浜木綿には二つの想いが貫かれた企業方針 がある。一つは「癒食同源」。人はおいしい もの、身体によいもの、そして楽しい場所に 癒される。身体を源から癒す食事と空間をお 届けしたいという想いだ。今田グランドマネ ージャーにその具体的な内容をお聞きした。

1.外食で不足しがちな野菜をたっぷり提供。
2.全メニューにアレルギー5品目を表示。
3.契約農家による旬のこだわり食材を多用。
4.多品目で構成されたバランスランチで、
  ビタミンやミネラル摂取をサポート。
5.カロリー1/2・コレステロールゼロのマ
  ヨネーズとノンオイルドレッシング使用。
6.温かいヘルシー中国茶でお迎え。

身体にやさしくて消費者にうれしい、健康志向のキーワードが並ぶ。
 もう一つは「四世同堂」。四世代の家族が一同に集まって豊かな食の時間を過ごしていただきたいという想いを表し、どの世代の人からも愛される店を目指している。「山手通本店は40年営業しており、常連客が8〜9割を占めます。学生時代からずっと20年、30年の長きにわたってご利用いただき、お子さんやお孫さん連れで来店されるお客様も 多いんです」と今田店長は言う。



正月は日商355万円の大記録を樹立!

 山手通本店は月商2500万円の繁盛店だ。最も忙しいのは、忘年会でにぎわう年末ではなく、正月の2日だという。 八事霊園に近いこともあって、普段は家や職場に近い浜木綿を利用しているが、年1回の正月の会食はこの山手通本店で、というお客様が多く、3世代、4世代にまたがる大家族で訪れる人もいる。
つまりこの日の競争相手は他社のお店で はなく、他の浜木綿なのだ。

 今年の正月2日は1350人のお客様が来店し、日商355万円を記録した(ちなみにこの日の他店の平均的日商は200万円程度)。 正月は休みたい従業員もいるはずだが、社 員もP/Aもフル動員で頑張ってくれた。朝早くから出勤し、仕込み、前準備、予約のハンドリング、客席回転率のマップ作り等々、 みんなで協力し合って万全の態勢で臨んだ。350万円を突破した瞬間は、涙が出そうになるほど感激したそうだ。このことが従業員全員の自信につながり、集中力にますます磨きがかかるようになった。今田店長は「これも大先輩である前店長のおかげ。過去の実績があってこその結果です」と、感謝の気持ち を込めて語る。
 
 そんな今田店長にとって一番の営業活動は、店内販促だという。目の前にいらっしゃるお 客様に最高の満足を感じていただくことが、最も効果的な営業なのだ。リピーターの名前や好みを覚え、声がけを して、常連さんとして認識している姿勢を示すのも大切なこと。お客様がいつも座る席を把握していて、「お帰りなさい」という気持ちでお迎えしている。300人の常連客を掌握しているという今田店長。すばらしい!



商品説明とは、料理への熱い想いを伝えること

 P/Aの採用基準は「ファン(お客様)がつ いてくれそうな人かどうか」だという。ファ ンがつくほど魅力があって、人柄のよさが出ていることが大切なのだ。山手通本店の場合、 店格の高さも手伝ってか、そもそも応募者のレベルが高いそうだ。 教育面で重要視しているのは、商品知識とその説明のしかたである。グランドメニュー は年4回変更される(料理開発のコンセプトは「健康・安心・感動」)。店長はその都度食材や調理工程について1日研修を受け、これをもとにP/Aを指導。P/Aを4〜5組の小グループに分けて、2時間ずつしっかりと説明している。

 たとえばフカヒレセットなら「お肌に潤いを与えるコラーゲンがたっぷりです」とか、 中国野菜の金針菜なら「ほうれん草の約30倍の鉄分を含みます」とか、黒酢なら「アミノ酸とクエン酸パワーが疲労回復を助けます」 など、カラダにやさしい効果を説明できるよ うにするのがポイントだ。

 常連客はめったにメニューの冒険をしない。新しいメニューにチャレンジしていただくに は、きちんとした商品説明が必要だ。「新しい料理への熱い想いをお客様に伝えることが とても重要なんです」と今田店長。

 なお浜木綿では、店全体のマネジメン トには調理経験が必要という考えから、店長 はキッチンでの経験を積むことになっている。



サービスの質は店内環境で決まる

 今田店長は「環境のよい職場でスタッフが生き生きと働いていれば、店の雰囲気はますますよくなり、サービスの質もさらに向上する」と考えている。
 店内環境を整えるうえで特に配慮しているのは、スタッフとのコミュニケーションだという。たとえ短時間のスタンドミーティングやちょっとした会話であっても、毎日必ずP/A全員と言葉を交わしている。

 たとえば学生アルバイトには「学校の試験はどうだった?」とか、主婦パートには「子どもさんは元気?」というように、雑談でもいいし、ほんの一言でもいいから、店長から全員に対して直接声がかかることが大事なのだ。「君のことをいつも気にかけているよ」 という店長の気持ちを、はっきりとP/Aに伝えたいものだ。

 今田店長はP/Aとのコミュニケーション を図る際、次の二つのことに留意している。 一つは「聞くこと」。売上の大きい時は、忙しくて肉体的に疲れやすく、不満もたまりやすい。そういう時こそ、話をじっくり聞く姿勢を忘れないこと。話を聞くことで相手との距離が縮まり、親密度や好感度が増して、人間関係が安定する。

 もう一つは「NOと言えること」。話はちゃんと聞くけれど、ダメなことはダメと言う。NOは勇気の要る言葉だが、P/Aの態度に緊張感が感じられない時や、お客様に心が向いていない時は、はっきりNOと言わなければならない。

割引ではなく試食券、これが楽しみ
 浜木綿には、たとえば10%OFFのよう なディスカウントは一切ない。ただし年2回、 試食券付きのDMを会員向けに発送している。 割引よりも試食のほうが楽しみが多いと考え ているからだ。実際、名古屋の女性客の多くはこれを楽しみにしている。今年1回目として、2〜4月の3ヶ月間使用できる試食券が送付された。2月はりんご春巻、3月は桜色のあんまんじゅう、4月は黒胡麻まんじゅう が試食できる。

 毎日のランチから、年に一度、あるいは何年かに1度の特別な非日常の時間まで、さまざまな場面で浜木綿は利用され、着実にファンを増やし続けている。中国料理といえば浜木綿と、日本全国で言われる日が必ず来そう だね、今田店長。

 最後に今田店長の夢を伺った。いずれは浜木綿でスーパーバイザー的な仕事を経験させ てもらい、いつか独立を果たしたいとのこと。山手通本店を立派に切り盛りしている今田店 長なら、きっと遠からず夢がかなうだろう。