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お客様の“灯るい背中”が見たい

 グランドオープン時に各メディアで紹介されたことも手伝って、今でも土日は大賑わい。柏や銚子から1時間半もかけて訪れる人も多い。わざわざ遠方から来店するお客様のためにも、近場から足しげく訪れる方のためにも、「いつも何か新しいことをしていて、ワクワクドキドキできるお店」を心がけるのが濱口店長の方針だ。常時60種のメニューがあり、うち10種を毎月新メニューと入れ替えているのはその一例である。
 また、マルハン千葉北店が毎月イベントを開催して幅広い集客を図っているため(キャラクターショー、フリーマーケット、屋台村など)、新規客を獲得して常連化するためのポイントカード普及も進めている。
 さらに、オープンしてまだ日が浅いので、マルハンダイニングの「ステートメント」をスタッフに浸透させることにも力を注いでいる。その全文をご紹介しよう。飲食店の原点が、この詩の中に凝縮されている。

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お客様の“灯(あか)るい背中”が見たいから
来店時、お客様は多くを語ってはくれない。
だから私はいつも見る、1人ひとりの表情を。
表に出る事のない、お客様の“心の声”を聞くために。

「いらっしゃいませ」
そうお客様を迎え入れた時、
張り詰めた“表情”であれば、包み込むように。
落ち込んだ“表情”であれば、支えるように。

「ありがとうございました」
そうお客様を送り出すまで、ほんのわずかな時間かもしれない。
それでも私は見たい。
“ありがとうございました”の先にあるお客様の“灯るい背中”を・・・。

だから私は忘れない。
当たり前のおもてなしに心を尽くすことを。
もしかしたら私の何気ない笑顔が、何気ない気配りが、
帰り際に見るお客様に背中を、
“灯す”きっかけになるかもしれないから・・・。

業態・業種は関係ない。
全ては「お客様の“灯るい背中”が見たいから」
さぁ、今日はどうやってお客様の背中を灯そうかな。

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教育の基本は「8つの行動原則」

 グランドオープン時のスタッフ採用率は3割だった。採用基準は次の通り。
1.マルハンダイニングイズムを共感できる
2.人が大好き(人に興味があり、協調性がある)
3.元気で明るく素直

 スタッフ教育の基本となるのは、マルハンダイニングの「8つの行動原則」だ。これは、スタッフ自身の自分に対する約束である。
@挨拶:いつでも、すべての人に、気持ちのよい挨拶を
A時間:すべての時間を計画し、実行せよ、そして常に見直せ
B感性:五感を研ぎすまし、磨きをかけよ
Cスピード:絶えずスピード・スピード・スピード
Dシステム:第三者が、簡単に、分かるように、できるようにせよ
Eチームワーク:「私」より「私たち」で働け
F常勝より必勝、敗因を活かし、勝って強くなるのがプロである
G楽しくなければ人は集うべからず

 アルバイトスタッフはサブリーダー、リーダーとステップアップできる。正社員に登用されると、トレーナー、エリア担当へと昇進していく。

ビュッフェ業態の4つの留意点

 濱口店長にビュッフェ業態における留意点を伺ったところ、「まだ発展途上で強化中ですが」と前置きしつつ、次の4つを挙げてくれた。
(1)美しい盛りつけと盛り直し
大皿に彩りよく美しく盛るのが大切なのはもちろん、お客様が料理を取った後の「盛り直し」が、ビュッフェ業態ではとても重要。一つの具材だけがなくなった場合は、そのパーツを加えてベストな状態に整えるのだ。
(2)ロス管理
時間帯別に料理の量を調整。ピーク前と後のコントロールによって、ロスはかなり低減する。
(3)クレンリネスの徹底
汚れたらきれいにするのが基本。ビュッフェはお子様も多く、汚れることが多い。毎日交替制でクレンリネス担当を設け、キレイを徹底させている。
(4)お見送りの姿勢
ステートメントでも謳っているように、お客様の背中に明るい灯をともせたかどうかを見るためにも、しっかりお見送りする必要がある。「出迎え三分、見送り七分」という言葉通り、お客様にとって帰り際の印象が良いと、店の好感度はアップする。

コミュニケーション&モチベーション

 スタッフとのコミュニケーションで濱口店長が最重視しているのは、月1回の全体ミーティングだ。飲食店にとって大切なのはスキル(作業技術)とマインド(精神)の2つだが、特にマインドを強化する場として、この全体ミーティングでグループディスカッションを実施している。
 テーマは「ピークタイムに気持ちの良い挨拶をするには?」「高齢のお客様に対する気遣い」「お子様への対応」など様々。毎月テーマを考えて各グループで話し合い、実践する。
 この誌面でも繰り返し述べてきたように、重要なのは店長からのトップダウンではなく、スタッフが自主的に考えて行うボトムアップなのだ。
 またモチベーションアップの仕組みとして、「ありがとうカード」を導入。全スタッフが互いに嬉しかったことなどを記入して手渡す。「いつも気を遣っていただいてありがとうございます」
「Aさんの笑顔を見習いたいと思います」といった言葉が、毎日のようにやりとりされている。
「特に、自分からたくさん手渡した人を評価しています」と、濱口店長は語る。

 ハーベストガーデンの強みは、ディズニーランドのレストランのような高いエンターテイメント性と、美しく仕上げられ盛りつけられた60種類もの料理、充実したデリやデザート、そして季節感のある様々な楽しい演出。これらが組み合わさることで、お客様に「ワー、スゴイ、ウレシイ!」という驚きと喜びを連続して与え続けている。スキルとマインドの教育が徹底されているからこそ実現できる、確かな強みなのだ。
 ありがとう、濱口店長、今後の出店に期待します。