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お客様からの感謝の手紙と、パートナーからのお礼の手紙

 最初に、一人の年輩の女性から本社にFAXで届いた中嶋店長宛の手紙を紹介しよう。当時彼は稲毛海岸店に勤務していた。「先日、貴社の千葉16号線にある店にハンバーグを食べに行きました。ハンバーグもおいしい!!そしてご飯もおいしくて、主婦として炊き方を聞かねば…と思い、店員さんに伺ったら、わざわざ店長さんがいらっしゃって下さり、丁寧な対応にビックリ。…(中略)…とてもGOODでした。感謝を伝えたくてFAXしました。…(中略)…店長さんの対応が良いのは、会社トップの教育がすばらしいのだと思います。気持ち良い一時を味わいました。感謝を込めて」
 わざわざ本社へFAXを送ったのは、よほど店長の対応が印象深かったのだろう。もちろん中嶋店長もこの時のことをよく覚えているという。「ちょうどピーク後のことで、ご飯の炊き方からハンバーグの作り方まで、30分ぐらいお話ししました」とのこと。(スゴイですね!)
 手紙をもう一つ紹介しよう。中嶋店長が美浜店へ異動することになった折、一人の主婦パートナーからもらった手紙である。「この度は昇格おめでとうございます。中嶋店長と過ごした4年間、本当にいろいろな事、いろいろな思いがありました。目に映るもの、手に触れるものすべてに店長との思い出が刻み込まれています。
 4年前、中嶋店長の着任当初、正直、この店にあまり思い入れのない私はやりがいを感じていませんでした。それから日々を重ねる中で、一心不乱に小さなことに努力する店長を見つけました。どんな些細な出来事にも真正面から向き合い、受けとめ、考え、誠意を見せてくれる店長の姿勢が、この4年を繋いだのだと、深く感謝しています。
 そして沢山のお心遣いや温かいお言葉、手紙、本当にありがとうございました。…(中略)…心の奥に大切にしまってあります。中嶋店長からいただいたKP(キーパー=時間帯責任者)という肩書きが皆さんにとって良き存在となるために、私なりに頑張ってみます。これからもどうぞ宜しくお願い致します。本当にありがとうございました」
 自らに厳しく小さな事にも努力を惜しまない中嶋店長の姿を見続け、また常に温かい言葉や手紙を受け取り続けたことで、普通のパートナーが日々刺激を受けて大きく成長できた経緯が、そして店長への感謝の気持ちでいっぱいであるこが、文面を通してしっかりと伝わってくる。

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店長方針10ヶ条

 中嶋店長は、パートナーに対する20か条の店長方針を掲げており、それを事務所に掲示している。その中から、幅広い業種に当てはまる10の項目を抜粋して紹介しよう。
@報告・連絡・相談は義務です
A体調管理は自己責任で行うこと
B家族・身の回りの人を大切にすること
Cパートナーを大切にすること
D人間関係を大切にすること
E結果と数値が全てです
F知識は武器となります
G全ての決定は合議制です
H〆切厳守、期限内に絶対に仕上げること
I責任は全て店長に有ります
 何と、すべての項目が解説付きだ。例えばFの場合「無知は戦う前から負けてしまいます。知識を有する者に勝負する資格があります。知らない・分からないことは勉強して下さい。学ぶ時は貪欲に。先輩、上司、部下、パートナー、お客様、誰からでも学べます」と書かれている。中嶋店長が、自分自身の確固たる信念と明確な仕事のスタイルを持っていることがわかる。

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「叱る」店長のマネジメント

 中嶋店長の新人採用率は2割と厳しい。チェック項目がなかなかユニークだ。
@履歴書を書き終え、ペンを置いた後の態度・行動(席でどんな行動をするか、数分間観察)
A歩くスピード(速い人のほうが仕事もてきぱきできるケースが多い)
B帰る時、振り返って挨拶をするかどうか
 さすがに細かいところまでよく見ている。
 また店舗運営においては、口うるさいほど言い続けているポイントが複数ある。(お客様の立場に立って口うるさいほど注意することで、QSCレベルを上げていくのが店長の役割だ)
@ミスをしない(手抜きによるミスや雑な作業は叱る)
Aクレンリネスの徹底(キッチンのステンレスはピカピカに)
B正確な作業(決められたことは決められた通りにやる)
C従業員同士の挨拶(仕事の基本)
D〆切の期限を守る(書類・清掃の時間厳守)
E報告の義務(報告すれば、あなたに責任はない)
 小さなことを逃さず追求する店長だ。「神は細部に宿る」という言葉がある。小さなことができない人に、大きな仕事はできないのだ。
 中嶋店長に「ほめる」と「叱る」のバランスを伺った。9:1の割合で叱るとのこと。知っているのにやらなかったことに対しては、特にベテラン(リーダー格)を中心に、「ダメなものはダメ!」と厳しく叱る。ただし叱り方はカラッとしていて、後を引くことはない。10分後にはお互いに笑顔が戻っている。
 だが、日頃からコミュニケーションが十分にとれていなければこうはいかない。休憩室では兄貴的存在のフランクな店長だからこそ、ビシッと叱られても従業員は素直に聞けるのだろう。
 もちろんほめる時は大いにほめる。繁忙期の後、ねぎらいの意味も込めて、手紙やメールでほめることが多い。前述のパートナーからの手紙にもあったように、この店長メッセージが従業員に与える影響は大きい。
 また、中嶋店長は100人以上の顧客の好みのメニューを覚えている。300人以上の常連客も認識し「いつもありがとうございます」と挨拶する。「こちらから会話を持ちかけたりはしませんが、お客様からお声がかかれば喜んで応対します。おいしいハンバーグを食べ、空間を楽しみ、何度でも来ていただきたいですね」と控えめに語る。ある実力店長が「主役はお客様。私たちはエンターテイナーである前にバトラー(執事)でありたい」と言っていたが、中嶋店長も同じ姿勢のようだ。
 最後に、最近うれしかったことをお聞きした。キャンドルナイトのイベントを実施した時、パートナーが自発的に、十五夜をイメージしてデザインした大きな横断幕を作ってくれたことに感動したそうだ。従業員の自主性が高く、チームワークもいい店だと実感させられた。
 厳しくて、やさしくて、愛情いっぱいの実力店長だった。これからもすばらしい店を創り続けてください。ありがとう、中嶋店長!

クオリティ&クレンリネス

 商品のクオリティに関して最も気をつけているのは、スタンダードの徹底だ。特に主力のパスタとピッツァには気を遣う。パスタは塩加減に注意しながらすべて味見。ピッツァはオーブンの温度管理に配慮。キッチン内の温度やオーブンの開け閉め頻度など、その時々の事情によって商品の味や仕上がりが変わるため、細心の注意が必要だ。
 現在はパスタ場とピッツァ場に分かれてトレーニング中。新人は約1カ月で基本的な作業を覚え、その後、食材をよりおいしくする調理方法のマスターへと、レベルアップを図る。
 クレンリネスの指針は、グランドオープン時の「照り映えるほど磨き上げられた美しさ」を維持すること。ヴォーノ・イタリアは居抜きの店舗が多いが、西尾店は新築なので。綺麗さの維持はことのほか重要だ。ちなみに創業28年の東京ディズニーランドは、当初の美しさを今もキープしているという。

愛情があるから、本気で叱る

 P/Aに対する磯部店長の「ほめる」と「叱る」の割合は4対6。「僕は甘いですけど」と笑いつつ、「愛情があれば指導に熱が入り、思いっきり叱れますが、愛のない叱り方はダメです」ときっぱり。
 以前の店舗に動作の遅い高校生アルバイトがいて、叱ってばかりいた時期があった。少しスピード感が出始めたある日、「早くできるようになってきたね」と店長がほめたところ、それを機にスイッチが入り、一気に動作の早い「デキるアルバイト」へと駆け上っていった。店長からのここ一番のほめ言葉がP/Aの背中を押した、好例である。
 また磯部店長は、しばしば先輩アルバイトに新人教育を担当させている。教えることによって教える人のレベルも上がるからだという。(さすがですね!)

 最後に、店長自身の夢を伺った。「学生時代から橘社長にイタリア料理のことや飲食のいろはなどを教わってきました。恩返しのつもりでこの店を最高の店にし、社長を驚かせたいですね」とのこと。
 成長を続ける企業では、多くの重要なポストが待っている。近い将来、大きな柱になれると思うよ。ガンバレ、磯部店長!