かに地獄の客単価は8000円。新橋という立地から平日の客層はビジネスマン中心で、週末は平日に満足したビジネスマンが家族を連れて来店することが多い。
村田店長の店長方針は「蟹で満腹もう地獄という店舗コンセプトのもと最高に満足していただく2時間にしよう」。かに三昧・かにづくしの各コース料理は、それぞれカニを存分に味わえる至福の2時間となっている。
1.SNS(インスタグラム)の発信 村田店長は料理の画像をSNSにたくさん上げている。それが有名なインフルエンサーの目に留まり、あるときその人によって多くの動画が撮られ、発信された。それが100万回も再生される結果となり、店の認知度が一気に向上したという。
2.カニを選ぶ・カニを剥(む)く・カニの競(せ)り
かに地獄では、お客様自ら店頭でカニを選べるだけでなく、焼くか茹でるか好きな調理法も選べる。村田店長の異動後からは、お客様の目の前でカニを剥くサービスを徹底化。これが口コミで広まり、お客様が増えた。
また週末(金・土・日)にはカニの競りを実施している。店内を暗くし、店長がビールケースに登って鐘をカランカランと鳴らし、「当店名物、カニの競りを始めます!」と叫ぶや、1万円前後のその日イチオシの蟹の競りが100円からスタートするのだ。店内は非常に盛り上がり、かなりの高値がつくこともある。
選ぶ、剥く、競るというパフォーマンスが、口コミ効果を増大させている。
3.外国人スタッフの教育
まだコロナ禍の只中にあった2021年、東京都が4人までの会食許可を出した途端に店が急に混み出した。それまで300万〜400万円に留まっていた売上が11月には600万円になり、12月には1400万円になった。人材が揃わず、オペレーションは混乱を極めた。スタッフは外国人ばかり(うち8割がミャンマー人)で、忙しすぎて辞めてしまう人も少なくなかった。失敗と改善の連続で大変な日々ではあったが、「その時の経験が現在に生きています」と店長は言う。
アルバイトリーダーを3人育成した。毎月の目標をホワイトボードに記入し、教育用のチェックシートも作成。「このような店にしたい」という理想のイメージを思い描き、入店から退店までのストーリーを打ち立て、それに基づいて教育したのだ。
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