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売上好調の要因(坪売上66万円) |
荒井店長の店長方針は「段取り8部・仕事2部」。しっかり準備をした上で、お客様をお迎えするのだ。店長の仕事は準備業なのである。
しんぱち食堂吉祥寺店が快進撃を続ける要因は、次の通り。
1.炭火焼干物食堂という新業態
まずは、しんぱち食堂そのもののブランド力(店のコンセプト、商品そのものの魅力)をフルに打ち出していること。看板メニューは@さば文化干し定食950円、ほっけ定食(半身)810円、Bサーモンハラス干し定食950円。この3品で商品構成のシェア40%を占める。また生ビール165円、ネギトロ99円など、驚きの価格の商品もある。
2.客席回転率20回転
取材のため午後2時30分に伺ったが、この時間でも満席なのには驚いた。
干物は独自に開発した炭火焼き機により上下ダブルで焼く。通常の炭火焼の約半分の時間(3分〜5分)で中までしっかり焼き上げて、ジューシーなおいしさを早く提供できるので、客席回転率は20回以上となる。またオープンキッチンでカウンター席のため、常時3人でオペレーションできることから、生産性も高い。
3.チームワーク&クレンリネス強化
吉祥寺店のスタッフ構成は正社員5人とアルバイト2人で、正社員のうち4人は外国人(ベトナム人)だ。このためコミュニケーションを十分にとりつつ、目標売上や原価、人件費などのマネジメントも共有化して、チームワークを武器に運営している。
また、荒井店長はどこかが汚れていると全てが崩れていくと考えており、割れ窓理論をもとにクレンリネスの強化を図って、まずは店長が率先垂範して店を磨き上げている。
(※割れ窓理論とは、1枚の割られた窓ガラスを放置していると、注意が行き届いていないとのサインになり、割られる窓ガラスがさらに増えて荒廃するという理論。ディズニーランドにゴミが全く落ちていないのは、この理論が逆説的に活用されているからだ)
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店長のちょっと嬉しい§b |
吉祥寺店は常連客の多い店だ。商店街に立地し、週に1〜2回来店するお客様も多い。常連客の好きなメニューは覚えているし、ちょっとした会話をすることも多い。そのせいか多くのお客様から「おいしい干物をありがとう」「気持ちよく食事をさせていただいてありがとう」と言われるし、「皆さんで食べてね」とお土産をいただくこともしばしばだ。こういったお客様とのやり取りは本当に嬉しい。
スタッフの成長にも目を見張る。面接の時点では大丈夫かなとやや不安に感じたアルバイトスタッフたちが、少しずつ仕事を覚えて自信をもって働けるようになり、焼き場(最重要ポジション)まで担当できるようになるのを見るのが何よりも嬉しいと、荒井店長は語る。
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外国人スタッフの育成&コミュニケーション |
荒井店長は、店舗運営において常に次のようなことに気をつけている。
@元気な態度と接客
A商品提供スピード10分以内
Bクレンリネス(些事怠らず凡事徹底)
(小さなことを怠らず、あたり前のことを徹底してやり抜く)
Cお客様にとってもスタッフにとっても居心地の良い店づくり
前述したように、吉祥寺店には複数の外国人スタッフがいる。荒井店長は彼らに対して日頃から元気の出るような明るい言葉で声がけしたり、ベトナム語を少し覚えてオペレーションの際に使ったりしている。彼らから話しかけられやすい雰囲気を作っているのだ。
人手不足の続く近年、サービス業では外国人の雇用が増えている。どのように意思の疎通を図り、仕事のスキルを高めていってもらうか。外国人スタッフの多い店の店長にとって、これは重要な課題だろう。
以下、外国人スタッフの育成とコミュニケーション方法をまとめたので、参考にしていただきたい。
@相手の国の簡単な言葉を覚える(作業に関わる単語など)
A理解しやすい明確な指示を出す
B視覚的なマニュアルを活用する(動画マニュアル)
C定期的に個人面談を行う(不安や悩みを積極的にサポート)
D出身地の観光スポットやお国自慢を聞く
E留学生はひらがなとカタカナがわかるので、それらを用いて教育する
F宗教上制約のある食材に配慮しながら、おいしいまかないを提供する
G誕生日や記念日は、ちょっとしたプレゼントでお祝いする
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ベトナム人社員の中には、「ベトナムに帰ったらしんぱち食堂を開業したい」と夢を語る人も出てきた。楽しみな話である。
荒井店長の今後の目標は、会社のサポートを受け、しんぱち食堂のFCで独立することだ。がんばれ、未来の荒井オーナー!
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