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売上V字回復、3つの要因

1.宇奈とと導入で売上200万円アップ
 宇奈ととを導入してダブルネーム展開を図った扇屋の店は35店舗あるが、売上が最もアップ(200万円)したのがこの西葛西駅前店である。
 扇屋の看板メニューは@扇焼き もも130円 A元祖バリテバ2本300円 Bももかわ150円。宇奈ととの売れ筋は@うな丼ダブル1000円 Aうなとり丼1000円 Bうな重(上)1430円。夜は最後の締めとしてうな丼550円を注文するお客様も多い。
 この価格で提供できるのは中国産うなぎだから。最近の中国産うなぎは品種の変化や生産方法の進化でおいしくなっている。私の友人のうなぎ専門店社長も、国産の痩せたうなぎより中国産の太ったうなぎのほうがうまいと言っている。ことに「オオギヤと宇奈とと」ではうなぎを備長炭で焼くので、さらにおいしさが増すのだ。
2.お客様のペースに合わせて商品提供
 村田地区長の店舗方針は「笑って帰れるお店にしよう」。例えば、焼き鳥を常に熱々の状態で提供するために、10本注文を受けても3本ずつ提供する。常に最もおいしい状態でお出しするのだ。
 スタッフにはいつも「お客様の立場になって考えよう」と指導。お客様の表情や仕草を見てニーズを察し、呼ばれる前に生ビールの追加をお尋ねする、新しいおしぼりを提供するなど、気配りを大切にしている。
3.抜群のチームワーク
 この店はオープンしてから15年になる。村田地区長はアルバイトを経て入社し、赤羽店の店長を7年経験した後、この店に帰ってきた。そのとき何人ものお客様から「村田くんじゃないか。店長になったんだね」と言われたそうだ。15年来のお客様が多いのである。夜も3〜4割の常連客に「今日もありがとうございます」と頭を下げている。

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店長の喜びと醍醐味

 西葛西駅前店の店長として、どんなことを嬉しく思うかお尋ねした。
1.常連さんの追っかけ
「赤羽店からこの店に異動してきた時、赤羽の常連さんが1時間もかけて『会いに来たよ』と来店してくれました。『仕事で近くまで来たから寄ったよ』と言って立ち寄ってくださる人も多く、本当にありがたいことです」
2.オーナーの応援
「当店のオーナー(地主様)が満席の時に8名で来店され、『この店で食べたいし、みんなにも勧めたいんだ。混んでいても待つよ』と言ってくださったのが、すごく嬉しかった!」
3.スタッフの気遣い
(コロナ前の話として)「体調が悪くても表に出さないようにしていますが、やっぱりスタッフにはわかるんですね。『後はちゃんとやっておくので、店長は帰って休んでください』と主力のスタッフから言われた時には、気遣いが嬉しかったし、頼もしいと思いました」
4.元スタッフの成長
「社会人になった元スタッフたちが『店長、飲みに来ましたよ!』と、時折り懐かしい顔を見せに来てくれます。その後の成長ぶりを見るのは嬉しいですね」(飲食店の店長って、ホントにいい仕事ですね!)

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店長がいなくても運営できる店

 村田地区長は12店舗を管理しているので、西葛西駅前店には週2日程度(週末や新人スタッフが多い時)しかいない。「もし私が倒れて1ヶ月不在でも、この店は回ります」と彼は言う。スタッフだけの日でも、LINE会員を積極的にたくさん獲得してくれるそうだ。LINE会員は2000人以上で、売上貢献につながっている。地区長不在でも立派に仕事をこなすチームワークの醸成と、優れたスタッフ育てる秘訣は何だろう? そのポイントをお聞きした。
1.コミュニケーション&ほめる
 コミュニケーションの量は普段から多い。ほめると叱るのバランスは9対1。声を荒らげて叱ったことは1度もない。冷静に叱った後でも、きちんとフォローする。
2.2ヶ月に1回の面談
 この店では2ヶ月に1回の契約更新時に面談を実施している。仕事で気になっていること、働きたい時間帯、困っていることや悩み、プライベートなことなどを話し合う。
3.すべての仕事をスタッフに任せている
 村田地区長の口癖は「この仕事は任せたからね」だ。多くのトレーナーを育て、トレーニーの教育に当たらせている。「任せたからね」は、地区長から信頼されていることの証。その言葉を聞くだけでスタッフのモチベーションは上がる。

地区長としての役割

 最後に、地区長としての役割を伺った。「主に店長指導。店長としてあるべき姿の状態にまで導くのが、地区長の仕事です」とのこと。売上の改善とサポート、営業で手いっぱいになりマネジメントができていない店長への指導、各店の巡回など。売上が厳しい店やその他のことで気になる店の巡回頻度は高い。(大事なことですね!)
 なぜこの店長はこの仕事ができないのか、その理由を考えてベストなサポートをするのが、今一番楽しいと語ってくれた。
 ありがとう。がんばれ村田地区長!