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くふ楽グループの教育体制

  くふ楽グループの企業理念は「お客様と共に感動をわかちあおう。与えられるのではなく、自分自身で考え率先して行動しよう。夢、目標に向かって全力で努力しよう」だ。一人ひとりが主体的に考えて行動することが、理念の基盤となっている。
 同グループでは、全店 (17店舗)体制で次のようなイベントを実施している。
 4月に入社式と創業祭典。7月に300人以上が参加する全店対抗の運動会(ドッジボールや大縄とびなどで盛り上がり、終了後はバーベキューで懇親会)。7月は新入社員の富士山登頂もある。究極のピンチを乗り越え、達成感を味わうのだ。
 11月にはチャレンジシップアワーズ成果発表会で選ばれた4店舗の中からNO.1くふ楽が決定される。そして3月はアルバイトのための卒業式。「教室」(各店舗)から卒業する仲間を、涙と笑いとサプライズで見送る。
 その他、モチベーションを高める朝礼、TOPランチ(社長と社員、一対一のランチ)、指針マップ(クレド)、コーチング(夢・目標の実現をサポート)、誕生日会、MVP制度、立候補制によるプロジェクト参加など、多彩な仕組みが用意されている。
 教育システムは次の通り。
1.新入社員研修(4〜6月)/理念の共有&心と体の筋トレ期間
2.アルバイト教育/C・B・Aランクメンバーの本部研修。
3.店長会議/1〜3部リーグ制によるレビュー制度。
4.全社員会議/社員全員参加による教育と、MVP表彰。
 参考にしたい仕組みが充実しているくふ楽グループだが、今月はその中でも特に頑張っている人物が登場。2009年度年間社員MVPに輝いた、福みみ銀座五丁目店の大森啓輔店長だ。

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店舗実績トップクラスの理由

 福みみ銀座五丁目店は、くふ楽グループの中でも売上(前年比102%)・店舗運営力ともにトップクラスの店だ。「毎日のおすすめMVP」は、連続してNO.1を受賞している。
 大森店長は学生時代にくふ楽でアルバイトをしていた。常連のお客様に誕生日プレゼントのサプライズサービスをしたところ、たいへん喜ばれたのをきっかけに、飲食店の魅力に取りつかれたという。人と人との関わり合いやくふ楽の社風・企業文化に魅了され、入社した。
 店長方針は「かかわる人すべてが笑顔」。P/Aもお客様も取引先もみんな笑顔で楽しく、という意味だ。好調な店舗実績の要因は「店の空気感、雰囲気」と大森店長。「従業員の満足を第一に考えて店の雰囲気づくりをすることで、よりよいサービスにつながっているんだと思います」…すばらしい! 店長の愛情一つでスタッフは生き生きと楽しく働けるようになり、お店をもっと好きになって、店の雰囲気がどんどんよくなるのだ。
 取材に同席された胡内グループ長は、「当たり前のことができていない店の多い中で、銀座五丁目店は料理の完成度、笑顔でのサービス、店のきれいさなど、当たり前のことを徹底しているから強い。だから好調なのでしょう」と語った。

アルバイトのプロジェクトチーム

 この店の大きな強みは、アルバイトを中心とするプロジェクトチームが稼働していることにある。現在、4つのプロジェクトが進行中だ。
 Q班:おすすめ商品の決定やメニュー作成。S班:サービス向上のための目標決定(笑顔、活気、挨拶など、ディスカッションして決定)。C班:清掃の徹底(空調のフィルターやイスの足、配管など、細部まで徹底)。最近ではトイレの壁紙まで貼り替えるまでに! SP班:POPの改善やぐるなびのデザイン、入口置看板まで作成(写真)。
 これらをすべてアルバイトが中心となって実行するのだからすばらしい。アルバイトは全員いずれかのチームに入って活動している。店長は進捗状況をチェックするだけだ。くふ楽グループの経営理念が一人ひとりに浸透し、実践されているのだ。
 「1:1.6:1.6の二乗の法則」という、活性化の原則がある。
●上司から命令され、いやいややった時の効率=1
●命令に対し、納得してやった時の効率=1.6
●自分で計画に参加し率先してやった時の効率=1.6の二乗(2.56倍)
 人の強みを引き出し、伸ばし、活躍してもらうやり方を、大森店長は実によくわかっている。
★才能を磨く3つのポイント
1.大好きであること
2.継続すること
3.高きを求めること
これをP/Aに意識させるだけでなく店長自ら常に意識しよう。

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コンテスト実績は店長の実力

 大森店長は次のようなことも店舗で実践している。
1.引き継ぎノートとお客様の声ノート
引き継ぎノートには、プロジェクトチームの進捗状況やコンテスト状況、店舗改善報告などを記入。お客様の声ノートには、お客様がふとつぶやいた本音やちょっとした一言などを記入する。良い情報も悪い情報も全員で共有し、改善していくのだ。
2.全員との面接
毎日P/A全員と3分以上会話することを心がけているほか、月1回、全員に対し、1人30分〜1時間の面接も実施している。ランクアップ制度の現在のレベルの話から、個人的な相談まで、じっくり話をする。
3.QSCの徹底
Q:盛りつけの完成度、器の適切な温度、串の焼き具合などを厳しくチェックし、よくない場合はやり直しを指示。価格以上の商品しか出さない姿勢を貫く。
S:お客様に呼ばれるまでニーズに気づかないのはダメ。いち早く気づいてこちらから声がけすることを徹底。
C:細部にこだわり、小清掃をこまめに行う。トイレチェックは20分に1度。
4.おすすめ商品コンテスト
福みみ銀座五丁目店は、おすすめMVP受賞では社内トップクラス。コンテスト実績を積み重ねている店は、店長の実力が高い店だと私は考えている。この店ではセールストークを徹底させており、おすすめの成功率は80%に上るという。たとえば毎月来店するお客様には「今月しか召し上がれない料理ですよ」と特別感をPRするなど、お客様の関心を引くトークが光る。

 店舗のプロジェクトチームについて前述したが、大森店長自身も社内プロジェクトで活躍中。現在「メニュー開発チーム」「居酒屋日本一プロジェクト」「卒業式プロジェクト」「MSCメンバーサミット」(アルバイトの成功事例を各店舗がモデリングする勉強会)に参加している。
 実に多くのプロジェクトが稼働しているくふ楽グループだ。

 大森店長に近ごろ最もうれしかったことをお聞きしたところ、「常連のお客様同士がお店で出会い、めでたくカップルに。その結婚式に招待されて、乾杯の音頭をとらせていただくことになりました」とのこと。(飲食店の店長冥利に尽きますね!)
 自立型アルバイトを育てているこのすばらしい店長の夢は、くふ楽グループをより大きな会社にすること。優れた人財を輩出する大企業になると思いますよ、大森店長! がんばって!