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月商2000万円、好調の3つの要因

 今回お話を伺ったのは、このスカイテラスの運営を任されている野村尚史店長。「野村店長の強みは、お客様やスタッフに対する気遣い・気配りと、スタッフへの愛」だと、田中社長が太鼓判を押す店長だ。ことに、スタッフの意欲や価値を高めようとする姿勢が素晴らしいという。
 野村店長の店長方針は「プロ意識を持って臨む」。フロアサービスとしてのプロ、料理人としてのプロであることを常に意識することだと語る。
 コロナ禍でも月商2000万円で進撃する好調要因は、以下の3つ。
1.独創的でコンフォートな空間
 まずは特別感のある空間に圧倒される。吹き抜けの高い天井、大きな窓からは陽光が降り注ぎ、屋外のプールも目に飛び込んでくる。さながら南国のリゾートホテルのように開放的な空間が広がっている。
 この心地よさと開放感が大人気で、アニバーサリーの予約が月100組以上入る。お洒落をして行ける客単価2000円の郊外店がなかったことが、アーリーアダプター層の心をつかんだようだ。
2.ランチ・アフタヌーンティー・ディナーの三毛作
 スカイテラスの客層は、平日のランチはママ友をはじめとする女性客が90%以上、夜はファミリーやカップルが多く、土日はファミリーが中心だ。アイドルタイムといわれがちな15時から17時も、アフタヌーンティーを楽しむ人で常に満席。毎日5万〜10万円を売り上げ、ホールスタッフに「この時間帯が一番大変」だと言わしめている。三毛作が見事に成立しているのだ。
3.抜群のチームワークと一体感
スカイテラスは店舗が大きいため、毎日20人ものスタッフが働いている。「店長が一人ひとりにいちいち指示するのでなく、スタッフが自ら考えて動かないと回らないような規模の店です」と野村店長。このため「スタッフが明るくのびのびと働けるような環境づくりや接し方を日々考えています。もっとスタッフをサポートできないか、店長として何をしてあげられるか、それが一番重要です」とのこと。(素晴らしい!)
 店長がスタッフの自主性を重んじてサポートに徹しているため、スタッフの間で自然に一体感が生まれ、チームワークが醸成されて、店の空気が良くなっているのだ。
 またスカイテラスでは、スタッフのまかないは無料。日々美味しいものを味わっているせいか、スタッフはプライベートでも家族や友人と一緒に来店してくれる。(店に対するスタッフの愛が感じられます!)

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スタッフが先頭、店長は後方支援

 株主のお客様から秋山航アシスタントゼネラルマネジャー(AGM)に届いたメールを紹介しよう。
 グランドオープンに際しては300人がスタッフに応募し、200人面接して60人が採用された。採用率3割の狭き門をくぐり抜けた人たちを、しっかりと初期教育した。
 最も強く意識させたのは、スカイテラスのコンセプトである「あなたと愛する人が日常から解放される場所としてご利用いただくのが私たちの願いです」という言葉。自分たちが、お客様に非日常的な特別空間で快適なひとときを過ごしていただくためのプロであることを、まずは心得てもらったのだ。
 もちろん料理には自信を持っている。そのクオリティー維持で気をつけているのは、味見をきちんと行うこと、分量や火加減、盛り付けに至るまでプロ意識を持って臨むことなどだ。どんなに忙しくても絶対に妥協はさせないという。  サービスに関しては、スタッフ自身が料理とドリンクをプロデュースして行う。店長の指示を仰ぐのではなく、自分で判断するよう指導している。
 お客様からは嬉しい声が届く。最近もこんな声が寄せられた。「エアコンがよく効いていた時、何も言っていないのにスタッフが気遣ってブランケットを持ってきてくれた」「アニバーサリーで来店。スタッフの優しい対応が素晴らしく、幸せな気持ちになれた」「ヴィーガン(完全菜食主義者)なのだが、メニューの提案に感動した」
 こんな感謝のメッセージが続々と届き、それに励まされてまたスタッフが成長していく店なのである。

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自律型スタッフによる運営

 野村店長は、スタッフとのコミュニケーションを大切にしている。特にスタッフの入店時には、店長のほうから全員に挨拶に行く。また毎日の感謝のメッセージ(ワンスマイル・ワンメッセージ)では、「ありがとう」「助かっているよ」と言ったポジティブな言葉を心がけている。スタッフからの提案や意見についても、クイックレスポンスで対応する。
 スタッフに対しては、吉田さんなら「ヨッシー」、夏子さんだら「なっちゃん」というように、親しみを込めた呼び名で呼んでいる。
 この店にはすでに、みんなで店舗をつくっていくという店風(社風)が生まれている。自主的に動いてくれるスタッフが多く、例えば次のような要望や実践がどんどん出る。
●もっとトイレをきれいにしたいから、◯◯ブランドの洗剤を買ってほしい。
●店をもっと美しくしたいから、掃除だけで1日シフトに入れてほしい。
●アニバーサリープレートを美しく仕上げるために、ネットでデザインの勉強をしてお客様に感動していただけた。
 10月には、常連のお客様やスタッフとその家族を対象に、プロのライブバンドとDJを呼んで素敵なイベントを貸切で行った。大阪からバスをチャーターしてやってきた、音楽好きのお客様もいる。総勢200人の大イベントとなり、地域のお客様に喜ばれたのはもちろん、従業員にも刺激になり、オープンをサポートしていただいた業者様とも交流できた。今後も3ヶ月に1回のイベントとして継続していく予定だ。

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 野村店長の今後の目標は、月商2000万円という数字を安定させていくことと、FCの展開だ。
 「こんな素敵な店が自宅近くにあったら!」と思える取材だった。全国にベビーフェイス スカイテラスをぜひ!

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