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売上前年比109%、3つの要因

 大城店長は、今年3月まで勤務していた箕面店で売上前年比109%の実績を残し、4月の堂島地下街店のグランドオープンを任された。不振の続いていた箕面店を優良店へと導いたポイントは、次の通り。
@サービス力の強化
 「サービスで地域一番店になろう」を店舗目標の最重要事項として掲げ、常にお客様の立場に立って考えるよう、スタッフ教育に力を注いだ。
A地域イベントへの積極的参加
 箕面店は商店街の中にあり、商店街のイベントや地域の祭りには夜店を出してかき氷やビール等を販売し、売上にも貢献。イベントへの参加で店内は活気づき、スタッフも大きな声を出して楽しく働けるようになった。
B働きやすい環境づくり
 大城店長はいつも、スタッフが気持ちよく働ける環境づくりを考えている。
 箕面店への異動当初はスタッフ同士の人間関係が芳しくなく、店の雰囲気が悪かったという。このため個人面談やスタッフミーティングを繰り返し、一人ひとりの言い分を聞きながら、徐々にコミュニケーションを深めていった。
 また、スタッフ同士をほめ合う制度(「ここが素晴らしい」カード)を大城店長の案で導入。まずは店長からスタッフへ、やがてスタッフからスタッフへと手渡されるようになった。これによって店の雰囲気がどんどんよくなり、お客様にとっても居心地のよい店へと変わっていったのだ。ちなみにこの制度は、全店舗への導入が検討されています。

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「クリエ大好き」のスタッフたち

 地域密着型の箕面店は、とにかく常連客が多い。ほぼ毎日、あるいは一日に二回来店するロイヤルカスタマーもいる。大城店長を娘のようにかわいがってくれる年輩のお客様も多かった。
 クリエはセルフサービスだが、年輩の常連客の場合、「いつものを頼むね」と、テーブルに座ってしまい昔ながらのなじみの喫茶店感覚で注文する。そんな人が毎日50人も来店する。大城店長は必死で「いつものメニュー」を覚えた。今ではスタッフたちも、ほとんどの常連客のメニューを覚えているそうだ。
 お客様とのコミュニケーションは日毎に深まっていった。堂島地下街店に異動してからも、「店長、顔を見に来たよ」と、箕面から40分もかけて訪ねてくれるのだ。「本当にうれしい。感激です」と店長。
 新人教育もスタッフが率先して行うようになった。終業後も新人にアドバイスするベテランスタッフが増えた。やがて、スタッフ全員が堂々と「私たち、クリエを愛してます」と店長の前で語るようになった。授業の都合で一旦は辞めた学生アルバイトも、スケジュールを調整して戻ってきてくれる。みんなクリエが大好きなのだ。好きに勝るものはない。その愛着心こそが優れた店をつくる原点となる。そんなすばらしい店へと、成長を遂げたのである。

面接のチェックポイント

 堂島地下街店のグランドオープン時には、アルバイトの応募者が85人あった。採用したのは16人。採用率2割の厳しさだ。面接の際のチェックポイントは以下の2つ。
@笑顔と表情:自然な笑顔と生き生きとした表情を最重視。きちんと相手の目を見て話せるかどうかもチェック。
A将来の夢・目標:目標を持っている人は、アルバイト経験を将来の仕事に活かそうと考えているため、しっかり働いてくれる。クリエの応募者には「将来サービス業に従事したいので、接客サービスを学びたい」「おしゃれなカフェで働いてセンスを磨きたい」という人が多い。

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笑顔で一言、これが基本

 大城店長がアルバイト教育で最も力を入れているのは「笑顔で一言、お客様に声をかける」ことだ。クリエはセルフサービスなので、これが実はなかなか難しい。だが大城店長は率先してこれを実践している。
 たとえば「今日は暑いですね」という気候の話にはじまり、お客様の服装がいつもと違うなら「今日はお出かけですか?」や「お召し物が汚れないようお気をつけくださいね」などと気遣う。年輩の常連客ともこんな会話する。「お体の調子はいかがですか?」「いいよ。今日は病院に行ったんだよ」「お元気で何より」…そして最後に「明日もお待ちしていますよ」と声をかける。(う〜ん、いい言葉だ!)
 こういう一言一言が、常連客を増やしていくのである。大城店長は「人とのつながりを大切にしたい」から、できるだけホールに出てお客様に笑顔で一言語りかけるようにしている。スタッフはそれを見て学び、実践しているのだ。

クレンリネス達成率120%!

 クレンリネスも徹底。まず店長がやってみせ、次にスタッフにやってもらい、それを検証し、できるようになるまで繰り返す。
 グランドオープン時には、クレンリネス環境のよい店と悪い店の状況をプロジェクターで投影して比較しながら、しっかりと教育した。
 クレンリネスチェック100%クリアを目標に全員で取り組んだところ、スタッフ自ら新しい項目を追加、実に120%の達成率となった。(すばらしい!)

 箕面店の強みは「スタッフ」。人間関係とチームワークが良く、全員が仕事を楽しんでいるからだ。堂島地下街店が目指すものも同じ。「お店は一人では運営できません。スタッフとともにつくり上げていきたい」と大城店長。だからこそ、スタッフにとってやりがいのある環境を整えたいと思っているのだ。
 大城店長は時々近隣の競合店調査をし、スタッフと意見交換をする。スタッフから「あの店がこんなキャンペーンをやってました」という情報が入ることもある。常に刺激を受け、新たな目標を掲げて達成していく充実感を、全員で共有したいのだ。

 最後に大城店長の夢を伺った。「スタッフがクリエで働くことを誇りに思い、だれにでも自慢できるようブランド力を向上させたい。そのため、微力ながら私の力を尽くすのが目標。食や人と人との関わりを通して、夢や感動を与えられる店をつくっていけたらと思います」
 お客様に対してもスタッフに対しても、愛情いっぱいの店長だと心から思った。サービスとは愛情のことだと、再認識させられた。ありがとう、大城店長!これからも「いっぱいのしあわせを感じる場所」を、スタッフと一緒につくり続けてください。