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売上前年比110%の理由(田町店時代)

 福山店長が異動してきた今年4月当初には300万円程度だった売上は、5月380万、6月420万、7月430万、8月450万、9月428万と、毎月のように伸び続けている。その要因は次の通り。

 寺口店長は本社から「QSC、数字、部下の育成、いずれの面でも優れておりバランスがとれマネジメント力が高い」と評価されている。毎月の目標達成制度では、達成賞獲得の常連。ナンバーワン店舗を統率するのにふさわしい実力店長なのだ。
 新宿総本店はオープンから1年。100坪200席の大型店で、客単価は2800円、平均月商は2200万円だ。特に、他の店舗が取り組んでいないテイクアウトが好調。唐揚げ、手羽先、チキンかつなどを窓口販売しており、近隣住民や主婦層に好評で、月200万円を売り上げる。
 寺口店長がこの店に抜擢されたのは、田町店での売上前年比110%という実績を評価されたためだ。田町店の売上を伸ばした要因を伺った。
@常連客づくり
常連客をスタッフと共有し、それぞれのお客様の「いつもの3品」をホールスタッフ全員が覚えるまでになった。
Aスタッフ教育
理念の「一体感・チームワーク」を常に心がけ、営業中のOJT教育、朝礼での目標共有化、リアルタイムでの情報共有を徹底。
B席効率アップ
田町店は60席の小型店舗。満席率を上げるため席効率アップに努め、客席回転率を上げた。

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常連客との絆

 田町店時代の常連客との絆がたしかなものであったことは、次のようなエピソードからもよく分かる。
 東北を中心に未曾有の災害をもたらした東日本大震災は、もちろん東京にも大きな影響を及ぼした。ことに発生月の3月は、多くの飲食店が売上前年比70〜80%に留まる厳しい営業状況だった。ところがてけてけ田町店は100%近い売上をキープしたのだ。寺口店長が仙台出身であることを常連客がみんな知っていて、心配したお客様が「実家は大丈夫?」と言いながら、続々と訪れたためである。
 寺口店長は心から嬉しく思うと同時に、「この店は本当に、常連のお客様に支えられているんだ」と痛感したそうだ。
 またこの時、坂井社長の次の言葉にも心を動かされた。「お客様は、こういう時こそ美味しいものを求めている。温かい空間をつくり、いい営業をしよう」
…そして社長は、外食産業の使命を繰り返し語り続けたという。(すばらしい!)

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店の第一印象は3秒で決まる!

 新宿総本店における寺口店長のP/A採用基準は次の通り。これはグランドオープン時から現在に至るまで変わらない。

  @自然な笑顔(一瞬見せる笑顔)
A素顔のよさ(イキイキと話す)
B協調性(和を重んじる)
C常識(挨拶、身だしなみ、姿勢)

   必ず質問するのは「一生懸命取り組んできたこと」。スポーツ、勉強、趣味など、中身は何でもいい。何かに夢中になれる人は、アルバイトも熱心にやるからだ。
 寺口店長が店舗運営全般で特に気をつけているのは、前述した「一体感・チームワーク」。
チームワークがよければ店の雰囲気がよくなり、サービスの質も向上する。ホスピタリティを高くしたいのなら、チームワークをよくすることが肝心なのだ。
 お客様への気遣いについては、取り皿や灰皿交換をきっかけにテーブル状況を随時把握し、お客様の次の要望を予測して速やかに対応するよう指導する。
 クオリティについては、料理の盛りつけや焼き具合などのスタンダードを厳しくチェックし、基準を少しでも下回っていればダメ出しをすることで、高水準をキープ。アルバイトからキッチンの社員スタッフに対してダイレクトに問題点を指摘しづらい場合は、店長を通じて社員にきちんと伝える。胸を張れる商品だけを提供したいからだ。
 クレンリネスには、寺口店長自身が強いこだわりを持っており、ホール、キッチン、トイレ、床、ガラスなど、徹底的に清掃を実施。モップは早めに糸の交換をしている。(大事ですね)
 「店に対するお客様の印象は、店に入った瞬間の3秒で決まる」と寺口店長。お客様は、もしかしたら電車で30分もかけて店にたどり着いたのかもしれない。恋人とのデートや友達との飲み会を楽しみに、胸をワクワクさせながらやってきたのかもしれない。様々な想いで店に足を踏み入れた瞬間、ウェルカムの雰囲気が漂っていて、とびっきりの笑顔で「いらっしゃいませ」と迎えられれば、お客様はこの店に来てよかったと感じる。これが真実の一瞬である。寺口店長は、まさにそのことにこだわっているのだ。

月商800万円と2200万円、店長の仕事はどう違う?

 月商800万円の田町店と、2200万円の新宿総本店では、店の大きさも売上も部下の数もかなり異なる。このため店長のマネジメントは全く違ってくる。
 小型店の場合は店長が率先垂範で動き、P/Aと一緒になって店を切り盛りしていくのがベター。これに対し大型店の場合は、店長は自ら動くのではなく、全体をコントロールする(人を動かしてマネジメントする)ことが重要。ポジションごとにリーダーを置いて、そのリーダーを管理・指示していく方法をとらないと、店は回っていかない。「リーダーはリーダーを育成する」という言葉がある。売上規模が大きくなるほど、人をマネジメントできるリーダーが求められるのだ。

 寺口店長の「ほめる」と「叱る」のバランスは5:5。店長自身の考える理想の店舗像を常にP/Aに対して発信しており、それが実際にできた時にほめるそうだ。たとえ小さなことでも、確実にできていれば「今日もよかったよ、ありがとう」「お客様がほめてたよ、どんなことをしたの?」とほめる。
 叱る時は、必ずその時その場で。グラスの置き方、料理の向き、ジョッキのロゴの向きなど、細部にこだわりつつ、具体的かつ明確に指示する。
 「客単価5000円の店と変わらないサービスをしたい」という想いを語り、てけてけのブランドイメージ向上に燃える寺口店長である。
 夢は「1000店舗ビジョンに向けて、より経営上層部に近いポジションで勉強・活躍すること」「東北地区全エリアの責任者になること」だという。
 新宿総本店での仕事が評価され、来月から11店舗のスーパーバイザーに昇格することが決まった。おめでとう! 目指せ、東北地区100店舗の営業部長!