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4坪の小さな店からスタート |
西嶋社長はビジネスマンとしてここまで順風満帆に来たわけではない。青山学院大学を卒業後、売れることを夢見て31歳までバンドマンとして頑張るも、ついに夢破れて国内やインドへと放浪の旅に出たのだ。 インドから帰ってまもなく、サラリーマンとして働くようになった。その飛び込み営業先のオーナーから、藤沢市内にある物件(わずか4坪で築30年以上、トタンでできたボロボロの店舗)を運営する人材とスタッフの募集を依頼された。西嶋社長は不思議なことにその時、自分がこの店を経営したいと思った。70万円で譲ると言われたが、そんなお金はない。そこで思い出したのが、インドで出会った修行者の「宝くじを1枚買え」という言葉だった。そうして買ったたった1枚の宝くじが、何と124万円の当たりくじだった。こうして西嶋社長は、藤沢駅前の4坪の店をオープンすることになったのだ。 それはうどん屋の居抜き物件だった。余分な資金のなかった社長は、そのまま設備を利用できるうどん屋を営業することにした。もちろん素人なので、そう簡単に事は運ばない。両親が岡山出身だったことからうどんの出汁は関西風の薄味にしたが、試食した友人たちからは「こんな味ではお客は来ない」と言われてしまう。そこで、薄味のうどんをカ バーするしっかりとした味の丼物を出すことにした。ご飯にたっぷりのキャベツを盛り、その上に豚バラの生姜焼きを載っけた丼だ。これが、今や「うどん屋なのに看板商品」と言われる「バラ丼」の始まりである。現在に至る大ヒット商品の「うどんとバラ丼のセット」が、こうして誕生した。 しかしこれで味が決まった訳ではなかった。よりおいしくするためにその後もお客様の意見を聞き続け、お客様と一緒に「里のうどん」の味を創り上げていったのだ。「この店へ食べに行ってみたら参考になるかもしれない」とアドバイスしてくれるお客様も。「里のうどん」はまさしくお客様に育てていただいた店なのだと、西嶋社長は言う。 そうやって味を確立していくにつれて少しずつ口コミでお客様が増え、4坪(店舗改装後10坪)・家賃6万円にして月商500万円という大行列の店ができたのである。(想像を絶する売上ですね!) |
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13店舗を展開後、コロナ禍で3店舗に |
だんだんと調子に乗り、うどん店が6店、ラーメン・焼き鳥店が2店、さらに海外(タイとハワイ)にも出店し、トータルで13店舗を展開するに至った。ロードサイドに野立て看板を10本出し、知名度も高まって、里のうどんは名実ともに藤沢名物となった。そしてこれからもっと展開していこうと言う時、コロナ禍に見舞われた。売上は海外を含めて激減。リストラも行い、3店舗にまで縮小した。倒産寸前となり、地に落ちたと言ってもいいほどの状態に。地獄のような状況下で喘ぎつつも、クラウドファンディングで800万円が集まり、ギリギリで立て直した。 繁盛店はできたものの、経営官管理能力や店舗数を増やしていく経営戦略の力はなかったと、西嶋社長は反省する。苦しい日々をくぐり抜けた西嶋社長は、「物価高と円安、バラ丼から見る世界」というテーマで、NHKスペシャルにも出演した。 |
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現在9坪で月商1250万円(坪売上138万円) |
テラスモール湘南店の飲食店は24店舗ある。その中で、月商では3位、坪売上ではマクドナルドやスタバを抜いて1位を誇る。その要因は2つ。 |
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フランチャイズ展開で30店舗を目指す! |
店舗運営上で気をつけていることを西嶋社長に伺った。社長自身はオペレーションに入っていないが、提供された商品を常にチェックしているとのこと。週末はそれぞれ700食出るので、数をこなすことで新人でも自然にオペレーションは身に付いていく。 |