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月商2600万円、好調の3要因

1.圧倒的な商品力
 居酒屋、焼鳥屋、鴨料理屋、タイレストラン、韓国ダイニング、作る業態全てをヒットさせ、『業態作りの神』と称される創業者の佐野直史が、全国100店舗・名物の伝串1億本を売り上げる居酒屋『新時代』に次ぐ新たな成長ドライバーとして創業した業態。それが『鳥ぶら』である。もちろん業態作りは、代表の佐野自らが行う。
 鳥ぶらの焼鳥が美味しいと言われる所以は、生串打ちと佐野塩(さのじお)。一度も冷凍せず徹底的に鮮度管理された国産生肉を串打ちしている。佐野塩(さのじお)は、創業者の佐野直史代表が20年かけて世界の焼鳥を食べ歩き、焼鳥を美味しくするためだけに作り上げた特別な塩。肉のフワフワ感と美味しさを引き立てる塩の風味が、焼鳥ファンを虜にする。

2.居心地の良い接客で常連客増加
 佐野雅晃店長の店舗目標は「お客様が入口から笑顔になれるお店」だ。常にお客様にとって居心地の良い接客を心がけているため、リピーターが多い。週1回は来店する常連客が多く、その常連客がまた新規のお客様を連れてきてくださる。ことにビジネスパーソンの場合、心地よいからこの店で宴会をやりたいと思っていただいて、4人〜8人のグループで来店するケースが増えている。
 提供時間はドリンク5分、料理10分を基本としている。佐野雅晃店長は主にキッチンでの料理を担当しており、カウンター越しにお客様と接する機会も多いため、まだオープンして半年ながら、200人以上の常連客を認識しているという。(すばらしい!) ベテランスタッフも、30人〜50人の常連客を覚えているそうだ。

3.優れたスタッフの採用
 飲食店、特に居酒屋の多くが人手不足で苦労している昨今だが、この店には大学生を中心に50人のアルバイトスタッフが在籍している。グランドオープン前のスタッフ募集には250人もの応募者が集まった。採用したのは70人。採用率28%の狭き門だ。採用のポイントは次の通り。
 @ずば抜けて元気。(健康・活気)
 A返事が良く、丁寧な言葉で流暢に話す。(コミュニケーション力)
 B自分のスケジュールをきちんと把握している。(働く意識と責任感)
 素質があって適性の高いスタッフを多く採用したことで、安定したQSCオペレーションができているのだ。

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スピード・クレンリネス・コミュニケーション

 佐野雅晃店長が店舗運営上で気をつけていることを伺った。
 1つ目は、スピード感を大事にすること。約100席の大型店で満席状態が続く時にオペレーションがもたつくようでは困る。「提供時間10分」以内にふわふわ&ジューシーな焼鳥を滞りなく提供し続けることができれば、お客様の満足度は上がる。
 2つ目は、クレンリネスの徹底。24時の閉店後から朝の5時まで、毎日3人の清掃担当スタッフがホール・キッチン・トイレ・換気扇・外回りの掃除を徹底して行っていることに驚かされた。店長は出勤時に毎回クレンリネスチェックをする。
 3つ目は、スタッフとのコミュニケーションを欠かさないことだ。ホールスタッフは8割が女性。お互いの理解を深めるためにも、きめ細かいコミュニケーションが必要である。スタッフ全員がこの店のことを大好きでいてくれるよう、気遣いながら接していると佐野雅晃店長は語る。スタッフへの愛に満ちた言葉だと感じた。
 この3つは飲食店や居酒屋チェーンにとって最も大切なことだと、私も常々思っている。

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ほめる時は間接的に!

 スタッフに対する「ほめる」と「叱る」のバランスをお聞きしたところ、「9:1」で「ほめる」そうだ。それほどにほめることを意識しているという。
 だが、たった1割しかない「叱る」時は、毅然とした態度でしっかりと叱る。例えば人のことを馬鹿にする、お客様を批判する、一生懸命努力しているのにうまくいかず困っている仲間を見ても全くサポートしない…そんな時には厳しく叱る。  叱った後のフォローについて尋ねると、スタッフ同士でフォローし合っているという。
仲間が「佐野店長に叱られたのだからよほどのことだ。仕方ないだろう」と言って慰めたりアドバイスしたりしているのだ。店長自身は少し時間を置き、日を改めて「この前は強く言ってごめんな」と話しかけるようにしている。スタッフは100%、「いいえ、自分が悪かったんです」と答えるそうだ。
 スタッフをほめる際には「間接ぼめ」を意識している。目の前にいるスタッフをほめる(直接ぼめ)のではなく、第三者を介してほめるのだ。例えばBさんをほめる場合にはAさんに、「Bさんがご案内の時、ウェイティングがかかっていたけど、お客様を帰らせないようメニュー説明などをして、きちんとお客様をすべて入れてくれたよ」と言うのである。
 キッチンでも同様だ。焼場のスタッフは2人いて、その1人に「昨日C君は満席状態が続く中で、必ず10分で焼鳥を出してくれたんだ。嬉しかったよ」と話す。この「間接ぼめ」を全ポジションで繰り返し行うのだ。 (スタッフのモチベーションは上がり続けますね!) もちろん、直接ほめることもある。その場合は、ほめた後で次の課題を与えることにしている。

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 「人は楽しいところに集まる」の企業テーマ通り、最後に「全員(2部制)でのバーベキュー大会(レクリエーション)を企画しています」と、嬉しそうに語ってくれた佐野雅晃店長。夢は「鳥ぶら100店舗達成」だという。
 ありがとう佐野店長。その日は決して遠くない。将来必ず達成できると思うよ。ガンバレ!