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スタッフのやる気を引き出す言葉

 高尾店長のP/A採用基準は、「はっきりとした大きな声」と「サービスが好き」の2点。ランクアップはトレーニー・レギュラーB・レギュラーA・トレーナーの4段階。トレーナーは、時間帯責任者として店を任せることのできるレベルだ。
 高尾店長は、新人店長時代はP/Aを叱ってばかりいたという(叱る7:ほめる3)。現在はその比率が全く逆になっている。その結果、チームワークや店の空気感はグンとよくなったそうだ。叱るのは気が緩んだりスキルが後退した時、ほめるのは自主性を発揮できた時やスキルが進歩した時と、明確である。
 高尾店長は、一人のP/Aの例を話してくれた。アルバイトは初めてという高校1年生のA君は、働く意識が低くて作業も遅かった。叱ってばかりいたため、A君はすっかりへこんでしまった。これではいけないと考え、彼の長所を見つけてできる限りほめることにしたのだ。
 よく観察していると、A君は態度が素直で、体調が悪くてもお店を休まないなど、それなりに責任感も強いことがわかった。そこで「君がいると助かるよ」「よく頑張ったね」というように、折にふれ心を込めてほめるようにした。するとA君はみるみるやる気を出して、どんどん変わっていったのだ。積極的に多くのシフトに入り、やがて新人の指導ができるまでになった。現在はサラリーマンになった彼だが、今でも忙しい週末には店を手伝ってくれるそうだ。
 高尾店長の教育方針は、山本五十六の言葉「やってみせ、言って聞かせ、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」だという。素晴らしい!
 店長の言葉はP/Aにとって、大海を航海する時の羅針盤のようなもの。その一言でやる気や店の雰囲気まで変えてしまうほどの強い影響力を持つ。次のような言葉をうまく活用し、P/Aのモチベーションを上げよう。
■やる気を引き出す言葉
01)君のおかげで助かったよ
02)いつも一生懸命だね
03)よく頑張ったね、ありがとう
04)ずいぶん早くできるようになったね
05)さすが○○君、すごいね!
06)君は 〜 にかけては天下一品だ
07)そのアイデア、最高!
08)元気でいい声だ
09)君に任せておけば安心だ
10)いつもさわやかで華があるね

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シニア・アルバイトの強み

 豊橋牟呂店には60代の女性アルバイトがいる。土・日のピークにキッチンで働いてもらい、とても助かっているという。
 最近、ファーストフードなどでも元気に活躍するシニア・アルバイトをよく見かけるようになった。ある大手ファーストフードは、シニアを採用することで客層が広がったと発表しており、シニア・アルバイトの存在価値の高さを認めている。シニア層は地域内に知人が多く、地域行事などにも詳しいためだ。
(日経MJより)
 「60代はまだまだ若く、キッチンでの動きもすみやかで、みんなのお手本になりますと高尾店長。シニア世代は人生経験が豊富で、若い学生や主婦層のアルバイトから頼りにされ、親しまれて、家族的な雰囲気を作り出してくれるのだ。この店のように、シニアの強みを生かした店舗運営にぜひ挑戦したいものだ。

かつ丼1杯も、こだわりの作品

 高尾店長はキッチンで、ランチタイムのスピーディーな「3分提供」と、「かつ丼の完成度の高さ」にとことんこだわって指導をしている。「私たちが1日何百個ものかつ丼を作ったとしても、一人のお客様にとっては大切な一品であることを忘れるな!」というのが、店長の口癖だ。かつ丼1杯も、かけがえのない作品なのだ。
 この指導が浸透し、かつ丼の完成度に不満があれば、ホール担当者はキッチン担当者に対して堂々とダメ出しをする。「これではお客様にお出しできません。作り直してください」と。
 またホールでは、決してお客様に「すみません」などと呼ばれないサービスを目指している。オーダーやお茶・水のお替わりをお客様から要求されるのは、苦情と同じだと考えるからだ。
 運営全般に対するP/A全員の意識も高い。「大ピークだったが上手に回せた」「比較的暇だったのに提供時間が遅れた」「オペレーションがバタついた」というように、常に問題点を話し合い、反省・改善している。

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店長の3つの信頼

 店のマネジメントとして高尾店長が掲げているのが、「店長の3つの信頼」である。
1.P/Aさんからの、店長に対する信頼
2.お客様からの信頼
3.会社からの信頼
 店長がP/Aから信頼されていれば、P/Aのやる気が高まり、QSCオペレーションレベルが上がり、お客様からの信頼度が向上し、売上が上がり、会社からの信頼が厚くなる。これらはすべてつながっているのだ。「従業員満足→顧客満足→ビジネス満足」という言葉に置き換えてもよい。ここで大事なのは、まずは店長がP/Aから信頼される行動をとれ、ということだ。

 最近うれしいと思ったことを伺った。テイクアウトのお客様から、箸の入れ忘れに対するクレームの電話が入ったため、10キロ離れたお客様の家まですぐにお届けしたところ、とても驚き、喜んでいただけたのだ。お客様としては、ちょっと注意してほしかっただけなのだそうだ。それ以来このお客様は、常連になってくれたという。
 将来の夢は、かつさとのFC店長を育てるポジションに就き、100店舗のナショナルチェーンへと成長するために尽力すること。夢は叶うと思うよ。高尾店長、素敵な話をありがとう!