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第1028回 株式会社UNI 代表取締役 岡本直也氏
update 24/07/23
株式会社UNI
岡本直也氏
株式会社UNI 代表取締役 岡本直也氏
生年月日 1999年4月28日
プロフィール 兵庫県姫路市出身。学業やアルバイトなど不幸にも新型コロナ禍による制約を受けるが、その不運を逆手にとり淡路島でカフェを開業。この経験を経て、地元・姫路市で、双子の兄の協力を得て『アイスは別腹』を開く。斬新な店名もさることながら、時代を反映する“SNS”を縦横無尽に駆使し成功に導く。
主な業態 「アイスは別腹」
企業HP https://ice-wa-betsubara.com/
牛や山羊、羊には4つの胃(反芻胃という)があるが、人間には1つしかない。でも“別腹”という、牛にも山羊にも羊にもない“腹”がある。よく“甘いものは別腹”というが、これは、〈これ以上は食べられない満腹状態でも甘いものなら食べられること〉をいう。“別腹”を満たす食べ物は“甘い食べもの”が多く、この仕組みは医学的に解明されているようだ。が、理屈はともかく“別腹”を商品化した若者がいる。

小学生の頃、子どもなりに飲食業に憧れを抱いていた。

国宝・姫路城で知られる兵庫県姫路市。山陽姫路駅から徒歩10分程、本町商店街に『アイスは別腹』という店がオープンした。2021年11月19日のことだ。このユニークな名で開業したのは、株式会社UNIの代表取締役で2024年4月、25歳になったばかりの岡本直也氏。
―“UNI”という社名の由来は……?
「比類のない、独特なという意味を持つ“UNIQUE”と、連結する、統合するという意味の“UNITE”の頭3文字からとり、個性的でユニーク、さらに面白い人たちと働きたいという意味を込めて命名しました」と岡本氏。
「生まれは兵庫県姫路市大津区で、姉が一人いますが、双子の兄弟なんです」。双子の兄の拓也氏は現在、株式会社SIROという会社を起業し『クレープは別腹』というクレープ専門の店舗を運営している。兄との関係は後述するが、基本的には兄弟の強みを活かしたといえなくもない。
「父親は従業員が20〜30人ほどの製造業を経営しています。双子だからってことではないのでしょうが、よく兄弟喧嘩をしましたね。お互い意志が強いのか、よく衝突しました。そのたびに父親には叱られましたが……」。
―どんな教育方針だったのですか?
「特に厳しく育てられたわけではないです。ただ放任ではないのですが、『好きにやっていいよ』とは言われていました」。
考えようによっては、両親は“自立”“自律”して生きることを暗に教えてくれていたのかも知れない。そんな教育を施された直也氏、学生時代に起業した。
「幼い頃から料理、飲食が身近にありました。というのも、父方の母がお好み焼き屋を営んでいたのですが、よく“好きなもの、食べたいものを作っていいよ”と言われ、調理というか、飲食の虜になっていたんです。小学校の頃ですが、当時から飲食業に憧れてもいました」。
「食に関する興味があったので、高校卒業後に食に関する幅広い知識、スキルを身に付けようと大手前大学 の健康栄養学部管理栄養学科に進学しました。2017年のことです」。
学びの意欲を抱え入学した大学時代、思いもよらぬ、回避することもできない事態、不測の出来事に遭遇した。新型コロナの流行だった。

新型コロナ禍。逆風だったから思い切ることができたかも。

「大学2回生のとき、2019年ですが、新型コロナが流行しました。得体の知れない感染症で収束が見えず、社会の動きや経済活動が停滞したのですが、その動きに合わせるように学校は休校に、アルバイト先も休業になり、一人で考える時間が増えました」。
休校、休業という不都合な状況だったが、その一方で“思考する”という時間が持てたことは、有意義な時間でもあったことだろう。
「将来、飲食店を開きたいと思っていたので、この“空き時間”を利用し、起業できないかと調べ始めました」。
「親の教育なのかどうか、学生時代から自身の才覚で稼ぐことが多かったこともありましたし、調べたり、考えたりした結果、“やりたいことをやろう!”と決断して在学中でしたが淡路島でカフェを開業したんです。この時が飲食業のスタートになりますね」。
−学生生活を送りながらカフェを運営することに支障はなかったのですか?
「当時、大阪に住んでいたのですが、再開した授業がオンラインでしたから通う必要はなく、 別の場所でも授業を受けることが可能でした。であれば淡路島で出店してみようと考えました」。
―開業に要した費用は、どのように工面されたのですか?
「総額で200万円ほど。半額は用意できましたが、残り半額は父からの援助で賄いました」。
―どのようなお店でした?
「スイーツからランチまで、幅広い料理を提供するお店です。意欲はありましたが知識もコネもないゼロからの状態で、内装やメニューまですべて僕が考えました」。
―業績は?
「ところがオープンはしたものの、新型コロナの影響は深刻でした。開業して間もない頃は、お客さんが来ませんでしたから……。学生時代、大阪でグルメ・インフルエンサーのようなことをしていてフォロワーもいたものですから、それなりにお客さんが来ると思ったのですが……」。
ただ、手をこまねいていても好転するわけではないので、メニューの内容など改善していくうちに、徐々に来客が増えるようになったという。夏が訪れた。
「夏に向かってアイスを作ったところ、お客さんが増えたんです。季節的にもマッチしたのか評判になり、“これならイケるっ!”と確信が生まれ、自信のあることに特化しようと決断したんです。それが、“アイス”でした」。
『アイスは別腹』の誕生だ。

双子だから尊敬し合うし、苦労も乗り越えられると思った。

淡路島での経験を踏まえ開業した『アイスは別腹』。開業にあたって岡本氏は、現在、株式会社SIROの代表を務める双子の兄、拓也氏に協力を仰いだ。
 「兄は兄で独自の仕事をしていたのですが、“姫路でお店を始めるので一緒にやらないか”と誘いました。兄からは“店舗経営は素人だけれど、お店以外のこと、サイトを作ったり、SNSで集客したり、そういった面でサポートできるから協力できるよ”と返事がありスタートしました」。
そもそも双子経営って珍しく話題になることを目論んでいたし、二人で力を合わせれば成功するという自信もあったという。
「お互いがお互いの能力を尊敬していましたし、何があっても二人なら乗り越えて行けるという確信がありました」。
「父に打ち明けたとき、“とにかく喧嘩はするなよ”と、笑いながらですが釘を刺されました。幼い頃、よ〜く喧嘩していましたからね」。ただ、喧嘩はすれど強い味方であることに変わりはない。でも、喧嘩は避けられない。
「どんなに仲が良くても他人ならどこかに遠慮があると思うんです。ところが身内、双子の兄弟となると話は別で容赦しないですから、必要以上に争ってしまうことも分かったんです。喧嘩というほどではなくても言い合いはしょっちゅうでした。だからこそ、最高のものができると……。ある意味では強みですね」。
「メニューひとつ決めるのさえ簡単じゃなかったですね。最大に意見が違ったのは『アイスは別腹』という店名です。兄には兄なりのイメージがあったのでしょう、“そんな店名にするんなら、一緒にはできない”と言われましたが、僕としても譲れない」。
―とは言え、かなり珍しい店名だと思うのですが……。
「どちらかと言えば、直感で閃いた名でしたが、インパクトがあるし、印象に残るだろうと思いました。そんなこんなで“絶対に成功するから”と口説き落としました」。兄と侃々諤々のバトルを繰り返し、紆余曲折を経て2021年11月、無事に開業。
「順調にTakeOffすることができました。新型コロナ禍だったからテイクアウトできるものを考え提供し、それがお客さんのニーズにマッチしたのだろうし、コンビニ感覚で寄れる店でしたし……。振り返ってみれば成功だったと思いますね。予想以上にね。もちろん、『アイスは別腹』とい店名の訴求力とでも言うのか、好意的に受け取られたと思いますよ」。
メニューも豊富で、定番商品、こどもあいす、大人の深酔いパフェなど多彩で、新商品の開発にも余念はない。
「地元の食材を使うなど、地元が潤い、産業が盛り上がればいいかな、と思っています。スタッフはほぼ同世代で、1店舗10〜20人ほどで運営しています。運営にはそれぞれ細かなマニュアルがあり、就業前に本部で研修を受けることになっています」。
2021年11月の開業から2年半ほど(取材時)にしかならないが、商いは順調に推移し店舗数も増えているようだ。
「現在、直営店とFC店を合わせて全国で20店舗展開しています。仕事の内容はマニュアル化されていて誰でもが取り組める仕組みになっていますから、FC店運営は未経験でも可能です」。

“SNS”。Z世代、デジタル・ネイティブ世代ならではの取り組み。

23歳で開業した『アイスは別腹』が、短期間で知名度を上げ、話題性を提供し、店舗数を増やし売上をUPしてきたのは、SNSを効果的に活用した結果だろうと、岡本氏の話から感じる。つまり、時代の変化だ。
世代の特徴を一括りで語るのは危険だが、1999年生れといえば、いわゆる“Z世代”と称される世代に属する。一方で、インターネットが普及し始めた1990年代半ば以降に生まれた世代を“デジタル・ネイティブ世代”とも称される。つまり、Z世代=デジタル・ネイティブ世代という関係である。この世代の特徴として自己表現を重視する傾向が強く、“SNS”の普及によって、自分自身を表現、他人と情報や事実を共有する機会が増えたことが要因になっている。
具体的には、自分の意見や感情をX(旧Twitter)でつぶやく、自分の日常をInstagram(インスタグラム)やfacebook(フェイスブック)など自己表現の場が増えている。
「SNSが大きな武器ですが、ただ発信するだけではなく、継続することで武器になるんです」と語る岡本氏。
「効果的な情報をいかに発信するかがポイントだと思います。『アイスが別腹』を体験されたお客さんやリピーターの方の書き込みなど集客だけではなく、人材募集、起業を考えている方からの問い合わせなど、SNSが大きな武器になっています」。
「たとえばTikTokからInstagramに誘導する方法で求人募集をすると、かなりの人数の問い合わせがあります。店舗からの発信も、全店舗週2〜3回投稿しています」。
このように“SNS”を活用することが、『アイスは別腹』の知名度、認知度が高まる機運を醸成に繋がっている。
「将来、『アイスは別腹』を他地域にも出店しで全国制覇をしたいですし、『〇〇は別腹』という店を始めたいですね」と語る岡本氏。
“SNS”を武器に進軍する時代の寵児の顔があった。

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