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月商1200万円、客席回転率23回転、好調の3要因

1.特製ラーメン800円(税込)の高価値
 看板メニューは@特製ラーメン800円、A辛ラーメン850円、Bブラックチャーハン550円。ブラック半チャーハンは平日250円で、土日祝は350円となる。いずれも税込価格である。この3品の商品シェアは80%。圧倒的にオペレーション効率が良い。ことにブラック半チャーハンが人気で、注文率は80%を超える。
 また野菜の量は、普通盛り100g、野菜マシ200g、野菜マシマシ300gまでは無料である。野菜マウンテン600gはプラス100円、野菜メガマウンテン1kgはプラス200円で、インスタ映えする大迫力だ。
 「これからのラーメンは麺の旨さが重要」だと大石親方は言う。麺はもちろん、スープにもとことんこだわっている。店内で仕込んでおり、乳化してたいへんまろやかな味わいだ。

2.サービスで地域一番店になる!
 大石親方はいつも朝礼で「サービスで地域一番店になる!」と語っている。お客様にラーメンを食べて幸せになっていただくため、スタッフには笑顔・活気・礼儀を徹底させている。私も来店するたびに、女性スタッフの笑顔と礼儀と所作に感心する。ネットのコメント欄にも「ラーメン屋でこれだけのサービスはスゴイ!」「女性スタッフの笑顔が素晴らしい!」といった言葉が多く掲載されている。

3.大看板のファサードインパクト
 「まさか!? 寿司職人がラーメン!」の大看板は非常に目立つ。黄色い背景に赤と黒の文字も、ドーンと大きくレイアウトされたラーメンの写真も、インパクトが強い。特に夜は煌々と輝き、地域一番の明るさと大きさで圧倒的な存在感を放っている。飲食店にとってファサードは非常に大切。何屋なのかが一目でわかることが重要だ。

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スタッフが主役、店長は脇役

 スタッフの教育について大石親方に伺った。大事なのは「オープン2週間前の徹底指導と、優秀な人(トップを走る人)を1人見つけてしっかり教育すること」だという。そんな人が1人いると、全員が良い方向に引っ張られるのだ。
 また、チャーハンの鍋の振り方が難しく、うまく振れるようになるまでアルバイトスタッフは3ヶ月以上かかる。親方による試験に3回も4回も挑戦して合格すると免許皆伝で、白衣を着られるようになり、それが店の入口に掲示される。
 この店のサービスレベルが高い理由を尋ねると、大石親方は1号店での失敗談を語ってくれた。1号店オープンの時は、毎日スタッフを叱り飛ばしていたとのこと。和食の職人の世界では当たり前のことなのだが、ネット上にお客様からのクレームが上がってしまった。「あんなに怒っていたらラーメンが美味しくなくなる」と書かれたのだ。そのことを反省し、新たな店ではそのような叱り方は一切しないと決め、スタッフの自主性を尊重して彼らに任せるようにし、親方はアドバイスとフォロー役に徹するよう努めた。
 するとスタッフは一気に成長したという。「この店で働くことが楽しい」と話すスタッフがどんどん増え、新人の紹介も多くなった。(楽しく働けるのが一番ですね!)
 私の店長セミナーでも、「スタッフが主役、店長は脇役(コーチ)」だとレクチャーしている。「この仕事の主役は自分だ」という意識をもつことができれば、スタッフは成長する。店長は自ら黒子となるべし。スタッフを前面に押し出して主役にできてこそ、一流の実力店長と言えるのだ。

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朝礼で個人目標発表

 この店はカウンター11席とテーブル8席(2卓)で、どの席もキッチン側から片付けやテーブル拭きができるようになっている。このためスタッフはホールに出る必要がなく作業効率が良くなっている。これは1号店から3号店までの問題点を踏まえて改善した結果だ。また、30坪で19席と席数が少ないのは、今後の店舗拡大のためにキッチンの研修で使うことと、労働環境を良くするためにスタッフルームを広く取ってあるからだ。  朝礼は毎日行う。接客用語十ヶ条の唱和、売上進捗状況・本日の目標・おほめの言葉やクレームなどの発表、身だしなみチェック、意見交換などを実施している。  社員・スタッフ全員の本日の個人目標も発表する。「今日もとびっきりの笑顔で頑張ります」「活気とスピード感をもって接客します」「ラーメンの提供を速やかに。ピークでも5分で提供します」等々、自分なりの目標をみんなの前で掲げて、達成に努めるのだ。

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 最後に大石親方の夢を伺った。「この4号店をモデル店舗としてフランチャイズ募集を行い、まず愛知県に20店舗、将来は100店舗出店を目指したいですね!」と熱く語ってくれた。
 目標達成と夢の実現を応援します。大石親方(大石常務)、ありがとうございました!