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月商1500万円、好調の3要因 |
BONTEMPSは、韓国の伝統的なお菓子を元にしたねじり揚げドーナツの専門店で、韓国で大ブレイク中だ。
アメリカ村本店は1階がテイクアウト販売、2階がカフェスペースとなっている。客単価はイートインが1100円、テイクアウトは3000円に上る。
売上好調の要因は以下の通り。
1.日本初上陸のドーナツショップ
現在、第3次ドーナツブームと言われている。目の前で揚げる工程が見られた1次、コンビニで本格的なドーナツとコーヒーを楽しめた2次を経て、新食感のドーナツをカフェやレストランでも味わえるようになったことが新たなブームの引き金となった。その波に乗って、BONTEMPSも人気を博している。
看板商品は、@ピスタチオクリーム480円、Aティラミスクリーム480円、Bオレオチョコレート430円、Cソルテッドキャラメル480円だ。ドーナツの種類は多く、新メニューも続々と開発中。ボリューミーなサイズだから、イートインではフォークとナイフで食べる。また当日生産・当日廃棄と、鮮度にもこだわっている。
2.SNS映えするドーナツ
この店は女性客が8割以上。「華やかなトッピングがSNS映えするからでしょう」と松永店長。人気K−POPアイドルのイベントで配られたスイーツとして、上陸前からファンの間では有名だったという。韓流好きの女子が、アイドルの写真と一緒にドーナツを撮って拡散しているのだ。
また韓国のデザイナーとコラボ製作したオリジナルパッケージ(テイクアウトボックス)も可愛い。「カラフルなドーナツの詰まった素敵なお土産として喜んでもらえます」とのことだ。
3.親しみのある接客でフルサービス
松永店長の店長方針は、笑顔いっぱいで親しみのある接客だ。「BONTEMPSはセルフサービスではなくフルサービスなので、商品提供も片付けもスタッフが行います。だからこそ、全スタッフがフレンドリーな接客を心がけ、心地よい空間づくりに努めなくては」と、松永店長は語る。
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アルバイト応募に480人! |
今回の店長のお話の中で私が最も驚いたのは、オープン前のアルバイト募集に応募してきた人が480人もいたこと。さすが、話題のドーナツカフェ日本1号店ならではだ。このうち200人と面談し、30人を採用した。飲食店の人手不足が叫ばれる時代にあって、実にうらやましい限りである。
採用のポイントは以下の3点。
1 第一印象(笑顔、爽やかさ、素頭の良さ)
2 飲食店・サービス業での仕事経験者
3 シフト状況(平日と土日のバランスを図るため)
ホールスタッフにもドーナツの製造作業を覚えてもらうという。「そうすれば商品知識が増えてお客様にしっかり説明できるし、キッチンの補助作業もできるようになります。店全体として、より安定した運営が望めるからです」というのが、松永店長の考えだ。
また今後のFC展開に向けた、ドーナツ製造マニュアルやサービスマニュアルの動画も完成している。
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朝礼の7つのポイント |
松永店長に、店舗運営上で気をつけていることを伺った。
「1つ目は商品へのこだわり。全時間帯に全種類のドーナツが揃っていること、ドーナツの鮮度、美しさ、完成度にこだわっています。2つ目はクリンネスの徹底。特に2階のイートインスペースの床はホワイトで汚れが目立ちやすいので、30分〜1時間に1回は清掃します。髪の毛1本も見逃さないようにしています。そして3つ目は毎日の朝礼。スタッフからの本日の目標の発表や、天気や行事等による売上予測は欠かさず行います。アメリカ村は音楽の街でライブハウスやクラブが多いため、売上予測が重要となります」とのこと。
以下、私からのワンポイントアドバイスとして、朝礼実施の7つのポイントをまとめてみた。
1 店是や経営理念の唱和
2 前日の売上状況と本日の売上目標(予測)
3 連絡事項や新商品について
4 本日のスタッフの目標発表
5 本日の作業割り当てについて
6 頑張っているスタッフのパチパチ表彰
7 その他、質問や意見交換(お客様の声やクレームなど)
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コーチング型店長の「ありがとう」 |
松田店長はスタッフ全員に対し、「ほめる、評価する、感謝する」の連続だという。シフトを上がるスタッフに「ありがとう、今日は目標に対してどうだった?」と常に聞く。その時「あまりうまくできませんでした」との言葉が返ってくると、「それはなぜだと思う?」と尋ねる。するとスタッフは「ピーク前の準備が不足していたからです」と答える。これに対し店長は「では明日から事前準備を万全にね」とアドバイスする。
松田店長のような店長を「コーチング型店長」と言う。スタッフに質問して自分で考えさせ、自主的な行動を促すのだ。
最後に今後の夢を伺った。「テレビや雑誌の取材が多く、プレッシャーもありますが、韓国のオーナーが大切にしてきたBONTEMPSのおいしいドーナツを、今後はFCさんと共に、日本中に広めていきたいと」と語ってくれた。近い将来100店舗も夢ではなさそうな、勢いのあるBONTEMPSだ。
ありがとう、将来の松永営業本部長!
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