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13坪で月商700万円、繁盛の理由

 ナチュラ新丸子店は13坪26席で平均月商が700万円。坪売上54万円の繁盛店だ。繁盛の要因はどこにあるのだろう。
1.いかに楽しんでいただくか
 ガッツリ食べてガッツリ飲んでワイワイガヤガヤ、楽しんでいただくのがNATURA流。「四季を感じさせる旬のメニューと驚きのボリューム、そして笑顔とジョークの連続によって、いかにお客様を楽しませるかを常に追求しています」と小池店長は語る。(なるほど!)
2.入口で魚介のおすすめ
 スタッフ自らその日に仕入れた新鮮な魚介類を入口で見せて、お客様1組ずつに対し、ていねいに、おすすめの魚介や調理法の説明をする。(これはインパクトがあります!)
 商品をわかりやすく、印象的に、ライブ感を持たせながら視覚に訴える「VMD=ビジュアル・マーチャンダイジング」の演出が、ナチュラには満載だ。
3.初回客には「初めてコース」
 初回客に店の看板メニューをおすすすめするのは繁盛店のポイントの一つ。ナチュラでは、そのためのコースメニューまで用意している。看板料理で構成した「初めてコース」だ。店内POPに、その具体的な内容が書かれている。
@まずはコレ!カルパッチョ3種盛り・色々野菜のバーニャカウダ・ガーリックトースト
Aその日の鮮魚・魚介のオススメからチョイス!
B名物 シラスたっぷりペペロンチーノ
C最後に、パティシエの手作りドルチェ
初回客がこれを注文すれば、リピート率が格段にアップする。ドリンクは、「ガブ飲み1リットルワイン」「ジョッキでスパークリング」「自家製サングリア」をガッツリ飲める。
4.チームワーク・一体感・常連客づくり
 いつも大賑わいで、お客様が楽しいのはもちろん、スタッフが活発にチームワークよく動いていて、仕事を楽しんでいる様子がビンビン伝わってくるナチュラ。店全体が楽しさの一体感に包まれている。
 小池店長は100人以上の常連客を認識している。ファーストドリンクから好みのフードメニュー、苦手な食材まで全て掌握しているという。前回の来店時にお待たせしたメニューなども覚えていて、「この前はパスタが遅れましたので、先にお作りします」「前回はお望みのデザートを切らせてしまいました。今日は先にオーダーを入れておきましょうか?」と一言添えたりする。常連客からはいつも「ナチュラに来ると元気がもらえる」「おいしい料理とスタッフの笑顔に会いにくるんだよ」と言われているそうだ。(すばらしい!)

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気落ちを込めて、お客様に集中!

 小池店長のスタッフ採用時ポイントは2つ。シンプルだ。
@目が輝いているか?
A店のコンセプトへの賛同と意欲が感じられるか?
 採用率は決して厳しくない。たとえ面接時の評価がとびぬけて高くなくても、教育と環境と仲間によって、普通の学生アルバイトがすばらしく変身していくことを知っているからだ。
 最近の例をお聞きした。人見知りで元気もない男子大学生が、発声訓練や仲間と一緒に協力し合って働くことにより、どんどん変わっていったという。今では誰よりも活気に満ちた大きな声を出し、満面の笑顔でお客様をお迎えできるようになり、店長も感動しているとのこと。
 大きな声が出なければ、出す練習をすればいい。体を動かす訓練をすればいい。これを繰り返すことで心に火が付き、エンジンがかかってテンションも上がっていくのだ。まずはやってみる。そして繰り返す。それが小池店長のやり方だ。
 小池店長が重きを置くもう一つのポイントが、「気持ち」である。「作業をこなすのではダメ。気持ちを込めてお客様に接すれば、おしぼり1本の渡し方だって変わる。料理やドリンクの出し方が画期的に変わるんだ」と、スタッフに伝え続けている。
 気持ちを込めるとは、いつもお客様に集中し、気配り・目配りを絶やさず、考えながら行動するということ。小池店長はスタッフの「気持ち」を常に見ていて、気づいたことがあれば随時指導している。

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自己評価表(日報)で毎日自己チェック

 新丸子店のスタッフは、毎日日報(自己評価表)への記入を通して自己チェックをしている。記入項目は次の通り。
@笑顔でサービスできた
Aお客様からありがとうをたくさん言われた
B一生懸命できた
(@ABはイエスかノー)さらに、今日のよかった点と反省点を書く。たとえばよかった点なら「お客様から笑顔がいいねと言われ、自信になった」、反省点なら「プレバッシングとドリンクの遅れがあった」など。これに対し、店長が赤ペンでアドバイスを書き入れる。(新人には特に効果がありますね!)
 教育とコミュニケーションの体制も整っている。ワイン講習会、ワイナリー見学、サービスミーティング、月1回のスタッフとの面談、携帯LINEでの連絡など、幅広くかつ充実。スタッフを叱った後にはLINEでフォローするなど、気遣いも忘れない店長だ。
 教育熱心な小池店長率いる新丸子店は、行列のできるイタリアン酒場として、ますます繁盛していくに違いないと実感させられた取材だった。頑張ってください、ありがとう、小池店長!

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