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お客様のご要望にお応えします

 私が取材のため同店に到着したのは午後2時過ぎだが、その時点でもまだウェーティングがあるほどの繁盛ぶりで、笑顔&元気いっぱいのスタッフがイキイキと楽しそうに働いている姿が目に飛び込んで来た。
 とんかつが美味しいのはもちろんだが、キャベツやご飯、お新香がお替わり自由なのもうれしい。しかもご飯は白いご飯の他に季節のご飯も用意されている。ちなみにこの日はホタテご飯だった。さらに味噌汁もチョイス可能。とん汁の他、しじみやなめこなど旬の素材を使った季節の味噌汁が選べるのだ。
 とんかつ以外にも、旬のメニューが充実している。ブリかつ(寒ブリ)をはじめ、カキフライや秋鮭、アジなど、魚介のフライも好評。
 テーブルには「お客様のご要望にお応えします」と書かれたPOPがあり、お客様からの次のような個別の要望にもきめ細かく応えます、と記されている。
●とんかつを細かくカット
●もっとよく揚げる
●アレルギーのある食材に配慮
●脂身の量を加減する
●赤ちゃんのミルク用の湯を用意
 このような、さまざまな要望に対するフレキシブルな対応も、人気の秘密の一端だろう。
 ところでとんQは厚切り肉で有名だが、たとえ極厚3センチ(240g)であっても、衣が薄いのでさっぱりと食べることができ、肉の旨味を堪能できるそうだ。

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スタッフが一番のブランド!

 売上前年比は100%を超え、MSR評価もトップクラスの水戸千波店。「チームがまとまっている」と、本部の評価も高い。
 店長方針は「スタッフが一番のブランド」。大切なP/Aたちが、いつもキラキラ輝いている店でありたい、という想いが込められている。
 実際、この店には気の利くスタッフが多い。キャベツやご飯やお茶のお替わりは積極的に声がけしている。お子様のお茶には熱くなりすぎないように少し氷を入れるといった配慮も怠らない。ベテランパートは、常連客の好み(好きなメニューやお替わりの量など)を覚えていて、フレンドリーに会話する。また、お客様の誕生日や記念日であることがわかれば、手書きのメッセージカードを渡す。これらはすべて、スタッフが自ら考えて行動しているのだ。
 この店のスタッフは皆、お客様に呼ばれると悔しい気持ちになる。呼ばれる前に気づいて駆けつけなければ、本当のサービスではないと考えているからだ。
 水戸千波店はP/Aの定着率も抜群である。10〜15年勤続のベテランパートもいるし、学生アルバイトも卒業等で年に2〜3人辞める程度。つまり、年に2〜3人補充すればいいのだ。(すばらしい!) 1人あたりの平均在籍期間は2年以上。オペレーションは常に安定している。
 とんQでは、名札の色でランクを明確にしている。白(新人)、緑(初心者)、黄(標準)、青(安心)、オレンジ(感動)、赤(プロ)の6段階で、ランクアップと同時に時給もアップしていく。水戸千波店には現在、赤が2名いる。
 “従業員満足”について大貫店長が最も気を配っているのは、「ほめることと、店長がいつも笑顔でいること」だという。彼にはP/Aの良いところばかりが見えてくるそうだ。EQの高い実力店長ならではの発言といえる。「長所伸長法」という言葉がある。得意分野を伸ばすことでより高い成果を出す手法のことだが、大貫店長はそれが身に付いているようだ。

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チームワークのための6つのポイント(重要!)

 大貫店長は、スタッフのチームワークを向上させるために、日々次のことを実行している。
1.笑顔の挨拶
店長のほうから笑顔で挨拶するのが大切。出勤時や退店時、一人ひとりにきちんと一声かける。
2.サンキューレター
毎月の給料日に支給される社員割引券の裏に、「いつもありがとう」というメッセージを記入。例えばベテランパートには「忙しい時にみんなに気を配り、声がけしてくれてありがとう。私自身も勉強になります」というように、その人ならではの素晴らしい言動に対し、感謝の気持ちを述べるようにしている。
3.ありがとうスタンプ
出勤時にありがとうスタンプを1個押し、スタンプがたまると、とんQの千円割引券がもらえるシステムがある。また、次の場合にはスタンプを複数押すことができる(ボーナスポイント)。
(1) 欠員が出た時に出勤した
(2) スケジュールの組立が困難な時にシフトに入った
(3) お出迎えやお見送りが元気よく感じよくできた
(4) おすすめ商品をサジェストし、販売できた
(5) お客様からおほめの言葉をいただいた
(6) 店舗問題点の改善提案をした
4.「クレド」行動の徹底
とんQのクレドカードに掲載された「行動」の項目を徹底させるため、朝礼などで読み合わせや話し合いを行う。「満面の笑みによるアイコンタクトとプラス一言」や「レジでの深々とした挨拶のお見送り」など。
5.全体ミーティング
月1回、全体ミーティングを実施。店長から最近の問題点を提示したり、それをもとにP/Aが自発的にディスカッションしたりする。例えば「入口での気付きが弱い」という問題が出た場合、「全員入口に集中しよう」「キッチンスタッフも挨拶しよう」といった意見が出され、実行に移されるのだ。
6.月1回、全員と個人面談
コミュニケーションを密にするため、毎月全員との個人面談を実施。楽しく働いているかどうかがポイントだ。困ったことについてはじっくり話し合う。
 チームワークを良くするためのこのような仕組みを、皆さんもぜひ参考にしてほしい。
 またとんQには、販売促進ツールとしてスタンプカードがある。3回で200円の割引券をプレゼント。(3回固定の法則)そしてブロンズカードからゴールドカードへ変わる。
このようにして顧客を着実に増やし、常連客に向けてニューズレターを発送していこうと大貫店長は考えている。

 最後に、最近嬉しかったことを尋ねると、今回の実力店長の取材、そしてアルバイト学生の入社が決まったことだと、笑顔で答えてくれた。誠実で部下思いの、EQの高い店長だと実感。
 水戸にとんQあり。ありがとう、大貫店長! これからも最高の店をつくり続けてください。