九州の産直素材をお取り寄せできる「ちかっぱ」

 “ちかっぱ”とは博多の方言で「すごい」の最上級の意味です。当社は2009年秋に新宿に「九州のお取り寄せキッチン ちかっぱ」をオープンしました。さらに2月18日には銀座四丁目に「お取り寄せバール Chikappa(チカッパ)」を開店しました。

 新宿店は店名に「キッチン」と謳い、銀座店は「バール」と謳って、業態を少しずつ変えていますが、どちらも九州各地の“ちかっぱ!”なアイテムを産地直送で取り寄せ、郷土色の豊かな料理を提供することをコンセプトにしています。

 たとえば新宿店で看板メニューとなっているのがもつ鍋。「九州甘口しょうゆ」1580円、「豆乳みそ」1580円、「水炊き風 しお」1580円の3種を揃えており、九州の大自然が育てた和牛のもつを使用しております。さらにスープには本場・長崎のアゴ(飛魚)を使っています。

 次いで人気なのがせいろ蒸しゃぶ。最高級和牛「和王」やプレミアム豚「肥皇」など、ご当地食材をせいろで蒸しあげた料理で、〆には五島うどんを使った長崎の伝統料理「地獄炊き」を堪能してもらいます。

 ちかっぱの大きな特徴は、店で味わった食材や調味料を、店内の物販コーナーで購入したり、後日、お客様がお取り寄せできる点です。新宿店ではメニュー表におとり寄せカードを付けており、会計時にはお客様が食された食材や調味料のお取り寄せカードをお配りしています。

 今のところ、新宿店で人気が高いのは、もつ鍋と相性のよい「きんちゃんのゆずこしょう」です。長崎の五島うどんやつまみあごも人気です。

自分より“異端児”な人と独立後に出会った!

 さて、私は約20年間、大手の飲食企業で会社員を経験した後に起業しました。現在は直営で飲食店を2店舗経営するほかに、ショップのプロデュースや業態開発、商業施設のコンサルティングなども手がけています。会社員時代の経験が今の仕事のベースになっていると思います。

 会社員時代には年間売上でエリアNo.1の優秀店長賞や優秀社員賞などをいただきました。でもけっして優等生タイプではなかったように思います。少なくとも熱血マンタイプではなかったし、かといって、イエスマンでもなかった。

 たぶん周囲から見れば、ほどほどに仕事をしている人って感じで、それでいながら、異端児的な存在だったのではないかと思います。

 でも、いま改めて振り返ると、独立後に出会った人は、私以上に異端児ばかりだった!たとえば、10代半ばから「この仕事が好きだから」というシンプルな理由で、大きな賭けをして生きている人などとも出会いました。組織の中にはなかなかそういう人はいなかったので驚きました。「若いうちからリスクテイクして、偉いな」と本当に感心しました。組織とは以外に小さいものかもしれないと独立してから気づきました。

大手企業の社員は、みんな優秀なのか!?

 例えば、ある組織の中で優秀な人間というのは、本当に優秀なのでしょうか。

 私は、見方を変えれば、その組織の中でしかその能力は通用しないということなのかもしれないと思っています。だから逆に、今、上司に評価されずに悩んでいる人でも、他の組織や世界では高く評価される可能性もあると希望をもっていいと思います。もちろんその逆もありえます。大手企業で評価される人がみんな優秀とは限らないのだと思います。

 起業してそんなことを発見できたことが、長年、大手企業でサラリーマン生活を送ってきた私にとっては、とても衝撃的なことでした。そして同時に、働く場所や組織はどこであっても、「好きなことを仕事にしている人は本当に強い」ということも知りました。

 あと、私が大切にしていることは、「運と縁は大事にしましょう」ということです。縁があるとは、つまり運があるということ。せっかく縁があって一緒に働くことになったのだから、「ここの会社(店)で良かったな」とスタッフに思って欲しいといつも考えています。

 だから手を挙げた人にはたくさんチャンスを与えています。その結果、誕生したのがちかっぱ業態でもあります。実は、ちかっぱの食材発掘のために、交通費だけで500万円を投じました。時間もコストもかけて、社員たちが自分たちで企画を温めて実現させました。

 いよいよちかっぱの2号店もオープンしました。スタッフたちの人生において、次のステップに通用する何かを、当社にいる間にぜひ身につけていってもらいたいと考えているところです。

店名 お取り寄せバール Chikappa(チカッパ)
住所 東京都中央区銀座4−3−6 名古屋商工会館1階
営業時間 11時00分〜24時00分
坪数 26坪
席数 45席
客単価 昼950円、ティータイム600円、夜3500円