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売上好調(150%アップ)の4つの要因

1.「ニパチ」を「や台ずし」に業態転換
 や台ずしの看板メニューは、@握り寿司(59円〜) A手羽先唐揚(3本360円) B豪快!いかの天ぷら(レギュラーサイズ999円)。
 本格職人がつけ場で一貫一貫丁寧に握った鮮度抜群の寿司を、一貫59円からのお手軽価格で提供している。寿司と居酒屋メニューの商品構成は5対5。寿司が目当てのお客様が加わったことで、ニパチの時よりも客層が広がったという。寿司やおつまみのテイクアウトもできる。

2.接客サービス(笑顔率80%)
 照屋店長の店舗方針は、「アットホームな雰囲気で、居心地の良い店づくり」だ。スタッフもお客様もみんな家族という、庶民的であたたかいイメージである。
 寿司居酒屋にとって大切なのは活気(元気な声出し)と笑顔。明るく爽やかな雰囲気での接客が重要だ。この店のスタッフの笑顔率は80%だという。常連客が増え続けているのは、スタッフたちの笑顔のおかげなのだ。
 もちろん店長自身も率先して笑顔で接客している。寿司を握りながら、カウンターのお客様から今日あったうれしい出来事や、時には愚痴などもお聞きする。気軽におしゃべりをしていただいて、元気になってお帰りいただくことが多い。

3.スタッフの定着率90%以上
 この店では、2〜3年以上勤続のベテランスタッフが多いため、オペレーションが安定している。スタッフの定着率は90%以上。卒業以外の理由では大学生が辞めない店なのだ。
 寿司職人としての業務にあたるのは基本的に社員だが、大曽根駅西口町ではアルバイトスタッフでも寿司を握ることができる。ただし、事業部長の厳しい審査が必要だ。

4.タイムサービス(16時〜19時)でアルコール半額
 や台ずしでは開店〜19時迄、アルコール半額のタイムサービスを実施している。
や台ずし全体の土日祝でも半額のため、ファミリー客や高齢のお客様も多く、この時間帯の売上は全体の4割を占めている。18時までタイムサービスを行う居酒屋はあっても、19時までとなると決して多くはない。しかし、実は19時までの効果が大きい。

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店舗運営で気をつけていること

 店舗運営上で気をつけていることを照屋店長に伺った。「接客態度とお見送りの姿勢です」とのこと。
 接客態度としては、どんなに忙しくても笑顔と元気な声出しを徹底することが重要。お客様に声をかけられた時にそっけない態度をとるのは絶対にNGだとスタッフに指導している。
 お見送りは、ドアを開けて「またのご来店をお待ちしております」と丁寧に挨拶することを徹底。「あたりまえや≠当り前に」である。
 スタッフの教育はベテランスタッフに任せている。ただ、店長はその様子を常に見ていて、不備があればすぐに正すようにしている。
 また、や台ずしには「チンチロリンオールスターズ」というユニークな販売促進のスタイルがある。お客様にサイコロを2個同時に振っていただき、ゾロ目が出たらドリンク一杯無料、偶数が出たら半額、奇数だとメガサイズ(2杯分に相当)になる。お客様とスタッフみんなで「サイコロ振って盛り上がろう!」と楽しむ、景気のいいチンチロリンオールスターズである。

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スタッフのレベルは「7:2:1」

 照屋店長は毎日、丁寧な言葉遣いでスタッフとのコミュニケーションを行っている。スタッフ一人ひとりを尊重し、店長自身は聞き役に徹しているそうだ。だからいつもスタッフのほうから「店長、ちょっと聞いてくださいよ」と話しかけてくる。  コミュニケーションにおいて、「聞く」と「話す」の好ましい比率は8:2と言われる。聞くことが大切であり、照屋店長はそれを実践しているのだ。
 照屋店長のスタッフに対する「ほめる」と「叱る」のバランスは「7:3」。叱る時はくどくど言わず簡潔に叱る。
 ほめるのは、以前と比べて成長した時が多い。「よく気付けたね」「元気で愛想の良い声が素晴らしかったよ」と具体的な内容についてほめ、ねぎらいの言葉をかけている。
 ただほめるのでなく、スタッフの過去に対し、より向上した「今」の状態をほめる。するとスタッフは、将来に向けて今よりも成長した将来をイメージするようになる。それによってスタッフ自身の意識も行動も変わっていくのだ。
 人材の構成比率を表す「2:6:2の法則」(優秀2、普通6、不振2)について、大曽根駅西口町の比率を照屋店長に尋ねた。答えは「7:2:1」だ。優秀なスタッフが7割という見事な数字を答えた実力店長は、これまで決して多くない。素晴らしいスタッフたちである。

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 照屋店長の次の目標は、名古屋地区25店舗のエリアマネジャーになること。その日は近いと思います。ガンバレ、照屋サブエリアマネージャー!