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売上4年連続伸張、4つの要因

 南陽通店に異動してからまだ2週間(取材時)の弦卷店長だが、それまで勤務していた御器所店で、売上を4年連続で伸ばした(102〜104%)実績を持つ。他にも社内コンテスト(餃子キャンペーンやトッピングおすすめコンテスト)でキャンペーン目標の130〜140%を達成し、1位を獲得してきた強者だ。
 私は、1年だけ売上を2ケタ伸ばすよりも、何年も続けて少しずつ伸ばし続けるほうが素晴らしいと考えるし、容易なことではないとも思っている。弦卷店長がこれを実現させてきた要因をまとめてみよう。
1.チームワークの醸成(4M)
 最大のポイントは、チームワーク。「スポーツの世界ではチーム一丸となって臨みますが、それは店舗でも同じ。店長が先頭に立って導いていくことが大切だと思います」と弦卷店長。組織のあり方とリーダーの役割をよく認識している店長なのだ。
 弦卷店長は、チームワークのキーワードは「4M」だと語る。全員を「まとめて」、前向きな活動に「まき込んで」、みんなの気持ちを「盛り上げて」、一人ひとりの行動や姿勢を「認める」ことが、最も重要だという。これを大切にしているからこそ、コンテスト1位の栄冠に輝くことができるのだ。
2.常連客づくり
 藤一番には、週に5回も来店するほどの熱烈なファンが多い。郊外店のため、タクシードライバーや営業マンなど、車で来店する人が多数。平日は一人で来店し、週末には家族で訪れるという常連客も。
 弦卷店長は、2回以上来店したお客様はすぐに覚える。「いつものでいいですか?」と親しく声をかけることのできる常連客は100人以上。旅行のお土産を持ってきてくれる年輩の常連さんや、クリスマスケーキをプレゼントしてくれる女性客もいる。地域に密着した店舗づくりが成功しているのだ。
3.教育担当P/Aを3名配置
 教育担当のP/A3名、昼夜に分けて配置。新人は店長がオリエンテーションを行った後、この3人が、全ポジションを半年で覚えられるよう指導していく。藤一番の強みである「元気と笑顔」を中心に、キッチンでは「正確な作業」と「提供時間10分以内」を指導。ホールでは「ドアを開けてお迎え」「声を合わせて活気ある挨拶」「水のお替わりへの気配り」「会計時の30度のおじぎとお見送り」「クレンリネスの徹底(入口ドアやトイレ)」等々、サービスの基本をしっかり教育していく。
4.仕事を楽しむ
 スタッフ全員が仕事を楽しむことが最も大切で、それが実現できている。素直なスタッフが多いのが特徴で、挨拶・元気・笑顔が自然だから、新人にもそれがスムーズに受け継がれている。生き生きと楽しく働く姿が店の空気感をよくし、お客様にもそれが伝わって、常連客が確実に増えていくのだ。

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叱るにはコミュニケーションが必要

 弦卷店長のP/Aに対する「ほめる」と「叱る」の割合は、「叱る」が7割と圧倒的に多い。やさしそうなタイプだけに、ちょっと意外だ。だが常にお客様の立場からP/Aを見ているので、厳しくなるのは当然ともいえる。
 特に、商品の提供時間が遅れた時、ホール全体を見渡せていない時、お客様に呼ばれる前にサービスできていない時、オーダー待ちの気配りが不足している時などには厳しく叱る。また、入口周辺での集中力が足りない時も叱る。藤一番では入口の外にお客様を発見すると、「お客様が入られます!」のかけ声を合図に、全員でお迎えすることにしているからだ。
 もちろん叱り方には気を遣うし、叱りっぱなしにもしない。ピーク後には「よく頑張ったね」とねぎらうことも多い。日頃からの十分なコミュニケーションと万全のフォローがあれば、叱っても必ずP/Aは分かってくれると弦卷店長は言う。
 弦卷店長の話を参考に、効果的な叱り方や注意を促す言葉を挙げてみた。
@「(挨拶は)ここまで聞こえる大きな声で!」
A「あなたがお客様の立場ならどう思う?」
B「最近、疲れてる?」
C「理想のオペレーションを百点としたら、今のは何点?」
D「どうしたらうまくできると思う?」
E「今のはあなたらしくない」
F「これではあなたのよさが伝わらないよ」
G「あなたのよさが活かされていなくて悔しい」
H「リーダーの君がしっかりしなくっちゃ!」
I「ここだけ直せば大丈夫!」

 また、叱った後のフォローも大切だ。ポイントは次の3つ。
@行動に変化があれば、小さなことでも認めてほめる。
A必要に応じて、適切なアドバイスをする。
B「君ならできる」という励ましの言葉を忘れない。

 ほめる→叱る→励ますというサンドイッチ方式で、弦卷店長はスタッフを育てているのだ。
 またコミュニケーションを十分にとるため、仕事中のスタンドミーティング(1分間コミュニケーション)を実施しているほか、休憩時や仕事終了時にも、その日の良かった点・問題点の指導を行っている。
 さらに、月1回レクリエーション(ボーリング大会や飲み会)も実施。厳しい店長の場合、スタッフと一緒に素顔で楽しく過ごす時間も必要なのだ。
 優秀な実力店長というのは、たいていほめ方と叱り方が上手だ。読者のみなさん、ぜひ彼らに見習おう。ほめることが多い人は、時にはビシッと厳しく叱ろう。叱ることが多い人は、たまにはとことんほめよう。効果的にほめて叱っていただきたい。

 最後に、最近のうれしいできごとを弦卷店長にお聞きすると、「P/Aたちから誕生日のプレゼントをもらったことです」とにっこり。店長の厳しさには愛情がたっぷり込められていることを、みんなよく分かっているんですね。だから素晴らしいチームワークが生まれるんですね!
弦卷店長、ありがとう!

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