画像
店長方針は「ファン・アップビート・チームワーク」

 厳しい外食環境が続いているにも関わらず、フーターズのランチは満席で、ディナーは行列。金曜日は2時間待ちの大行列だ。平日はビジネスマン中心で、土日はファミリーや外国人に大人気。米国のスーパーボウルが生中継された日には朝8時から店をオープンし、日本人のファンが130人も集まって盛り上がったそうだ。(スゴイですね)
 上田マネジャーの店長方針は「ファン(楽しく)、アップビート(陽気に)、チームワーク」。文字通り、仲間と一緒に楽しみながら働くということだ。
 グランドオープン時には何と600人の応募があり、うち70人を採用。アメリカに留学していた学生や英語が堪能な人、ディズニーランドで働いていた人などが「楽しそうだから」という動機で大勢面接にやってきた。(現代っ子ですね!)
 上田マネジャーは面接の際、次の点に留意している。
@明るくアップビートでノリがいい
A積極的で行動力がある
Bユニフォームが似合う
新人教育の手順は次の通り。
@オリエンテーション
ハウスルール、マニュアル、ユニフォーム、各種書類。自宅でも勉強してもらう。
Aクラスルーム
2時間のOFF・J・T教育。トレーナーがマンツーマンで授業。
BOJTとテスト
メニュー、商品知識、テーブル番号、オーダーエントリー、レジ操作、ダンス。
 チアリーダーイメージのダンスはなかなか楽しい。テンポの早い曲に合わせて1分間踊る。店の雰囲気を変えたり盛り上げたりするために行う。たとえば満席で提供時間が遅れ気味の時や、なんとなく間が空いた時などに、ダンスで活気づけるのだ。お客様も手拍子で参加する。

画像
元気を届けるフーターズガール

 「フーターズガールの仕事は、お客様を元気にすること」だと上田マネジャー。私がブログに載せる写真を撮ってもよいかフーターズガールの一人に聞くと、「みんなを呼んできます」と言って4人でポーズをとってくれた。さらに「会社はお近くですか?」「料理はいかがでしたか?」と笑顔でフレンドリーに話しかけてくれる。臨席のカップル客は5分間もフーターズガールと談笑していた。実に雰囲気がよくて、元気な気持ちになれる店だ。
 フーターズガールは1人4テーブル制。できる限り会話を多くするよう指導しているという。ビジネスマンや女性同士のお客様など、対象によってどのように会話するかも常にアドバイスしている。名前を伺ったり、仕事へのエールを送ったり、ダンスを楽しんでくださいと声がけしたり、とにかく積極的に親しく会話をするのだ。「フーターズガールに必要なのは、人や場を元気に盛り上げるパワーです」と上田マネジャーは語る。

画像
米国人のお客様から世界一の評価も!

 アメリカのフーターズをよく利用している米国人男性客から、最近「ここは世界一のフーターズだ!」と称賛されたという。しかも8人ものお客様からだ。(すばらしい!)
 「毎日満員電車にもまれて疲労し、しかも不景気で疲れ切っている日本人に元気をあげたい」と上田マネジャー。スタッフもみんな同じ気持ちだ。就職のため去っていく学生アルバイトの多くは、「ずっとフーターズで楽しく働きたい」と言ってくれる。その言葉がとても嬉しいと、上田マネジャーは言う。
 働きがいがある店だから、スタッフも新しいことを積極的に提案するそうだ。たとえば、クリスマスやバースデーバージョンなどの新しいダンスの振付を考えたり、子ども連れの多い週末向けにお子様メニューを提案する等々。そういう提案ができる自由な店風なのだ。
 お客様との会話が多いからこそ、このようなアイデアが次々と生まれる。常連客が「こんな料理を作って」とレシピ本を持ってくることもある。プレゼントをくださるお客様もいる。お客様との一体感があるフーターズなのだ。

画像
コンテストでモチベーションアップ

 朝礼もアップビートで行う。ユニフォームのチェックや商品知識の確認、前日の客数報告(客数が多いことで励みになる)、おほめの言葉の他、P/Lの話までする。これはロスに対する意識を促すためだ。そして最後はみんなの気持ちを高めるため、ダンスで締めくくる。
 上田マネジャーはスタッフとのコミュニケーションを大切にしている。40人を超えるスタッフ全員に毎日声をかけ、会話し、アドバイスをする。時には体調がすぐれず元気の出ないスタッフもいるが、そんな時は「君が元気におもてなしすれば、お客様は元気になる。お客様の元気な顔を見れば、君もゼッタイに元気な気持ちになる。だから気合いを入れて行こう!」と励ましている。
 スタッフのやる気やチームワークを高めるため、上田マネジャーは次の3つを実践している。
@ドリンクサジェストコンテスト
最近の店内コンテストで成功したのが、ソコライムショットのサジェスト・コンテスト。1位のスタッフは1カ月で600杯販売した。金額にすると500円×600杯=30万円だ。トータルでは6000杯で、300万円を売り上げた。(スゴイ!)1位の人にはディズニーランドのペアチケット、2位と3位の人には釵々苑の食事券をプレゼントした。
A月間フーターズガール賞
毎月、最も成長したスタッフや貢献度の高いスタッフをマネジャーが表彰。名前を彫ったプレートを店内に掲示し、店に貢献したスタッフとして永久に名前を残すシステムである。
Bお客様の名前を覚えるゲーム
常連客の名前を伺って覚え、朝礼で披露して競い合う。毎日5人10人と少しずつ、全員がゲーム感覚で名前のわかるお客様を増やし続けている。

 フーターズのホールの第一線でオペレーションするのはフーターズガール。マネジャーの仕事は、全体を見回しながら彼女たちをバックアップすることだ。
 上田マネジャーの夢はフーターズの全国展開!また、フーターズガールの世界一を競うコンテストに、この店から日本代表を送り出したいという夢もある。
 低価格競争ばかりが目立つ元気のない昨今の飲食業界だが、アップビートで元気な一石を投じるフーターズに期待したい。
 頑張れフーターズ、上田ゼネラルマネジャー!