにポスティング(1000件)を行うほか、中野グループの社員や取引先に金券や割引券を配布して新規客を増やしている。守りと攻めの両方を欠かさない。

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小さな感動があふれる店

@1人で来店した高校3年生の男子が、スマホのイヤホンを店内で紛失した。店長は「こちらで探しますから食事を楽しんでください」と言い、スタッフ全員で探して見つけた。帰りのレジで受験生だと聞き、「合格を祈っています」と店長が伝えたところ、その後、大学に合格したという連絡が入った。とても嬉しかったようで、友人と一緒に来店してくれたそうだ。

Aこの店には入口近くにキッズスペースがある。ファミリー客が来店した際、スタッフがお子さんと一緒にそこで遊んであげた。そのことに感謝したお母さんから、その後ママ友10人の食事予約が入った。

B彼女のバースデー記念にと、カップルが来店。男性が事前に用意した花束を店で預かった。バースデーソングのBGMが流れ、花束と店からのバースデーケーキが出された。満席の店内からあたたかい拍手が沸き起こった。彼女の目からは感動の涙があふれて止まらなかったという。

C人間関係に悩んで前の職場を辞めた人が、この店で働くようになって明るくなった。「店の雰囲気が良かったおかげで、次の目標が見つかりました。新たに勉強したいことができました」と言ってくれたとのこと。この店がきっかけで次のステップに進めたことが、店長としてとても嬉しいと藤倉店長は語る。

 小さな感動の積み重ねが、良い店を作っていくのだ。

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朝礼で笑顔のキャッチボール

 藤倉店長が店舗運営上で常に気をつけているのは、「キッチンは事前準備」「ホールはスタッフの表情・笑顔」である。ことに笑顔は、スタッフから自発的に「朝礼で笑顔の練習(キャッチボール)をしましょう」という提案が出され、実践している。マスクをしていても目で笑う練習を、スタッフ同士で向き合って行うのだ。
 また、キッチンとホールの全ポジションをこなせるスタッフが多いのもこの店の強みである。こういう努力を、スタッフが自主的に提案して行う。当然生産性も高くなる。
 店長とスタッフとの主なコミュニケーションは普段の会話。ポイントは、それがとても多いこと。そして前述したように徹底してほめること。常にその人の強みを見つけてはほめるという。ほめ言葉は「ありがとうね。助かった!」「それいいね、やってみようよ」。シフトが上がるスタッフに対しては「お疲れさま、ありがとう」の言葉を欠かさない。グループLINEでは日々の連絡や課題を伝える。またスマホの「お客様アンケート」で『輝きスタッフ』が毎日ランキングされており、「今日は何人高評価がいただけるかな。頑張ろう!」とメッセージを送る。

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 藤倉店長に今後の夢を伺った。「今月結婚します。結婚しても働きやすい環境や会社の体制を整え、より楽しく働ける職場を自らの手で作っていきたい」とのことだ。
 おめでとうございます。輝く女性店長として、ますますの活躍を祈っています。