画像
オープニングスタッフの採用基準

 キッチンに強い職人店長が多いヴォーノ・イタリアだが、ホールにも強く、パート・アルバイト教育に熱心で、将来全店のレベルアップに貢献してくれるだろうとの期待から、今回社長の推薦で登場していただいたのが、グランドオープンして間もない西尾店の磯部俊介店長だ。
 グランドオープンにあたっては、45日前にP/Aを募集し、1カ月前に面接して主力となる6人(ホールとキッチン各3人)を選び、近隣店で研修を行って、グランドオープンに臨んだ。
 まずは、磯部店長のオープニングスタッフ採用基準を伺った。
@第一印象の良さ:ホールでは明るく元気な態度、キッチンでは柔軟性とスピード感が最重要。それぞれの姿勢や能力を見る。
A馬鹿になれる人:いつも陽気で素直に「ハイ」と返事し、ひたむきに突っ走る人、という意味。
Bリーダーシップ:人をリードする力があり、新人を教えられる能力を持つ人。
 この3つが採用ポイントだが、実はもっと広い視点で採用していると、磯部店長は言う。「たしかに第一印象は大事ですし、リーダーシップのある人は歓迎。でも『普通の人』を育てるのが店長の仕事だと私は思っています」…そうですね、普通のP/Aをスターに変えるのが店長の仕事ですよね!(すばらしい!)

画像
集中力で乗り切ったグランドオープン

 近隣店での研修を終えたリーダー格となる6人を含め、P/A全員が西尾店に入ったのは、オープンの4日前。実質4日間の猛特訓でグランドオープンにこぎ着けたという。店長も店に泊まり込み、P/Aの教育に集中。全員、緊張感をもってこの4日間を無我夢中で過ごした。オープンの日を迎えてからも、全員必死だった。店長自ら先頭に立ち、体を張って頑張った。
 オープン直後の超多忙なある日、お客様が自由にコメントを書けるようテーブルクロス替わりに敷かれた白いペーパーに、こんなメッセージが残されていた。「店長さんがとても親切でした。ありがとう」…これを読んで、磯部店長の疲れは一気に吹き飛んだ。心の底から嬉しさがこみ上げてきた。
 物事を成功させる秘訣は「集中力」にあると、私は最近特に感じている。集中力とは、一時期に一つのことに集中し、確実に成し遂げる力のこと。グランドオープンに集中し、寝食を忘れて取り組んだことで、磯部店長自身も一回り大きく成長した。

テーマは「陽気なイタリアン食堂」

 磯部店長が毎朝礼で必ず言うのは、次の2点だ。
@コンセプトの「陽気なイタリアン食堂」を、お客様に浸透させていこう。安くておいしくて気軽な食堂&居酒屋のノリで楽しんでいただこう。(ちなみに生ビールはなんと200円!)
Aオペレーションをどんどん改善していこう。発展途上チェーンらしく、昨日の反省を今日の改善に変えて、成長していこう。
 磯部店長は、陽気なイタリアン食堂にふさわしい元気・活気・笑顔を、すべてのP/Aに身につけてもらいたいと思っている。「普通のレストランではダメなんです。従業員の気が利き、元気で積極的でスピーディーなサービスをし、楽しそうに働いていることが肝心です」と語る。
 普通ではなく突き抜けるようなレベルのサービスを追求すると同時に、気持ちのよいお出迎えや返事、お客様や料理へのきめ細かな気配り、こまめな掃除など、「あたり前」のことを徹底して行う姿勢を大切にし、現在集中的に教育を行っている。

画像
クオリティ&クレンリネス

 商品のクオリティに関して最も気をつけているのは、スタンダードの徹底だ。特に主力のパスタとピッツァには気を遣う。パスタは塩加減に注意しながらすべて味見。ピッツァはオーブンの温度管理に配慮。キッチン内の温度やオーブンの開け閉め頻度など、その時々の事情によって商品の味や仕上がりが変わるため、細心の注意が必要だ。
 現在はパスタ場とピッツァ場に分かれてトレーニング中。新人は約1カ月で基本的な作業を覚え、その後、食材をよりおいしくする調理方法のマスターへと、レベルアップを図る。
 クレンリネスの指針は、グランドオープン時の「照り映えるほど磨き上げられた美しさ」を維持すること。ヴォーノ・イタリアは居抜きの店舗が多いが、西尾店は新築なので。綺麗さの維持はことのほか重要だ。ちなみに創業28年の東京ディズニーランドは、当初の美しさを今もキープしているという。

愛情があるから、本気で叱る

 P/Aに対する磯部店長の「ほめる」と「叱る」の割合は4対6。「僕は甘いですけど」と笑いつつ、「愛情があれば指導に熱が入り、思いっきり叱れますが、愛のない叱り方はダメです」ときっぱり。
 以前の店舗に動作の遅い高校生アルバイトがいて、叱ってばかりいた時期があった。少しスピード感が出始めたある日、「早くできるようになってきたね」と店長がほめたところ、それを機にスイッチが入り、一気に動作の早い「デキるアルバイト」へと駆け上っていった。店長からのここ一番のほめ言葉がP/Aの背中を押した、好例である。
 また磯部店長は、しばしば先輩アルバイトに新人教育を担当させている。教えることによって教える人のレベルも上がるからだという。(さすがですね!)

 最後に、店長自身の夢を伺った。「学生時代から橘社長にイタリア料理のことや飲食のいろはなどを教わってきました。恩返しのつもりでこの店を最高の店にし、社長を驚かせたいですね」とのこと。
 成長を続ける企業では、多くの重要なポストが待っている。近い将来、大きな柱になれると思うよ。ガンバレ、磯部店長!