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客数毎日500人、売上好調3つの要因

 「地元住民に居心地の良い空間と美味しい一杯のコーヒーを提供する」というのが横井店長の店長方針。中川店には毎日500人のお客様が来店する。その要因は以下の3点。
1.「ザ・喫茶店」の王道を追求
 ゆったりと寛げる落ち着いた空間、香り高いコーヒー、スタッフのとびっきりの笑顔、気の利いたサービス、豊富な新聞・雑誌。これぞ喫茶店と言うべき王道のスタイルで、老若男女を問わず幅広い層のお客様から圧倒的に支持されている。
2.一杯ずつハンドドリップで提供する珈琲
 看板メニューは@珈琲元年ブレンド(450円)、Aパンサラモーニング(ドリンク代+360円)、Bふわふわ玉子サンド(730円)。
 注文ごとに豆を挽き、一杯ずつ丁寧にドリップしたオリジナルブレンドコーヒーは、珈琲元年が最も自信をもって提供しているこだわりのメニューである。また、モーニングメニューは8種類あり、5種類は有料モーニングでいずれもボリュームたっぷりだ。
3.常連客の多さ
 モーニングで週3回来店、そんな常連客が大勢いる。店長は150人以上の常連客を、またベテランスタッフも1人50人以上を認識できる。常連客のいつものモーニングメニューや好みのコーヒーを頭に入れており、何も聞かなくても笑顔で対応できるのだ。
 またモーニングは13時までと長時間にわたるため、ブランチ利用も多い。13時までに1日の売上の50%を超える。

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お客様からの高評価

 中川本店は、MSのカフェ部門(1900店)で1位を取ることが多い店だ。お客様の口コミ評価も高い(5点と4点が多い)。コメントの一部を紹介する。
●ボリューミーなモーニングに大満足です。お昼1時までやっているモーニングはメニューが豊富でおいしかった!
●中川運河に面したソファーは景色が素晴らしくて最高です。コーヒーは、他のカフェとはひと違うおいしさです。何度でも行きたい店です。
●店員さんの対応がとても良く、ゆっくりできました。日常の疲れを癒すのにとてもいい店です。
 こんな高評価を常に受けている店なのだ。横井店長自身もお客様からしばしば「店長がいるから何度でもお店に来たくなる。だからコーヒーチケットをたくさん買うよ」と嬉しい言葉を掛けられる。ちなみにコーヒーチケットは毎日10枚ほど売れていて、月100万円の売上になる。昨年オープンしたFC店の千音寺店では、グランドオープンの3日間でコーヒーチケットを500万円分販売したというから驚きだ。

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ピークタイムに店長はどこを見るか?

 スタッフの採用率は、応募に対し2〜3割と厳しい。採用基準として重視しているのは人柄・笑顔・清潔感。私は日頃から店長セミナーにおいて、スタッフのレベルは採用時で7割決まると話している。厳しい採用基準をクリアしたスタッフは、教育によってさらに磨きがかかる。採用時の人選が適切だからこそ優れたスタッフが育ち、MS評価の高さへと繋がっていくのだ。
 採用後はオリエンテーションで店のコンセプト、理念、ハウスルール、挨拶、言葉遣いをしっかりと教育。ルーキーマニュアルに沿って3カ月間の研修を行った後、正式採用となる。もちろんその後も、店長による現場での教育が続く。
 横井店長は、ピークタイムにどこを見ながらオペレーションしているのだろうか。
@ホール全体の流れと入口周辺のチェック(スタッフの表情・動き)
Aお客様の表情と物音に注意
B商品の同時同卓提供(ディシャップのチェック)
Cテーブルウォッチング(1ウェイ2ジョブ、中間バッシング)
Dお客様の印象(服装や、メガネ・帽子などの装飾品)
 Dは、速やかにバッシングできるようにするため、お客様の特徴を覚えておくという意味だ。これによって回転率の向上にもつながる。

率先垂範とコミュニケーション

 店長としてのリーダーシップやスタッフとのコミュニケーションについて、横井店長が気を付けていることを伺うと、「私は古いタイプの人間なので、率先垂範を心がけています」との返答。先頭に立って店舗オペレーションをし、背中で手本を見せるのは、部下にとって最もわかりやすく、かつ説得力のある方法だ。
 京セラの創業者である故・稲盛和夫氏も、「仕事をする上で、部下やまわりの人々の協力を得るためには、率先垂範でなければならない。人の嫌がるような仕事を真っ先に取り組んでいく姿勢がリーダーには必要」と語っている。
 また横井店長は日々スタッフを「ほめる、評価する、感謝する」ことを意識しているという。以前は「仕事なのだからできて当たり前」だと、厳しい目で見ていたが、今では認めて感謝する気持ちが大きくなり、「ありがとう」という声掛けをいっぱいするようになった。誕生日を祝う言葉も忘れないし、個々のちょっとした変化にも気づく。プライベートな相談にも乗っている。
 この店は本店のため、FCさんのオペレーション指導も行っている。珈琲元年を20店、30店と増やしていくのが横井統括店長の夢だから、指導にも自然に熱が入る。「より多くの人に自分の街に珈琲元年がある≠アとを喜んでもらえるようにしたい。珈琲元年で、安らぎと活力を毎日お届けしたい!」と、熱く語ってくれた。
 ありがとうございました、横井統括店長!