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お客様の心をつかむ |
藤巻店長のモットー&目標は、お客様に「“新鮮・安い・旨い・直送”のお魚を毎日食べに来ていただくこと」だ。実際に週6日通う超常連客もいる。御茶ノ水は病院や大学が多いため、医師や教授等の常連が多く、「○○先生ご来店です。いらっしゃ〜い!」と、元気よくお迎えする。お見送りの際も名前を呼んでお礼を言う。(リッツ・カールトン・ホテルみたいだね!)
藤巻店長が社内で誰にも負けないと自信を持っているのは、「お客様の心をつかむこと」だ。彼女は200人以上の常連客を個別に覚えており、お名前を呼んで親しく接することができる。サービス力・気配り・心配りが強みの女性店長は多いが、彼女もなかなかの強者だ。アルバイトの女性スタッフも店長同様にお客様の心をつかむことに長け、それぞれ30人以上の常連客を持っている。このため、この店のリピーター率は極めて高い。
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こころを温めてくれる店長 |
「40〜50代のお父さん世代のお客様に、イマドキの茶髪の若者が一生懸命働いている姿を見ていただきたいんです」と語る藤巻店長。頑張る若者たちのことをお客様にも陰ながら応援してもらいたい、それによってお店がますます活気づいたら嬉しいと思っているのだ。
藤巻店長は、御茶ノ水駅周辺の商店街や医療施設、事業所にユニフォーム姿(夏場は浴衣姿)でひんぱんに外商活動に出かける。だから近隣ではちょっとした有名人だ。雨の日も雪の日も店の外でお客様を見送る姿を見て、「今日も頑張ってるね。スゴイね!」といつも近所の人に言われる。サービス業魂が体に染み込み、それを心から楽しんでいる藤巻店長だ。
大きなキャリーバックを引きずりながら「ここの刺身が食べたかった!」と言って入ってくる人も多い。お客様が海外出張や旅行の帰り、自宅に帰る前にまずこの店に立ち寄るのは、料理が目的だけじゃない。店長の温かい笑顔が見たいからだ。
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採用と新人教育のポイント |
藤巻店長のP/A採用基準は次の通り。
@ 目を見て元気に挨拶できる
A 満面の笑顔(ビッグスマイル)
B 情熱(目の輝き)がある
@は、面接が終わった後、再度振り向いて挨拶できるかどうかも大切。Aのビッグスマイルは藤巻店長の真骨頂でもある。
本連載で繰り返し述べてきたことだが、面接時にしっかりチェックすべきポイントは、Bの情熱である。能力不足を情熱で補うことはできても、情熱のない人がスキルを身に付けるのは困難である。面接の際には目に光があり、感情が豊かで、情熱の感じられる人かどうかを見極めたいものだ。
新人教育は「笑顔」「大きな声」「商品説明ができる」をポイントにしているという。特に商品知識にはこだわる。自分がおいしいと思わないものはおすすめしないという観点に立っているため、スタッフには試食を何度もさせるし、魚介の知識もきちんと得てもらう。
朝礼は営業中に実施。最後に店長が大きな声で「今日も元気にきれいに大きな声で頑張りましょう!」と気合いを入れて締める。毎回お客様から拍手をいただくそうだ。
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1日100回以上スタッフに「ありがとう」 |
店舗運営上で特に配慮しているのは、「お客様と一対一で向き合うこと」。お客様が満足しているかどうか、常に表情や仕草を見ているという。
お客様との会話も非常に多い。動ける時は3フロア全て挨拶に回っている。お客様を個別に覚えるため、「50代、黒ブチメガネ、○○大学、ハイボール」というように、年代や職業、特徴、好みなどを連想ゲームのように繋げて記憶していくとのこと。
スタッフとの対応もユニーク。「まだ店長としての経験が浅いので、アルバイトの皆に助けられてます」と藤巻店長。スタッフにお礼を言い続ける日々だという。「今日のピークは大変だったね、ありがとう」「お客様が○○ちゃんのことほめていたよ、ありがとう」という感じで、1日100回以上スタッフに「ありがとう」と言っている。何だかほのぼのしている。店の雰囲気もチームワークもとても良い。「ありがとう」がコミュニケーションのキーワードになっているのだ。
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人生で一番のプレゼント! |
最近の感動エピソードを伺った。数ある話の中から2つ紹介しよう。
1つは、自分の誕生日に大勢のお客様からプレゼントをいただいた話。花束、ぬいぐるみ、ブランドのチョコレートケーキ、マカロン、本など、20を越えるプレゼントの山に感激したそうだ。日頃からお客様の誕生日会や歓送迎会の際に横断幕を作ったり、主役の方にオリジナル焼酎ボトルをメッセージ付きでプレゼントするなどの心配りをしているからだろう。
もう1つは、昨年10月に店長になった彼女を祝い、その年の忘年会の時、アルバイト全員がお金を出し合って「店長昇格おめでとう!」と書かれた大きなケーキをプレゼントしてくれたこと。皆に「お祝いが遅れてごめんね」と言われ、ワーッと大声で号泣してしまった。(店長らしいね。私も泣けました)
御茶ノ水駅前で今日も朝8時から手書きのチラシを満面の笑顔で配る店長。常にイベントを企画するのも得意でバレンタインや夏祭り、クリスマスなどは何かしらお客様に喜んでいただける催しを行っている。バレンタインは手作りのチョコを男性客に渡したり、夏祭りではかき氷の販売、クリスマスは自らサンタの格好をして接客するなど良いと思ったことはどんどんやる店長。(いいね!)
スタッフの疲れが溜まってきたように感じたら、「旨いもの食べに行くぞ〜!」と皆を誘ってグチを聞く、活きの良さと優しさがいい。魚盛が大好き、スタッフが大好き、お客様が大好き。「大好き」でいっぱいの、明るく元気な店長だった。
このまま突っ走っていこう、ガンバレ、藤巻店長!
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