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自主的な改善活動で、売上3年連続アップ

 大和桜ヶ丘店はMSRでは常に180点以上で、先月は200点満点を獲得。糸井店長の赴任以来、売上も3年連続で103〜105%と向上中だ。私は、様々な販促活動によって1年間で売上を120%伸ばす店長よりも、顧客の感動や満足度を上げることで毎年103〜105%伸ばし続ける店長こそが、実力店長の名にふさわしいと思っている。糸井店長はまさにその典型だ。
 糸井店長は「人が店を作っていくこと」が大切だと考えている。「地域のお客様に必要とされる楽しい店を作るために、キャストが中心になって仕組みを考えていく店にしていきたいですね」と語る。
 この店の顧客感動サービスのポイントは、以下の4つだ。
1.インストラクターのミーティングで改善活動実施
 毎月全店のインストラクター(キャストのリーダー)が集まり、オペレーションの問題点、キャ ンペーンの具体的手法、P/A教育などについて話し合い、改善活動を行う。例えば毎月のコンテスト企画。生ビールコンテストや季節のピザコンテスト、ケーキの推奨販売などを企画し、お客様との会話の方法までみんなで考える。主体はインストラクターで、糸井店長はあくまでもオブザーバー的存在だ。キャスト自ら考えて実行するので、がぜんやる気と実践力が増す。
 また大和桜ヶ丘店ではベテラン・中堅・新人をバランス良く分けて5〜6人ずつのチームを3つ程度作り、チームでの様々な競争を実施している。シフトアウト後もチーム単位で自主的に白熱した議論を展開するなど、やる気満々だ。糸井店長もその場に加わりアドバイスしている。
 この店では「ありがとうコンテスト」も実施。お客様が何回感謝の言葉を述べたかをカウントしてポスターに記入し、事務所に掲示。キッチンのメンバーもこれを励みにしている。このような効果的な取り組みは、他店舗にもすぐに取り入れられる。
2.オープンサポートファイルで情報の共有化
 全店のMSR結果と改善プラン、各店のイベントへの取り組み状況やコンテストの進捗状況、新メニューの商品知識、インストラクターのミーティング内容、教育的参考資料などを毎月1冊のファイルにして全店に配布し、全員が読んでチェック。情報の共有化に大いに役立っている。
3.キャストの誕生日も勉強会
 毎月P/Aの誕生会として食事会を実施。新メニューの紹介なども兼ねていて、全員で味について話し合ったり改善点を議論したりする。ピザショーやクレンリネス、オペレーションのことにまで話題が及ぶことも。食事しながら気軽に本音で話せる場なのだ。このような場で素直に自分の感想を話すことにより、お客様の前でも自分の言葉で自然な説明ができるようになると、糸井店長は語る。誕生会も楽しい学びの場なのだ。
4.メニューチャレンジ
 メニューチャレンジとは、メニューのスタンダードを維持するための品質アップ審査のこと。一人の作業をキッチンスタッフ全員がチェックする。ピザ・グラタン・パスタ・パエリアと、メニューを変えてチェックしていく。月1回チェックリストに基づいて見直すことで、新たな技術の向上につながっている。

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4つのイベントで売上向上

 糸井店長は「売上が伸びているのは、QSCの徹底による店舗オペレーションの向上を基本に、楽しいイベントを次々と実施しているからでしょう」と語る。ヒッコリーは、ディズニーランドが日本でオープンする前からお店を“ステージ”、アルバイトを“キャスト”と呼んできた。お客様を喜ばせるエンターテイメントのツボを心得ているのだ。そんな素敵なイベントを紹介しよう。
1.ピザショー
「舞台のようなお店を」という趣旨で、毎週末にピザショーを開催。ピザ職人が音楽に合わせて客席のそばでピザ生地を延ばす妙技を披露する。迫力満点のパフォーマンスで、職人のワザのアップも狙いとしている。
2.パーティー企画
1人2500〜3000円のコースメニューを、通常メニューより2割お得にしたプランで、前菜からデザートまで楽しめる。季節にふさわしいバースデーケーキや苦手な食材への配慮など、きめ細かく対応。誕生日や記念日のパーティーに大好評で、毎月着実に増え続けている。
3.子どもピザ教室
本格的なピザ作りが体験できるとあって大人気。好きな具材をトッピングし、世界で1枚だけのオリジナルピザを作ることができる。参加者全員に「ちびっこピザ職人」の認定証をプレゼント。思い出に残るイベントだ。月2回アイドルタイムに実施、夏休みは毎週開催。
4.ジャズコンサート
黒人ギタリストを含むジャズカルテットのライブを、毎月末の金曜日に開催。チャージはなく、コンサート用コースメニューを設定。ジャズファンや地域のお客様に好評で、客単価アップと新メニュー紹介に貢献している。

 また、大和桜ヶ丘店は結婚式の披露宴としても利用され、心を込めた料理とサービスで満足をいただいている。後々まで糸井店長と手紙のやりとりや季節の便り等を交わすお客様もいる。日々のイベントが結ぶ、素敵なご縁だ。

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世界ピザ職人選手権に参加!

 ヒッコリーのピザ職人たちは、イタリアで開催される世界規模の「世界ピザ職人選手権」に毎年出場している。優勝も含め、毎年入賞を果たしている強豪チームだ。メンバーは正社員ではなくキャストが中心!ハードな練習を重ねて社内コンテストで選抜された人たちだけがイタリアへ行ける。家で5時間も練習したキャストもいるそうだ。モチベーションは非常に高まる。週末のピザショーは、日頃からのワザを披露し、ますます技術を高める機会でもあるのだ。

 糸井店長は最後に「ヒッコリーは人を大切にする会社です。親子や兄弟で働いているキャストもいる、あったかい企業なんです。アルバイトが自由にいろいろなことを提案し、実行していけるお店でもあります。100人以上のお客様を覚えていて、ディナー客の半数はその人の顔見知り、なんていう頼もしいインストラクターもいたりします。もちろん、アルバイトから正社員への登用もあり。これからも、より自由にやりたいことができる環境を作っていきたいですね」と語ってくれた。
 地域になくてはならない店を、これからも作り続けてください。糸井店長、ありがとう!